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感染する蒼炎の軌跡【遊戯王デッキ紹介】
0.自己紹介
初めまして、
凡骨なカジュアル決闘者の姫川ヒスイです。
(デッキの流れだけ観たい方はここらへん飛ばしてください。)
日々ひーこら言いながら
遊戯王マスターデュエルで
ランクマ潜ったり、フリー潜ったり、ソロモードでソリティアしてたりしています。
以前は動画作ったり、配信したりなんかもしてましたが
就職してからはそんな時間もなく
自分のデッキを紹介する時間も無くなっていました。
とはいえ決闘者の端くれ。
己のデッキを紹介したい気持ちは沸々と湧いて来るもの。
(承認欲求モンスター)
かと言ってX(旧:Twitter)だと文字数制限あるし、
長文書いたら見にくいしで
どうしようかしらと思ったら
noteがあるではないかと、思い立ったわけです。
というわけで私がのんびりと2年近くこねくり回した
相棒デッキの歴史をつらつらと長文で述べていきます。
自分語りが長いから時間あるやつだけ読んでくれよな!
1.思い立ち
2022年のある頃、アマプラで「遊戯王GX」を完走した。
自分が学生の頃の世代は「ZEXAL」(中学)と「ARC -V」(高校)で
「GX」は話の流れくらいしか知らなかった私は、
その世界観に強い感銘を受けた。
いささか誇張のある感想だが、強い憧れを受けたのは間違いはない。
それは「相棒を一点特化させたデッキ構築」である。
「GX」に出て来る一話ゲスト決闘者の中でも
一体のモンスターに特化させて戦う戦術が自分にとっては衝撃的であったのだ。
簡単にいえば、
先行でエースドーン!
主人公のターンをサポートカードで回避!
主人公を追い詰め!
ひっくり返される!
……負けてんじゃん!
でもそんなちょっと刹那的なモブのデッキにえらく感銘を受けたのは間違いないのだ。
そしてそんな時自分のストレージを確認したところ
かつての相棒が顔をもたげてきたわけである。
私が小学生の時、兄に勝てなくて
新しいデッキが欲しいなぁって思っていた時。
パッケージに惹かれて買ってもらった
かつての相棒がそこにいたのだ。
(まあ、兄にはついぞ勝てなかったが。
場魔法共有時代の「魔法族の里」はダメだよ兄貴。
セットしたら除去できるっていうルールも知らないからなおさら駄目だよ、あれは。)
アンデットデッキをずっと使っていた私でも、
9期のインフレで流石にデッキから枚数を減らしてしまった相棒カード。
『「不死竜」を、フル投入したデッキを組みたい。』
そんな思いという名のエゴから生み出されたのがこのデッキ。
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蘇生させるんじゃないかなぁという妄想から
『「不死竜」を出さなければ回らない』という
今見ると欠陥構築も甚だしいデッキである。
それでも組んだ当時、
「不死竜が何回も場に出て来るぜ!ヒャッハァ!」
と喜びまわった気がする。
「真紅き魂」、「伝説の黒石」、「黒鋼竜」、「ブルーム」、「ユニゾンビ」、「インサイト」と
「不死竜」に触れるカードを大量投入した構築で
ほぼ確実に「不死竜」を絡ませるデッキとなっていた。
「真紅眼」の名称サポの対象であること
「アンデット族」という恵まれた種族でもあることが幸いして
組みやすさとしては破格ではあったのかもしれない。
まあこんなデッキでもマスターデュエルの初期は
フリーデュエルで遊べるくらいには楽しめたのである。
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2.苦悩
しかしながら、このデッキ。
次第に欠陥が見過ごせなくなっていく。
まず「伝説の黒石」なのだが、
自力でSSする効果がないため、
このカードを初動とする場合、召喚権を消費しなければならない。
だがリリースして発動する関係で「うらら」を打たれると
盤面に何も残らないのである。
(同じような初動である「黒鋼竜」に関してはリンクリに変換する都合上、
少なくとも盤面ガラ空きで終わらないため、こちらはまあまあと言ったところ。)
流石に盤面0で次のターンが返って来ることなど、
カジュアルなフリーでも現代遊戯王は許しちゃくれない。
手札誘発も「真紅き魂」しかない都合上、
相手のターンは指を咥えて眺めているだけとなってしまう。
かと言って誘発を入れても、
「不死竜」自体には
制圧効果も、妨害効果も、捲る効果もないのである。
誘発で止めたところでゲームエンドまで詰め切るパワーが「不死竜」にはないのである。
この問題点は、かなり厳しかった。
本デッキにおいて
「鎖付き真紅眼牙」くらいしか「不死竜」単体が絡む妨害、捲り効果はないのだから。
また、「不死竜」が出せたとしても
「不死竜」には耐性がないことも相まり
