見出し画像

田舎暮らしの美容室難民

この地に引っ越して1年9か月。

在宅ワーク+引きこもり で人に会うことがないと言ってもそれなりに身なりを整えたいという気持ちはある。

私の悩みの1つでもある美容室選び。
田舎過ぎて美容室が少ないとかでは決してない。
むしろ国道沿いや畑や田んぼの真ん中にネット検索しても引っかからない
「野生の美容室」が多数点在している。
予約しようにもホットペッパーには載ってないし電話番号もわからない。
外観からして原住民以外を寄せ付けないオーラがすごいので突撃はできない。(私が勝手にビビっているだけかもしれないが)
あれこれ躊躇しているあいだにも髪は伸びる。もう1年半以上も髪を放置している。いよいよ限界を迎えたので「野生の美容室」へ行く決心を固める。

おそるおそるドアを開けると「どこの者や」と言わんばかりに目ガンギマリの後期高齢者と思しき女性がこちらを凝視している。
「〇〇さんとこの〇〇ちゃんか?」
よく聞き取れなかったが誰かと勘違いしているようなので「いいえ」と答える。ポカンとこちらを見たままお互いフリーズ。おかしな見つめ合いの時間が流れる。
沈黙を破るべく髪の毛を切りたい旨を伝えると
「あ、あぁ」とギマちゃん(私が心の中でつけたおばちゃんのニックネーム)は動き始めた。

「高校生みたく綺麗な髪しとるわぁ」
私の髪をとかしながらギマちゃんは髪を褒めてくれた。
「シャンプー何使っとるん?なんか特別なやつ?」
ギマちゃん私の髪に興味津々。
シャンプーはスーパーや薬局の1番安いものを買うし特別なことはしていないと伝える。
(本当にそうなので)
「じゃあ栄養か、いつも何食べよる?」
魚と揚げ物が多いと伝えるとそこから会話がなくなってしまった。

シャンプー台へ座り、不安な音をさせながら椅子が倒される。
頭を洗い始めすぐに違和感に気づく。
バッチリ目が合ってる。
シャンプーしてもらう時の白い布が無いのだ。
フーッ、フフーッ、フォーッっと鼻息がかかる。
相変わらず目はガンギマリのギマちゃん。
ものすんごい至近距離。なんならキスしそうな勢いで近い。
あとお口が入れ歯を5日間洗浄しなかった時のおじいちゃんの香りがする。
早く終わってくれと心の中で祈りを捧げる。下手な金縛りよりきつい。

施術が終了し、お会計を済ませて移住後はじめての美容室完了。
久々の美容室に欲が出て、顔まわりのおくれ毛(小顔効果のあるやつ)を注文したのですが、うまく伝わらず平安時代のような髪型になってしまいました。

まさにこんな感じ。


基本的には誰とも会わない生活をしているので結果的に大丈夫です◎


いいなと思ったら応援しよう!