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アットホームな職場でダイエットは難しい。豚肉の南蛮漬け
まず午前中のうちに、Aさんが一人一人に手渡しでお土産のクッキーを配ってくれた。しばらくしてお昼休憩の後、Bさんが4つの味のチョコレートをくれた。個包装のものではないので、ティッシュを皿にしてそれをもらう。周りの席の人たちと感想を言いながら食べる。そして16:30ごろ、営業帰りのCさんがデパ地下に寄ったからとメンバー全員に立派なシュークリームをくれた。みんな大いに喜んで、わざわざ給湯室からきれいなお皿を出してわいわいと食べる。
殺す気か。
血糖値があがりすぎて、今にも気絶しそうだ。
甘いものは苦手だ。味も苦手だけどまず便秘になるし、翌日に吹き出物が出る。悲しいかな私はカンジダにもなりやすくなる。なぜこの職場の人たちはみんなこんなに甘いものが好きで、それを共有しようとしてくれるんだ?優しい心を持っているからか。助けてくれ。
けれど、いただいているお菓子。人の善意。それを踏み躙ることは私にはできない。チョコを食べた時点でもう甘いもののキャパシティは限界だったが、精一杯の笑顔で、これでもかと粉糖がかかった、とろける濃厚クリームたっぷりのシュークリームを押し込む。
私の勤める職場では、私以外の全員がとにかくスイーツ大好きで、みんなとても優しく、美味しい時間を共有したいという素敵な心の持ち主なので、こういうことが度々起こる。どれだけ少なくても、1週間に最低1回は必ずお菓子の配布イベントがある。個包装のものなら持ち帰って甘いもの好きの彼氏に食べてもらえばいいが、そうでないときはその場で食べるしか選択肢はない。
ここでしか書けないから正直に書いてしまうが、食べたくないときに食べたくないものを食べるのは苦痛でしかない。苦手な物を無理に食べて健康を害するのはあまりにも苦行だ。気持ちは本当に嬉しいし尊い物であるが。
全身が甘ったるくなったような気持ちで帰路に着く。頭がぼんやりしている。
こうなったら今夜はすっぱいものをすっきり食べたい。南蛮漬けにしよう。
油を引いたフライパンで、細切りにした玉ねぎとにんじんとピーマンを炒める。生でもいいけど私は火が入っている方が好きだ。
酢、しょうゆ、砂糖、塩少々、水で南蛮酢をつくり、野菜が熱いうちに漬け込む。
その間に豚肉を一口大に切り、塩胡椒で下味をつけ、薄く小麦粉をまぶして少なめの油で揚げ焼きにする。こんがりと色づいていく豚肉。
揚がったら先ほどつけておいた野菜を汁ごと豚肉の上にかける。ひとかけらつまみ食いすると、香ばしく熱い豚肉とキュッと酸っぱい野菜がよく合っておいしい。
こういうのが好きだ。こういうのに幸せを感じる。
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副菜はにんじんの明太マヨ和え。汁物は椎茸と白菜と油揚げの味噌汁。いつもならもち麦ご飯を食べるけど、今日は16:30にシュークリームを食べたので抜きにした。
今の会社は人間関係が密だが居心地はよく、できる限りこの仕事を続けたいと思っている。ただ、このアットホームな職場では一生ダイエットなんかはできないだろう。というか本当はダイエットなんてしたくなくて、ただ自分の健康を守りたいだけなんだけど、この職場の習慣のせいで摂取カロリーに気を遣ったりしなければならないことが結構ストレスだ。善意でいただいているものだから、こう思ってしまうことに罪悪感も抱く。
皆様におかれましてもどうかお身体にはご留意ください。マハーゼより。かしこ