そこまで強靭な壁として立ちはだかることができないというのも難点であった。
「真紅眼」系統の呪いともいうべき共通ステの2400打点は
エース級の2500打点ですぐ越えられるのだ。
その軟弱性を、それでも愛してはいたが
「遡刻竜」でカバーするなど、騙し騙しやってきた。
しかしあるときふと思い立った。
『「真紅眼」サポート、ドラゴン族ばっかりじゃね?』
そう、盲点だったのだ。
「アンデット族」である「不死竜」に目が行きすぎて、
サポート側はドラゴン族ばっかりなことを見逃していたのである。
つまりある程度のドラゴンサポートを組み込む余地はあるということだ。
そしてそこで白羽の矢が立ったのは
「ビーステッド」達である。
手札誘発であるため、属性次第だが相手の墓地メタにもなりつつ
「マグナムート」によってサポートモンスターをサーチすることができる。
その当時くらいからもう制限カードになってはいた(はず)ので
採用枚数も少なく大きく影響があったわけではないが、
ここで「他のテーマ」を許容したのが、後に響くのであった。
当時のデッキリストはこんな感じ。
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マグナムートとかも馬頭鬼で蘇生できたりもした。
デッキ内の種族は変わらないのでサーチも変わらず出来るのもグッド。
同時に採用できた「復烙印」もさらにデッキを強化しており、
「アンデット・リボーン」でデッキから除外した「不死竜」を
すぐさまデッキに戻せるのでリソースの回復・確保としても一段階上昇したのである。
あとかっこいいよね、「ビーステッド」。
こう、闇堕ちしたキャラが使いそうで。
3.転機
そうしてビステ堕ちした私は、
あいも変わらずこのデッキをMDのフリマで振り回し続けた。
そんなある時、
遠出していつもとは違う街のカドショに向かった私は
コレクション用に「黒魔女ディアベルスター」のアルティメットを衝動的に購入。
(買った時は使うアテもなかった、1枚くらい持ってたいなーくらいの衝動)
そうして帰宅し、寝床に転がりながら眺めていたところ、
電流が走る。
『手札を墓地に送れるじゃんこいつ』と。
手札に来た「ブルーム」と「バンシー」を簡単に墓地に送る手段は、
「ユニゾンビ」くらいなもので
「ブルーム」については召喚してから、リンクリ素材にして墓地に落とせるものの、
手札に単体で来てしまった「バンシー」は召喚してそのまま除外して
「アンワ」を貼るという動きになってしまう。
(盤面ガラ空きで終わってしまう)
「不死竜」の効果の都合上、
「アンワ」は必須なため、
どうにかして「バンシー」に、召喚権を切らずに墓地に行ってもらいたい。
それを解決したのは「ディアベルスター」だったのだ。
さらにこの時はまだ「罪宝狩りの悪魔」は無制限。
ピン積みの「ディアベルスター」でもそこまで苦にならない。
しかもサルベージ効果持ちだから何枚引いても問題ないと
至れり尽くせりであった。
副産物となる「罪宝」カードも
永続魔法化する「反逆の罪宝」、
無効効果の「シルヴィア」、
月の書効果の「モーリアン」と
妨害や捲り効果という
「不死竜」に不足していたものばかりであった。
さらに「鎖付き真紅眼牙」で装備したモンスターも
「ディアベルスター」の特殊召喚コストに使えるので
奇跡的な噛み合いが発生。
相手ターンに墓地に行った
「ディアベルスター」の蘇生効果にチェーンして
「レッドアイズ・スピリッツ」を打ち、
蘇生コストに発動した「スピリッツ」を墓地に送るなどして
テクい()ことも出来るようになり、一層動きに膨らみが出てきたのである。
その当時のデッキがこちら。
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さらにMDのランクマをプレイ中
相手が「烙印融合」で「サロニール」を経由して「ルベリオン」を落とし、
「アルビオン」リリースで蘇生してるのを見かける。
『そういえばデッキ融合なら「真紅眼」側にもあるな……
でもそんな素材の緩いやつって……おるやんけ!』
「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン」は、
素材にレベル7の「真紅眼」モンスターとレベル6のドラゴンを要求するモンスター。
そう、「ルベリオン」以外の「ビーステッド」はレベル6なのである。
しかも「真紅眼」側の素材には何故か種族指定がないため、
一緒に「不死竜」も墓地に行くのである。(バーン効果の方でも落とせる。)
そしてこの瞬間からこのデッキは、
『「不死竜」が戦うデッキ』から
『「不死竜」が安全に戦えるようにするデッキ』に変わったのである。
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「真紅眼の黒竜」が入ってるのは、
「流星竜」を「ルベリオン」でリリースした時に蘇生でき、
