【数秘術】名前が人生の行き先を決めるのか
数秘術では生年月日のみならず名前からも数字を出すことができます。生年月日由来の数字は人の本質を表し、名前由来の数字は人の社会性を表すとされています。
さて、その名前と数字の関係についてご質問をいただきました。
Q. 仮に子供に名前をつけずに育てたとしたら、ライフパスナンバーとバースデーナンバーの性質だけがめちゃ強く現れるんでしょうか?名前だけで自分の才能やあれこれが決まってしまうことにむなしさを感じたので聞きたくなりました。
同じように感じていらっしゃる方のために今回記事にまとめることにしました。ご質問には複数の要素がありますので、まずは次のように区切ってみましょう。
Q1. 名前がついていない人はどういう性質を持ちますか?
Q2. 名前だけで自分の才能やあれこれが決まりますか?
Q3(?). 自分の才能が名前で決まっているなら、むなしさを感じます。
いきなり結論を言ってしまうと身も蓋もないのですが、あえて先に簡潔に回答して、そのあと理由を書いていきます。
A1. あらゆる可能性があり、言えることは何もありません。ライフパスナンバーとバースデーナンバーの性質が強く出るかもしれないし、別の性質が出るかもしれないし、その時々でふるまいが変わるかもしれません。
A2. 数字と得手不得手の傾向は無関係ではなさそうですが、それによって道が閉ざされたり、逆に成功が約束されるわけではありません。
A3. 価値観は人ぞれぞれなので回答というよりはコメントです。数秘術のデータは過去の人間による活動の結果をまとめたものです。未来は分かりません。これまでの傾向を覆してやろうとは思いませんか?
では、解説編です。
Q1について(名前がついていない人の数秘術)
ご質問の状況に近い事例が、ひとつありました。
小説のなかの“吾輩”は当時夏目家に迷い込んで住み着いた猫がモデルで、現実にもずっと名前がつかないままだったそうです。(参考:ブログ「今日のことあれこれと・・・」)
…とはいえ、これは猫の話。人間社会では仮に名前をつけずに育てても、どこかの段階で勝手に名前(最悪の場合でも番号など)がつくと思います。そのうえで思考実験として本記事を書き進めます。
まず注意点ですが、数秘術そのものの有効性が世間一般に認められているわけではありません。次のような仮定をします。
・数秘術と人の性質に何らかの関連や傾向がある
・生年月日のみならず名前由来の数字も人の行動と関連がある
また、以下はプリラボによる数秘術の解釈であり、これが絶対の答えでないことは予めご了承ください。
生年月日由来の代表的なものはライフパスナンバー(以下、LPと表記)、名前由来の代表的なものはディスティニーナンバー(以下、Dと表記)です。
実際の人の言動にはバースデーナンバーやソウルナンバーなども絡み合っているのですが、ここでは簡単のためLPとDのみを扱います。LPとDの違いは、最大限縮めて言うと責任感の有無です。
LPは、自分の目指すべきことや今やるべきことに関係なく常時作動している性質と関連があります。
Dは、仕事や子育て、会員としての活動など他の人の存在を意識したときに出る性質と関連があります。責任を背負ったり使命を感じたりしているときにDの性質が強まります。
ちょっと端折りすぎかもしれませんが、
オンのとき→LP+D(例:職場での行動)
オフのとき→LP(例:夜寝る前の考え事)
と捉えておくと大筋では間違っていないかと思います。
前置きが長くなりましたが、名前がない場合を考えてみましょう。
Dは名前に含まれるアルファベットを数字に置き換えて足し算をしますが、もとになるアルファベットがないので足し算の結果は0になります。
0はすべての可能性を含んだ状態を表しています。9も1から8までの数字を含むと説明されることが多いですが、それはたくさんの色の絵の具を混ぜた結果作られた黒のようなもので、9の性質は具体的に存在します。対して0は、
この説明に筆者もまったく同感です。数学的には
0, 1, 2, 3…
と、ひとつの数直線上に並びますが、数秘術の文脈での0は
「1以上の数字と同列に並ぶものではなく、1以上のすべての数字があらゆる組み合わせで含まれている可能性を持ち、それと同時にどの数字も含んでいない可能性もある」
と考えるのが適当だと考えます。夏目家の猫…ではなくて、シュレディンガーの猫のような話です。
そのような性質を持つ0がDの数字になっている場合(名前がない場合)はLPどおりの振る舞いをするかもしれませんし、LPとは別の性質が現れるかもしれません。あるいは、自分の流儀を持たずにその時々で行動の取り方が変わるかもしれません。何もしないかもしれません。
