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保健師のお仕事 保健指導とは
ここでは、保健師の仕事の中で重要な「保健指導」についてご紹介します。
保健指導とは、健康診断の結果から、主にがんと循環器病予防の観点から高いリスクがある人を対象に生活習慣の改善などを実施するための個別面談です。
<健康診断から保健指導までのながれ>
毎年行われる健康診断の結果から、主にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目し、生活習慣病のリスクに応じて保健指導を行うべきとされる対象者を抽出します。
その際、健診結果から下記の3段階に区分します。
①「情報提供」のみを行うレベル
②「情報提供」及び「動機づけ支援」を行うレベル
③「情報提供」及び「積極的支援」を行うレベル
上記のうち、医療保険者の義務である「特定保健指導」の対象者は上記②、③の対象者から特定の薬をを服用中の人を除いた人たちですが、企業によっては優先順位を付けながらも、健診結果の有所見の有無にかかわらず全従業員に保健指導・面談を実施している場合もあります。
実際の保健指導では、産業医・保健師などの産業医療職が個人の健康リスクに応じた生活習慣の改善を指導し、行動変容を促すことで生活習慣病を予防します。
この時、個人がその重要性を理解し、納得して行動するように促すことが保健指導の役割として重要なポイントとなります。
指導は一度で終了するのではなく、健康リスク低減のための行動が日常的に行われているかまたその効果の状況を確認するため、継続的に実施する必要があります。
<集団分析とPDCA>
また、個別の指導とは別に、企業では集団での分析も実施します。
集団分析は、健診データをはじめとする統計資料等に基づいて健康課題を分析しその集団での健康リスクの特徴などを抽出します。
集団の分け方は企業それぞれですが、部署ごとや事業所ごと、または職種ごとや年齢性別などで行うのが一般的です。
抽出したリスクに対してどのような対策が有効かということを計画(Plan)し、それを実行(Do)します。
実行後には必ず効果検証(Check)を行い、継続的に改善(Action)を行います。
これらの一連の流れを「PDCA」と呼びます。PDCAを継続して繰り返すことにより、常にその時の現状に即したより良い取り組みを実施していきます。
PDCAについて詳しくは、「産業保健師が知っておきたい PDCAサイクル」をご参照ください。