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一歩先へ進むプレスリリース
SPRingの代表、高橋ちさです。今日は、私たちが日々行っているプレスリリースの重要性とその効果的な活用方法について、皆さんと共有したいと思います。
2023年11月8日(水)に、無料のセミナーを開催しました。そこで、私たちは、プレスリリースの基礎から応用までを掘り下げ、参加された広報担当者や関連業務に携わる方々から多くの質問やフィードバックをいただきました。
これらの貴重な意見を踏まえ、今回のブログでは、プレスリリースの真の目的から、メディアの視点、さらには実際のセミナーでの質問とその回答まで、幅広くご紹介します。
まず最初に、みなさんが発表している「プレスリリース」は単なる情報伝達のツールではありません。それは、企業や団体のメッセージを効果的に伝え、公共の関心を引きつけるための重要な手段であることをご理解ください。
今回、このブログを通じて、プレスリリースの効果的な作成と配信の方法を理解し、皆さんのビジネスに活かしていただければ幸いです。
1. プレスリリースの真の目的:ただの情報伝達以上のものにするために
プレスリリースとは?
プレスリリースは、企業や団体が自らのニュースや更新情報を報道機関に向けて発行するビジネス文書です。このツールの主な目的は二つあります:「情報開示」と「プロモーション」。これにより、企業は自身の最新の動向や重要なニュースを広く一般に伝えることができます。
公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会によると、プレスリリースはパブリシティ活動の中で最も代表的な手法の一つです。この手法の特徴は、まだ公にされていない情報を一斉に配信し、メディアを通じて迅速に大衆に情報を届ける能力にあります。これにより、企業は自らの活動や成果を効果的にアピールし、広く認知される機会を得ることができます。
プレスリリースは、企業活動で発生する様々なニュース素材を報道機関に知らせるための効果的な方法とされています。例えば、新製品の発表、重要なイベントの開催、企業の成果や業績の報告など、様々な情報がプレスリリースを通じて広く伝えられます。これにより、企業は自らのブランドイメージを強化し、関連するステークホルダーとの関係を深めることが可能になります。
プレスリリースの適用範囲
プレスリリースは、企業や団体の重要なニュースや情報を広く伝えるための強力なツールですが、すべてのニュースをプレスリリースとして配信するわけにはいきません。ニュースの内容や情報の性質によって、プレスリリースを使うか、会社のサイトでのみ公開するか、あるいは顧客に個別に連絡するかを選ぶ必要があります。
たとえば、社内人事の発表は、社内の従業員や関係者にとっては重要なニュースかもしれませんが、一般のメディアや大衆にとってはそれほど関心の高い内容ではないかもしれません。特に、非上場企業の場合、社内人事の変更は外部にとってはあまり関心の対象とならないことが多いです。しかし、上場企業の場合、特に重要な役職への人事変更は株主や市場に影響を与える可能性があるため、プレスリリースを通じて広く公表することが適切な場合があります。
また、非上場の企業であっても、誰がその人事に任命されるかによって、そのニュースの重要性は異なります。例えば、業界で著名な人物や、特定の専門分野で高い評価を受けている人物が重要な役職に就任する場合、そのニュースはより広い関心を集める可能性があります。
このような場合、社内のコミュニケーションツールや社内ウェブサイトでの発表が適切な場合もありますが、企業の規模や市場への影響、任命される人物の知名度などに応じて、プレスリリースを活用することも考慮すべきです。
一方で、新サービスの発表や大規模なイベントの開催など、広く一般に知らせる価値のあるニュースは、プレスリリースを通じて報道機関や一般に広めることが効果的です。これにより、企業のブランド認知度を高め、新しい顧客層にリーチすることができます。
また、特定の顧客層にのみ関連する情報の場合、個別のメールやダイレクトメッセージングを通じて直接連絡を取る方が、よりパーソナライズされたアプローチとなり、効果的です。
重要なのは、そのニュースが誰にとって重要か、そしてどのように伝えることが最も効果的かを見極めることです。
プレスリリースの適用範囲を適切に判断することは、情報の価値を最大限に活かし、無駄なリソースの浪費を避けるためにも重要です。それぞれのニュースや情報に応じた最適な発表方法を選ぶことで、企業のコミュニケーション戦略をより効果的に展開することができます。
そこで重要になるのが、次のステップです
プレスリリース作成のステップ
内容の決定
何について伝えたいのかを明確にします。新製品の発表、イベントの告知、重要な業務提携など、伝えたいニュースの内容を決めます。
ターゲットの特定
誰に伝えたいのかを考えます。例えば、一般消費者、業界関係者、投資家など、ニュースの内容によってターゲットは異なります。
伝え方の計画
どのように情報を伝えるかを考えます。言葉遣い、トーン、ビジュアルなど、ターゲットに合わせた伝え方を計画します。(ここでプレスリリースにするのか、他の方法にするのかを考えましょう)
理解してもらいたいポイントの整理
伝えた結果、どのように理解してもらいたいかを整理します。例えば、新製品の特徴や利点、イベントの重要性など、伝えたいポイントを明確にします。
求める行動変容の設定
プレスリリースを読んだ後に、読者にどのような行動をしてもらいたいかを考えます。製品の購入、イベントへの参加、ウェブサイトへの訪問など、具体的な行動を設定します。
プレスリリース作成のコツ
明確で簡潔な表現を心がける: 読者がすぐに理解できるよう、簡潔で明確な言葉を使います。
重要な情報を先に伝える: 読者の注意を引くために、最も重要な情報を冒頭に置きます。
具体的なデータや事実を用いる: 信頼性を高めるために、具体的なデータや事実を盛り込みます。
ビジュアルを活用する: 写真やグラフなどのビジュアルを使って、情報をわかりやすく伝えます。
アクションを促す: 最後に、読者に何をしてもらいたいかを明確に伝えます。
2. 記者の眼差し:プレスリリースをどう読む?
