「あのときの自分」にOKを出そう
過去の苦い経験や思い出、忘れたくてもずっと心に引っかかっていること。そういう苦しさやモヤモヤした感情は消したいと思えば思うほど、より際立つ気がします。どんなに時間が経ってもどうにも消化できないことって、どうすればいいのでしょう。
先日、対話の中でそれが解けていく(自分を許せた)瞬間を体験しました。
社会人になり初めての仕事を2年弱で辞めていた私は、あのとき「逃げてしまった自分」に心のどこかでずっと後ろめたさを感じていました。今思えば、研修の時点で会社の雰囲気に違和感を感じていたし、どう考えても自分には合っていなかったって笑えるんですけどね。
それでも、2年と持たずに辞めてしまった自分は社会人のスタート失敗しちゃったなと、仕事を続けている人と勝手に比較して引け目を感じたこともありました。
その話をコーチ養成コースのセッションの中でしたときに、ある受講生の方に言われたんです。
「転職できるってすごい」
「やめる勇気があってすごい、私はそれができないから」と。
その瞬間、ふっと胸の真ん中あたりが緩んだのを感じました。そういう視点で過去のその経験を考えたことがなかったのでびっくりしたんです。私にとっては自分の情けない経験だったけれど、ある人から見るとこれってすごいと感じる部分があるんだ。自分ではすごいとまでは思えなくてもそんなに悪いことじゃなかったのかもと。
確かに、あの経験がきっかけで本当は何がしたいんだろう、どんな自分でいることが理想なんだろうと考えるクセがついていた気がします。働く中で得意なこと苦手なことも分かってきて、自分をより深く知るためのジャーナリングも自然と始めていました。
最初からこれが天職だ!と思えて、何もかもスムーズに上手くいっていたら、自分と向き合ってあれこれ試行錯誤することもなかったかもしれません。すんなり上手くいかなかったおかげで、本領を発揮できる場所を探して動いて試して、その中で辿り着いたのがエフォートレスコーチング™︎でした。
「エフォートレス」という考え方は私の心にすとんと落ちて、初めて純粋にもっと追求したいと思えたことでした。エフォートレスを通して繋がったご縁も本当にかけがえのないものになっているし、何より素直にワクワクと取り組めることがあるって、日々に彩りを与えてくれます。
過去の苦しかったことも、失敗しちゃったと思っていたことも、今ここに繋がったんだからあれはあれでよかったよね。そうやって自分にOKを出せたとき、心がほっとして全てを許せた気がしました。
状況や問題は何も変わっていなくても、捉え方が変わると心が変わる。心が変わるとその後の何かに取り組む姿勢や行動、生き方まで変わってきます。
現実の様々な出来事の中にいるとなかなか気が付かないけれど、視点や捉え方を少し変えるだけでほっとできる世界が広がっているかもしれません。
ありのままの自分にOKを出し、本領を発揮しながら歩んでいきたい。そう願っている自分、そして誰かのために、私も本領を発揮してプレスとしての仕事にこつこつ取り組んでいこうと思います。