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「ちょっと思い出しただけ」感想(覚書)

※ネタバレを含みます
(2022.7月 ふせったーより)

あの時、あの瞬間まで。あなたに人生まるごと掛けて良いと思ったの。ほんとだよ。

私自身に興味が無かった
失敗作 何の役にも立たない

だから他人の役に立ちたかった
他人がより良い人生を歩めるように、何かしたかった
そうしたら 生きる意味 になれると思った
そうじゃなければ 生きてる価値が無い

他人から評価を得られたら 
他人から必要とされるなら
ようやく自分に許可が出せる

私は、私が生きる為に 
他人に好かれたかった 嫌われたくなかった
嫌われるのを何よりも恐れた
かといって死ぬ勇気もなかった
だから ただの惰性 時間の浪費


かと言って、人から好かれる事に臆病だった
自分に好かれる要素がないから、理解出来ない
理解出来ないから気持ちが悪い

愛されたくて堪らないのに 愛される事に臆病で
恋愛を理解したいのに 自分には恋愛が出来ない

だから性行為に夢を見た 愛の等価交換だと
恋愛が出来ない自分を直視出来ないから
受け入れられない性行為を神話化した
神話を同性同士のものに閉じ込めて監禁して
「だから私に手に入らなくてもおかしくない」と。


「いま」の理由を探せば 「過去」が見え隠れする
この作品の作り方 凄い面白いなって

物事の結果には原因が必ずあって
それが複雑に絡み合っているだけ
でも、そんな単純でも無かったんだ
それでも私は 人生丸ごと引き受けたかったんだ

「困ったことがあるなら 一緒に考えよう」
ようちゃんの 未来を見据えた上での言葉
「自分の事だから、自分なりに気持ちの整理をして
自分が歩み出せるようになったら」
てるおくんの 自分の中の区切りをつけるのに必死な
そんな気持ちも 想像することは出来る

自分の好きなこと 自分の根っこにあるもの
自分にとって核となるもの その重要さ

だけど 生きていれば日常が続いていく
生活する為には手段が必要なこともわかる
でも自分にとって 最も重要な事を天秤にかけた時 
人は本当に 冷静に判断出来るのだろうか?

「あなた、映画スターにならない?」

頑張って蓋をしようとしてきた事は
きっと知ったら戻れないと思っているからなんだ

優しさも 甘さも 恋愛も 愛も
人生はジェットコースターで波がある
最底辺を知っていれば、これ以上下はないと安心する
ジェットコースターが非日常で大好きなのに
変化を楽しめるはずなのに 石橋を叩いて渡らない

手に入ったかもしれない 後から後悔は簡単で
自分が渡らない選択をしたのに 勝手に羨んで
やっぱり 何も手の中になかったんだと思い込む

「いずれは整備工になるつもりなの」

引用は その背景の擦り合わせで
2人同じモノをみて 向いてる方向の確認行為だと
音楽の歌い合わせも そう解釈してるんだけど
きっとキミの目を通した見え方は 私とは違ったんだ


「支えたい」「役に立ちたい」「頼って欲しい」
「愛したい」「愛されたい」「喧嘩をしたい」
「意見を言い合えるような 対等な立場になりたい」

勝手に諦めないで欲しかった
言葉にする理由 毎日のコミュニケーション
目に見える物に縋らずに 会話をしたら
そうしたら 2人の行く先は違ったんだろうか


2年前「君が心に棲みついた」を観た時より
あの人の影が薄れてる
ifを考え続けて
出来事ばかり繰り返し思い出していたのが
今は 「ただ事実としてあった」 だけになった

人生ってきっとその積み重ねなんだ
沢山の人と出会い その中で取捨選択をして
関わりが薄くなれば ゆっくりゆっくり過去になる


なんだ私 前に進んでた


あの毎日天井だけを見て1日を終えていた
あんな場所に戻りたいとは思えない
でも 最底をだけを
ずっと心に刻まなくても良かったのかもしれない

どうか 踏み出したこの先
いつか後ろを向いて 
笑って手を振れる日がきますように

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