このセクションでは、記者がプレスリリースをどのように評価し、どんな点に注目しているのかを解説します。記者の視点を理解することは、効果的なプレスリリースを作成する上で非常に重要です。
タイトルの重要性
記者は多くのプレスリリースを受け取りますが、基本的にはすべてのタイトルに目を通します。
タイトルは、そのプレスリリースが「有用な情報」を含んでいるかを判断するための最初のフィルターです。
タイトルが魅力的で、内容がすぐに理解できるものであることが重要です。
返信の有無と関心の度合い
記者から返信がない場合、それは通常、関心がないことを意味します。
しつこい連絡は逆効果になることが多く、関係構築には慎重なアプローチが必要です。
不要な情報の送信は避ける
記者は不要な情報を継続的に送ってくる会社に対して、ブロックやフィルターをかけることがあります。
例えば、IT系エンタープライズ情報を扱うメディアに対して、関連性のないドーナツ店のオープン情報を送るのは避けるべきです。
メディア・記者の関心分野に合わせる
プレスリリースは、送り先のメディアの関心分野や専門領域に合わせて作成する必要があります。
例えば、ITエンタープライズ系のメディアに子供向けのガジェット情報を送る場合、その情報がなぜITエンタープライズに関連しているのかを明確にする必要があります。
▼プレスリリースをメディアに取り上げてもらうためには、プレスリリースの内容と送り先のメディアの関心テーマを理解することが重要です。
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<セミナーでの質問と気づきの共有>
セミナーでの質問とその回答は、プレスリリースの効果的な活用についての重要な洞察を提供します。以下に、参加者からの質問とそれに対する回答をまとめました。
1. 急なプレスリリース依頼への対応と価値認識の向上
質問: 急なプレスリリース依頼への対応が多く、配信しても反響が少ない場合、組織内でのプレスリリースの価値認識をどう高めればよいか?
回答: 目的とターゲットを明確にし、内容を魅力的にして、適切なメディアに配信することが重要です。また、効果を測定しながら、組織内での理解を深め、フィードバックを取り入れて継続的に改善することが効果的です。
2. 広報チーム不在時のプレスリリースの品質保持と効率的配信
質問: 広報チームが不在の状況で、プレスリリースの品質を保ちつつ、効率的に配信する方法は?外部に依頼する際のポイントは?
回答: テンプレートの使用、チェックリストの適用、自動化ツールの導入、社内リソースの活用が有効です。外部に依頼する際は、信頼性、コスト効率、明確なコミュニケーション、成果測定、アフターフォローを重視することがポイントです。
3. PRが難しい受託開発や事例不足
質問: 見せるものがない、BtoB企業や受託開発を行っている企業は、PRが難しい。事例もクライアントの了承を得られないことが多い。どのような方法が考えられるでしょうか。
回答:
業界の課題に焦点を当てる: 自社が対応している業界の大きな課題やトレンドに注目し、それに関する知見や分析を共有します。
提案や提言を発信: 業界の課題に対して、自社の専門知識や技術を活用した解決策や改善策を提案します。これにより、自社の専門性や価値をアピールできます。
背景分析を行う: 業界の課題がなぜ生じているのか、その背景を深く分析し、その分析結果を共有します。これにより、自社の深い業界理解を示すことができます。
具体的な施策として、下記のような手法が検討できます。あまり無理をせずにできるところから取り組みましょう。
業界レポートの作成: 業界の最新トレンドや課題に関するレポートやホワイトペーパーを作成し、公開します。
ブログや記事での情報提供: 自社のウェブサイトやソーシャルメディアを通じて、業界の課題やトレンドに関する記事を定期的に発信します。
セミナーやウェビナーの開催: 業界の課題に関するセミナーやウェビナーを開催し、自社の専門知識を共有します。
専門家とのコラボレーション: 業界の専門家や意見リーダーと協力し、共同でコンテンツを作成します。
最後に、この記事が皆様にとって何らかの形で参考になれば幸いです。そして、それが皆様との新たなコミュニケーションの一歩となることを、心より願っています。
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