盤面の数が増えるため。
4.現状での完成
「ドラグーン」以降封印状態となっていた「真紅眼融合」を再び扱えるようになって
個人的にはこれが完成だ!と思っていたのも束の間。
最後のピースが登場する。
「彷徨える幽霊船」だ。
タクティカルデッキの「エルドリッチ」強化の一環で登場したであろうこのカード。
レベル5以上のアンデット族ならなんでも蘇生・帰還ができる①の効果。
永続魔法となっても②の効果で除去ができるという
「不死竜」にとって最高のカードである。
「アンワ」適用下では、墓地のレベル5以上のモンスターなんでも蘇生なので
「ビーステッド」も「ディアベルスター」も「流星竜」も蘇生できてしまうこのカード。
蘇生効果後に永続魔法化してしまうので、
効果を使い回すのは難しい……と
普通は思うだろう。
だが、ここで「ディアベルスター」を触っていたのが功を奏した。
「蛇眼の炎龍」の存在だ。
相手ターンを経由するとはいえど、
永続魔法のモンスターを特殊召喚する効果を持つこのカードならば
「幽霊船」何度も使うことができる。
さらに「スネークアイ」は「ディアベルスター」から繋がり、
出張パーツもそこまで嵩張らないため、組み込むことは容易であった。
先述していたが、他のテーマを許容したことによって
爆発力を得ることに成功したのである。
動きを説明すると
必要札は「ディアベルスター」+アンワ(または「バンシー」、「ユニゾンビ」)。
「ディアベルスター」を特殊召喚(「バンシー」を持っていればここでコストに)
→「原罪宝」をセットし発動
→「エクセル」を特殊召喚し、「ポプルス」サーチからの特殊召喚
→「ポプルス」で「スネークアイ」魔法サーチ(「追走劇」か「反逆の罪宝」)
→「ポプルス」素材で「リンクリ」をリンク召喚、
「ポプルス」自身の効果で永続魔法化
→「エクセル」の効果(コストは「ポプルス」)で「オーク」特殊召喚
→「オーク」で「エクセル」か「ポプルス」蘇生し、
「オーク」の効果(コストは「エクセル」)で「炎龍」特殊召喚。
→「アンワ」発動(素引きか墓地に送っていた「バンシー」か「ユニゾンビ」経由で)
→「リンクリ」と「炎龍」素材で「ヴァンパイア・サッカー」リンク召喚
→「炎龍」の効果で「エクセル」、「ポプルス」蘇生。
「サッカー」の強制効果でドロー。
→「エクセル」と「ポプルス」素材で「彷徨える幽霊船」リンク召喚
→「幽霊船」効果でアンデット族になっている「炎龍」蘇生
→「サッカー」+「炎龍」+「幽霊船(永続魔法)」+「スネークアイ魔法(手札)」となる。
「アンワ」か「バンシー」を素引きしていれば、召喚権が余っているので
+αな盤面にもなる。
「ディアベルスター」が引けていない場合でも、
「ポプルス」+「アンワ」でも似たような盤面にはなります。(召喚権は消費する。)
制限カード前提のギミックなのでロマンコンボ止まり……
と思いきや、「幽霊船」と一緒に実装された「アザミナ」が最後のピースとなる。
手順は増えるが、
さっきのパーツである「ディアベルスター」部分が「罪宝の欺き」でも可能となり
尚且つプラスして「背信聖徒シルヴィア」という万能無効まで立つのである。
最終的なデッキレシピはこちら。
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かくしてこのデッキは
『「不死竜」の障害を全力で排除して安全に着地させるデッキ』となったのだった。
程よい妨害とリソース確保による継戦力がもたらされたのである。
(MDのフリマ程度ならしっかり戦い合えるよ。
まだ「幽霊船」MDにきてないから本調子じゃないけど。)
『別に「不死竜」じゃなくても良くない?』や
『ただの「罪宝アザミナスネークアイ」では?』という声もあるだろう。
だがしかし、一度「不死竜」に一点特化させた結果、
彼に妨害も制圧も捲りも任せきるのは難しいという判断を経てこうなったのだ、
というか流石に無理すぎる。どうすんねん。
流石に「5ds」時代のストラクの看板一本で
現代遊戯王をするのは凡骨決闘者には無理やて。(本音)
打点不足を補うために「不死竜」で戦闘破壊を狙いにくいモンスターを
永続魔法化で除去したり、墓地送りにしたりというような
サポートを心がけた結果でもあるので一つの完成点ではあると思います。
打点上昇または減少のギミックである「赫聖の妖騎士」や「贖罪神女」も取り入れているので殴り勝つのも視野には入ってはいますがね。
5.おわりに
ここまで読んでくださってありがとうございます。
私なりに「不死竜」と向き合った結果を誰かに話したかったなぁというのが、
このノートになります。
好きなカードを入れて戦えるのが一番楽しいタイプの決闘者なので、
これからもMDのフリマで変なデッキ振り回し続けていこうと思います。
気が向いたら所持デッキの紹介をしていきますので、
機会があれば、またお会いしましょう。
ありがとうございました。