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UE5でVR360°動画を作る簡単な方法 #UnrealEngine
◆360°形式でビジュアライザー動画を作った
先日、私たちの楽曲「Say No More」のビジュアライザーを
Unreal Engineにて360°動画として作成、YouTubeにて公開しました。
その制作手順をまとめておきます。
◆大まかな手順
・「Movie Render Queue Additional Render Passes」を有効にする
・ムービーレンダーキューからパノラマレンダリングで連番画像を出力
・Media Encoder等でVRビデオ形式に変換
◆Panoramic Captureがよく知られているけど…
360°動画を作る方法を検索してみると
「Panoramic Capture」プラグインを有効にして
「BP_Capture」を使う方法が多くヒットします。
![](https://assets.st-note.com/img/1678619761344-waPcuaHnP0.png?width=1200)
しかし以前試してみた限りだと「BP_Capture」の設定が少々複雑で
スライス数の調整が難しく継ぎ目が出やすかったり、
照明の描画がおかしくなる箇所があったり、
手間と時間の割には最終クオリティ的にも
正直なところ実験の域を出ないなぁといった感触…。
◆実はムービーレンダーキューから直接360°書き出しができる
どのバージョンから実装されていたのかは不明ですが、
実は「Movie Render Queue Additional Render Passes」プラグインを
有効にすると表れる「パノラマレンダリング」を使うと
通常の動画を書き出すのと同じ要領で、
特に何もせずともムービーレンダーキューから
直接パノラマ出力が出来ます。
Panoramic Capture+BP_Captureと比べてクオリティもかなり良好。
あとは任意の動画編集ソフトでVR動画形式に変換すればOKです。
手順はこちら
①「Movie Render Queue Additional Render Passes」を有効に
![](https://assets.st-note.com/img/1678619791417-xxko81E6bH.png?width=1200)
まずはプラグインの項目にて
「Movie Render Queue Additional Render Passes」を検索し
プラグインが有効になっているか確認します。
②パノラマレンダリングをONにする
![](https://assets.st-note.com/img/1678619964679-vScnNjiYmK.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1678619981231-N58P0k6OCX.png)
ムービーレンダーキューで
パノラマレンダリングが選べるようになっているはずです。
書き出したいレベルシーケンスをセットしたら、
レンダリングパスをパノラマレンダリングに設定します。
いくつか設定項目がありますが今回は触りませんでした。
このときデフォルトでONになっている
ディファードレンダリングはOFFにしないとダメなので注意。
ちなみに書き出すレベルシーケンスで
カメラカットに入っているカメラの位置が
そのまま360°形式にしたときの頭の位置になります。
③連番画像に書き出し
![](https://assets.st-note.com/img/1678620009919-dbs4KGwhD8.png?width=1200)
基本的にはレンダリングパスをパノラマレンダリングに変えるだけで
他の手順は普通に動画を書き出す際と全く一緒です。
解像度やフレームレートなどは
ターゲット媒体の推奨値に応じて設定します。
今回は8192x4096、60fpsに設定しました。
フォーマットに関しては
連番画像以外(ProRes等)への設定は不安定なようなので
出来るだけ連番画像で書き出しすることをおすすめしますが、
jpgで書き出しても今回たった3分半で100GBを超えてましたので
ストレージの空き容量には注意しましょう。
④VR動画形式へ変換
![](https://assets.st-note.com/img/1678620070847-C1CT72sQ9a.png)
今回はMedia Encoderを使いました。
Unreal Engineから出力した連番画像を読み込み、
H264やQuickTimeなどVRビデオに対応した形式を選び
「VRビデオとして処理」にチェックを入れて変換すれば完成です!
補足
360°動画を再生開始した際に、
最初に向いている方向が正面からズレている場合があります。
後ろ向いて始まっちゃったり横向いて始まっちゃったり。
こちらはPremiere Proでの修正手順になりますが、
ビデオエフェクト→ディストーション→オフセットを適用して
「中央をシフト」の値を変更すると
正面の初期位置を変えることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1678620083843-m7WFjQmT83.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1678620089867-TJQpNMdlUn.png)
結構な確率で変な方向向いて始まるので
覚えておくと便利です。
◆お手軽に書き出せて便利です
特に難しいことなく書き出すことができる手軽で便利な方法でしたが
何故かあまり情報が出回っていなかったので共有させていただきました。
使うのはムービーレンダーキューなので
何か映像作品を作った際、さあシーンを書き出すぞって段階で
360°設定にしたものも一緒にキューに含めておけば
通常版と360°版をそれぞれ書き出すこともできるので
バーチャルライブ系なんかは特に
サブコンテンツとしてついでにVR360°バージョンも作る、
なんてこともできて面白いんじゃないかなと思います。
ぜひお試しくださいませ!
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