Six Nations 見るべき数字とは?
Six Nationsとは、ヨーロッパ6カ国(イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランス、イタリア)の総当たりで毎年行われる、テストマッチシリーズのことです。昨年行われたワールドカップでも6カ国すべてのチームが出場し、ベスト8に4チームも入る強豪国揃いです。
とても人気があるシリーズで人気国同士のゲームでは、ワールドカップ並みかそれ以上のお客さんが入っている様子が見られます。また、ラグビー発祥国であるイギリスのチームが入っていることもあり、王族達が観戦に来られている様子もしばしばです。
そんなSix Nationsが今年も始まりました。といってもすでに2戦は終わっており、今週は3週目となります。
そんな中、注目のゲームが第一戦にありました。それが題名にもある、「フランス対イングランド」です。フランスは、昨年の大会にでは、4位とあまり振るわない結果に終わり、ワールドカップでの活躍も不安視されていましたが、若手の活躍もありベスト8に入ったチームです。対してイングランドは、前日本代表監督のエディジョーンズ指揮のもとぐんぐんと実力を伸ばして昨年大会では2位、ワールドカップではオールブラックスを倒して決勝進出。決勝では、惜しくも敗れたものの準優勝という成績を残したチームです。
個人的には、今大会で一番注目していたチーム同士でありました。イングランドは、準優勝した後のチームを次に向けてどう作っていくのかが期待されていましたし、フランスは、ワールドカップでも活躍した若手がどれほどのものなのか、またU20世代で優勝した選手達がどうチームに絡んでいくのかが期待されていました。
結果からいうと、フランスの勝利でした。スコアは、24対17。
映像は、wowowで確認していただければと思いますし、詳しいスタッツはhttps://sixnations-site.soticcloud.net/report/france-young-guns-stun-england-in-paris/#match-statsで確認していただけたらと思います。
全体的には、フランスがディフェンスを頑張り、よく戦ったという印象でしたが、私はいくつかの数字に着目して簡単に分析してみたいと思います。素人の目ですし、観戦後の主観も大きく入っていますので参考程度にご覧ください。
注目すべき数字ですが、パスの回数です。
80分通しての各チームのパス回数は72回と163回でしたが、倍以上の差がありました。
みなさんはどちらが勝ったフランスの回数かわかりますか?
答えは、フランスが72回、イングランドが163回でした。
パスの回数で見られる試合の流れですが、パスの回数が少ないということから考えられるのは、少ないパスの回数で得点することができたこと。また、キックの回数を増やしていたことがわかります。他の数字も見てみるとやはりキックの回数が増えていました。具体的な数字はわからないのですが、フランスとしては、キックを使って、陣地を回復させ、有利な地域で戦おうとしていたことがわかります。SOのヌタマックからのロングキックや、また、SHのデュポンからの高く蹴りあげるハイパントキックも多く使われていたように感じました。
こういったことから、フランスは有効的にキックを使い陣地を回復。また、少ないパスの回数で得点を奪うことができたということがわかります。もちろんイングランドとしても同じようにキックを使っていたシーンも見られましたが次の数字の違いによってキック有効力が変わったのかなと思います。
それは、ミスタックルの回数です。全体のタックル数は、フランスが207回。イングランドは、135回でした。そしてミスタックルは、14回と20回とタックルの回数は少ないイングランドの方がミスが多い結果となっていました。ここから読み取れるのは、もちろん得点につながるシーンでイングランドのミスが多くなってしまい得点をされてしまったことがわかります。さらにキックのこと絡めると、ハイパント後のタックルのことも考えられます。
キックは、有効的に使えば陣地をとることのできる手段のひとつとなりますが、相手にボール渡してしまうプレーでもあります。そこで大切になってくるのが、キック後のディフェンスです。
ここで考えてほしいのが先ほど出てきた、ミスタックルの回数です。私自身でスタッツをとったわけではないので、正確なことは言えませんが、キック後のタックル成功率が試合の明暗を分けたのかなと思います。
もちろんそこだけで勝ったわけではなく、スクラムやラインアウトといったセットプレーもしっかりと確保しています。また、どちらのチームも素晴らしいのが得点を狙うキック(プレースキック)の成功率が100パーセントであることです。
イングランドもパスの回数を増やし、ボールを持っている時間(ポゼッション)を長くして、得点を重ねていくというゲームプランを遂行しようとしていたこともわかります。また強力なFW陣を使ったアタックも見ごたえがありました。
初戦から素晴らしい試合をしてくれた2チームをまた注目していきたいですし、イングランドとは日本代表が対戦することが決まっていますのでこのチームに対して日本代表がどこまでやっていけるのかということにも注目していきたいと思います。
今回は自分の思うがままに試合の考察を書いていきました。試合を観戦するだけでなく考察するのも楽しいなと気づきましたので、またおもしろい試合があれば書いてみたいと思います。