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M&A仲介会社から「御社を買いたい」という問い合わせが来たらどう対応すべきか


はじめに


突然、「社長をお願いします」といった電話や、ウェブサイトの問い合わせフォームから「御社を買いたい企業があります」という連絡を受けたことはありませんか?そのようなM&A仲介会社からの問い合わせに、戸惑いや不安を感じる経営者の方も多いでしょう。

本記事では、そのような突然の問い合わせにどう対応すべきか、M&A(エムアンドエー)の基本から具体的な対処法まで、詳しく解説します。

M&Aとは何か


M&A(エムアンドエー)とは、「Merger and Acquisition」の略で、日本語では「合併と買収」を意味します。企業が他の企業を合併したり、買収したりすることで、事業の拡大、新規市場への参入、技術力の強化などを図る手法です。

▼M&Aの主な目的

•事業拡大:新しい市場や顧客層へのアクセスを得る

•技術・ノウハウの取得:他社の技術や知識を取り入れる

•経営資源の最適化:人材や設備の有効活用

•事業承継問題の解決:後継者不在の問題を解消

M&A仲介会社の役割


M&A仲介会社は、売り手企業と買い手企業の間に立ち、M&Aプロセスをサポートする専門企業です。主な業務内容は以下のとおりです。

•マッチング業務:売り手と買い手のニーズを把握し、最適な相手を見つける

•企業価値評価:適正な企業価値(バリュエーション)を算出する

•交渉支援:条件交渉や契約書作成のサポート

•デューデリジェンス支援:財務・法務・税務などの調査をサポート

突然の問い合わせが増える理由


近年、中小企業の事業承継問題や市場環境の変化により、M&Aが活発化しています。その背景で、一部のM&A仲介会社が案件獲得を目的に多数の企業へ一斉にアプローチを行っています。

▼なぜ大量の問い合わせが発生するのか

•案件確保のための数打ち戦略:大量の企業に連絡し、反応があった企業に集中する

•営業手法の背景:証券会社や保険会社出身の営業マンが電話営業を主な手法としている

•マーケットの拡大:M&A市場が拡大し、競争が激化している


問い合わせが来た際の具体的な対応方法


突然の問い合わせに戸惑った際、以下のステップで対応すると良いでしょう。

1. 具体的な買い手企業の情報を確認する

最初の電話やメールで、「具体的な買い手企業の名前を教えていただけますか?」と尋ねましょう。

•信頼できる仲介会社の場合:秘密保持契約(NDA)締結後、具体的な情報を提供

•曖昧な返答をする場合:「秘密保持契約を結んでから」「新聞やニュース、IR情報を適当にピックアップして提示」などと具体性に欠ける


秘密保持契約(NDA)とは、取引や交渉で知り得た情報を第三者に漏らさないことを約束する契約です。M&Aでは必須の契約であり、締結自体に費用は通常発生しません。

2. 仲介会社の評判を調べる

インターネットで仲介会社の評判を検索しましょう。

•検索キーワード例:「〇〇M&A仲介 評判」「〇〇M&A仲介 口コミ」「〇〇M&A仲介 迷惑電話」

•評判が悪い場合:過度な営業やトラブルが報告されている可能性がある

M&A仲介業は秘密厳守で“黒子”の業界なので、企業の知名度と信頼度は必ずしも一致しません。悪評のみ確認した方が良いでしょう。

3. 費用の発生タイミングを確認する

初期段階で費用が発生するか確認します。

•一般的なケース:成功報酬型で、最終的な契約成立時に費用が発生

•注意すべきケース:相談料や月額等の契約費用を要求される


4. 提案内容の具体性を確認する

以下の質問を仲介会社に投げかけてみましょう。

•なぜ当社を買いたいのか

•買収後のビジョンや計画は何か

•期待するシナジー(相乗効果)は何か

•どのような経緯で当社に興味を持ったのか

シナジー(相乗効果)とは、企業同士が合併・買収することで生まれる効果のことです。

信頼できる仲介会社を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

▼信頼できるM&A仲介会社の特徴

•具体的な情報提供が可能:秘密保持契約締結後、買い手企業の詳細を開示

•費用体系が明確:着手金や成功報酬などの費用が明確

•実績が豊富:過去の成功事例や専門性が高い

•コミュニケーションが円滑:質問や相談に迅速・的確に対応


M&Aプロセスでよくあるトラブルには以下があります。

▼注意すべきトラブル事例

•情報漏洩:秘密保持契約がないまま情報が拡散

•不当な費用請求:事前の説明なく高額な費用を請求される

•虚偽の情報提供:実在しない買い手企業を装う

•契約内容の不備:重要な条項が抜けており、後で不利益を被る

対策方法


最近、M&A支援機関登録事務局から迷惑営業に関する注意喚起が発表されました。過度な電話営業を行う仲介会社は、信用の低下や補助金の対象外となる可能性があります。迷惑営業に悩まされている場合、以下のフォームから相談できます。

M&A仲介協会 苦情対応窓口

中小企業庁 M&A支援機関情報提供窓口

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/ma/faq/faq_3.html

当社の取り組み


当社では、以下の方針でサービスを提供しています。

•透明性の高いプロセス:常に進捗状況を報告

•専門家チームのサポート:財務・法務・税務の専門家がサポート

•お客様第一主義:お客様の利益と満足度を最優先

まとめ


M&Aは企業の未来を左右する重要な決断です。信頼できるパートナーと共に、最適な選択をするためにも、情報収集と慎重な判断が不可欠です。

ご不明な点やお悩みがございましたら、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。

信頼できるパートナーと共に、最適なM&Aを実現しましょう。

プライマリーアドバイザリー株式会社
代表取締役 内野哲


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