なので、ご質問の答えとしては「ライフパスナンバーとバースデーナンバーの性質が強く現れることもあるし、そうでないこともある」ということになります。
何も言ってないのと同じじゃないかと思われるかもしれませんが、それこそが0なのです。数秘術の考え方に素直に従うと、どこかで名前がついた時点でDの数字が確定し、すべての可能性の中から特定の使命を背負うということになります。
Q2について(名前で自分の才能が決まるか)
前項の結論を引き継ぐと、やはり名前がつくと同時に何らかの運命が定まるようにも思えます。たくさんの人のデータを集めてみると、たしかに才能と数字の関連性が示されているように見えます。
プリラボが公開している集計結果から例を出すと、囲碁・将棋のプロでタイトルを取った棋士はD9さんが最も多くなっています。
・囲碁棋士のデータ
・将棋棋士のデータ
(それぞれディスティニーナンバーの項目をご覧ください)
囲碁と将棋の両方でD9さんが一番多く、驚いたことにアマチュアが使う将棋対局アプリのユーザーIDを集計してもD9さんが多くいました。
本名ではないのに、それでも似たような傾向が出るのが少々不思議です。この仕組みについても深掘りしたい気持ちを抑えて、本題を続けましょう。
このようなデータを見てしまうと、D9さん以外の人は
「あ、自分は囲碁も将棋も向いてないんだ…」
と思ってしまうでしょう。
しかしこれは全体として見た時のことで、個人の運命が決まっているわけではありません。他の数字の棋士もD9さんよりは人数が少ないものの、ちゃんとタイトルを取っているのです。
「でも、D9じゃないと成功する確率は低いんじゃないの?」
いや、そうとは言い切れません。D9さん以外はそもそも頭脳勝負の世界を目指そうとする人口が少なく、一旦その道に進む選択さえしてしまえば成功する確率は同じかもしれないのです。
これに関しては断言できませんが、アマチュアのユーザーIDでもD9さんが多いことから(直接の証拠ではないものの)その可能性が高いと考えています。
どの業界でもこの数字だからダメとか、逆に間違いなく成功するなどということはありません。自分が目指したい分野に多い傾向の数字を持っていなくても、やりたいことがあるのであれば自分の数字の強みを活かして取り組んでみてください。
Q3について(運命がむなしいと感じる方へ)
ここまで話を進めると、次は「それでも、どの道へ進むかの選択を名前に決められてるってことでしょ?」という声が出てくるでしょうか。
例えばD1さんなら選択しやすい立ち位置は開拓者、リーダー、ご意見番、アイドル、一匹狼、勝負師…などが予想されます。(100%そうなるわけではないことを念のため繰り返しておきます)
筆者としては不自由を強いられるほど名前によって選択肢を絞られているとは感じませんが、それでも最初からバイアスがかかっているのが気に食わない方もいらっしゃるでしょう。そのような皆さまには、次のような視点を持っていただきたいと思います。
「数秘術ではこういうデータが出ています」と言うとき、それは現時点までのことしか説明していません。未来を当てるのが占いじゃないかと思われるかもしれませんが、意外にそうでもないのです。
特にディスティニーナンバーは人が担う役割を示すもので、時代の移り変わりとともに傾向が変わることがあります。過去から見て時代の最先端である現在を生きる私たちが今後その傾向を変えることは十分に可能だと考えます。
名前による方向付けを虚しいと感じる方は(それが悪いというわけではありませんが)自分が新しい傾向を生み出すパターンを想像してみると名前というものがまた違って見えるかもしれません。
…というのは複数1持ちの筆者の意見ですので、納得できなかった方は聞き流してください。
雑談(猫の名前)
本題は以上です。最後にどうでもいいネタをひとつ。
『吾輩は猫である』のモデルの猫について、冒頭で紹介した記事にこんな話が引用されていました。
えっ、そんなことあるの?…と思われた皆さん、数秘術の出番です。夏目夫妻の数字を見れば疑問は解決します(笑)
夏目漱石は1867年2月9日生まれ
1+8+6+7+2+9=33
鏡子夫人は1877年7月21日生まれ
1+8+7+7+7+2+1=33
もちろん、引用元の論文にもあるように当時と今では動物を飼う感覚も違うでしょう。ただ、数字を見れば地球の常識や習慣にとらわれないLP33さん夫婦の家。そりゃあ、そういうこともあるだろうな…と納得した次第であります。