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最初の投稿から、かなり時間が経過してしまいました。

(正直予見はしていた。笑 3ページだけ書いた日記やノートが実家から続々と出てくるタイプの人間なので。笑)


先月下旬、今年の鮭漁が無事終了しました。

そして来る12月17日、昨年に続き2回目の実施になる「鮭漁師祭り 〜鮭、日本一のまち 知床・斜里町〜」をチカホにて開催します。

開催概要はすでにこちらに記載しているので、今回は「なぜ私がこの仕事をしているのか」と、このお祭りに込めた思いについて、思うがままに語らせてください。


移住のきっかけと働くまでの経緯


斜里町に移住したきっかけのひとつに、鮭漁船に乗せてもらった経験があります。

鮭漁師という仕事はなんて素晴らしいんだ!と胸を打たれ、それと同時に、

「漁獲量が日本一の町なのに
(それはとても凄いことなのに)
なぜそれを世間に強く伝えないんだろう?」 

と疑問に思いました。

その後、思い立ったままに斜里町移住を決め、有限会社北洋共同漁業部(以下、北洋丸)では、魚につける札の作成などデザイン類のお仕事を個人事業主としていただいていました。 

※ノープランで移住したため、手に職をつけるためにも、デザインの勉強をし始めたばかりでした。その状態の私に、色々な制作物を依頼してくださった代表には感謝が尽きません。


そんな日々が続いた中で、代表から社員にならないか?と声をかけていただき、北洋丸の社員として働き始めました

漁師でも経理でもない人を雇うことは業界でもかなり異例なことです。
そんな中で「個人事業主として副業もしたい」という条件まで快く承諾してくださり、懐の深さに驚きました。

最初の投稿で書いた通り、今は2社の正社員として働いていますが、それについても一切反対をせず受け入れてくださっています。


働く上で決めたこと


代表が私を信じて雇ってくれたことをひしひしと感じたので、北洋丸で働く上で、覚悟を決めたことが2つあります。

・絶対に「鮭といえば斜里町」だと世間に認知してもらうこと。そしてその中でも一番美味しい鮭を提供しているのは北洋丸だということを知ってもらうこと。

・鮭の単価を少しでもあげること。

とにかく、この2点でわかりやすい結果が出るまでは、動き、発信し、現場と力を合わせ続けることを決めました。

鮭の単価が上がれば、同じ漁獲量だとしても収入が上がります。

不安定な仕事だからこそ、収入をいかに長期的目線で安定させるかは命題だと思いました。

(実際には、単価は複雑な要因で上下します。とはいえ、価値が上がれば単価が上がるというシンプルな構造でもあります。)

ホームページにも名刺にも、「鮭といえば斜里町、そんな日を目指して」と記載しています。絶対に北洋丸のみんなと一緒に叶えたい、私のスローガンです。


力を入れ始めた広報活動


働き始めてすぐにTikTokとYouTubeを開設。
現場と協力しながら、撮影と投稿を続けました。

TikTokは「最初の半年間毎日投稿する」という、今考えるとえげつない目標を立てました。

TikTokアカウント名:北洋丸の漁師たち(@shari_no21)


動画編集もほぼ初めての経験でしたが、漁師のみんなも初めての撮影に必死で応えてくれたおかげで、
フォロワーは現在8万人を超えています
(いかに継続してPDCAサイクルを回し続けることが大事かを実感!) 

漁の時期は私も一緒に船に乗り、TikTokでLIVE配信も行っています。多い時では数千人の方がライブを楽しんでくれました。

(時化の時に乗ってしまい、吐きまくったことも今では良い思い出。いかに漁師が命懸けで漁に出ているかを実感し、改めて尊敬の念を抱いた1日でした)

ちなみにYouTubeも1年目で収益化のボーダーにのり、現在では1.3万人の登録者数になっています。

チャンネル名:第二十一北洋丸チャンネル


これらの結果は本当に現場の努力あってこそです。

コンテンツの内容検討から撮影にいたるまで、「本当に漁師?」というくらい動きまくってくれています。
(今となっては、私は動画編集と管理のみを担うことで運用できています)


もちろん、広報活動だけではなく、補助金を申請して加工場を作ったり、ふるさと納税の返礼品として自社商品の出品をはじめたり、ECサイト(北洋丸のとれたて市場)を立ち上げて実際に商品を販売することも行っています。
まさに、一次産業の6次化です。

(町を盛り上げるため、北洋丸主催のお祭り開催や、近隣市町村への出展も度々行っていました)

とにかく、深く考えるよりも、まず動いてみる。
「早めに挑戦して早めに失敗した方が良い」というマインドが代表と一致していたことが、上記を約1年という短い期間で立て続けに実施し続けていけた理由の一つです。

また、しつこいようですが、漁師だけを真っ直ぐに続けていた社員全員が、ひとつも嫌な顔をせず、計画に全力で応えてくれたことがとにかく大きいです。

なかなかないことだと思いますが、一人一人に感謝しながら、「北洋丸の漁師たちが、漁獲している鮭鱒をもっと愛せるような未来を作りたい!」と思いながら働けたことは、本当に誇りですし、幸せなことだと思っています。


ついに始めた鮭漁師祭り


そして2年目の春にはずっと実施したかったブランド魚、「知床桜鱗」が誕生。
(この商品は想いが強すぎて、別途noteを立てないととんでもない分量になるので割愛します。)

販売やブランド化の実績もでき、自社SNSでの広報活動も順調ではありましたが、唯一できていなかったのが、札幌近郊でのリアルイベントの実施です。

そこで昨年から始まったのが「鮭漁師まつり〜鮭、日本一のまち 知床・斜里町〜」でした。

タイトルにもある通り、北洋丸をはじめとした鮭漁師が中心となって、斜里町の鮭鱒を販売したり、鮭いくら丼の無料提供を行います

平日開催にも関わらず、昨年も沢山の方にきていただき、「鮭が日本一なのは知らなかった!」「美味しい!」「応援してます!」という嬉しい声を沢山いただきました。

2023年開催の様子

北洋丸が全員で参加する数少ないイベントです。

ふだん鮭鱒を食べてくれている消費者に直接感謝を伝えることができる場でもあります。

そしてなにより、「鮭、日本一のまち 知床・斜里町」を多くの札幌市近郊の方に知っていただくことができる、大切な機会です。

今年も全力で美味しい魚を用意して待っています!

ぜひ、見て、聞いて、買って、味わって、知床産鮭鱒のファンになってください!
自信を持っておすすめします!!!

12月17日10:30〜18:00
札幌地下歩行空間にてお待ちしております。


...

個人的なお話ですが、ずっと昔、アルバイト先で出会った人に「仕事っていうのは我慢料金をいただくものなんだよ」と言われたことがありました。

私は全然納得ができず、働き始めて10年弱経った今、
「我慢料金をもらい続けている、と感じる仕事はすぐに手放そう」
と決めています。

目的を達成するためにする努力や苦労は、私の中で「我慢」には入りません。
そして、シンプルな我慢をし続けてまでする仕事は、自分も周りも不幸にします。

私は今、この仕事がとても好きです。
北洋丸のみんなのことも、もちろん好きです。

どの仕事をすることになっても、誰と働くことになっても、この働き方を選んで、守って、生きていきたいと心から思っています。

久しぶりに投稿した割に、半年分を埋めるくらいの長文を読んでくださり、ありがとうございました。

家庭でも職場でも、あなたの役割や仕事が、あなたを輝かせるものでありますように。

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