見出し画像

誕生日当日に祝うのは、大学生までだから

少し仕事を覚えて、責任感らしきものも芽生え始めた社会人1年目の頃に言われた言葉だった。

当時付き合っていたのは、職場でも一緒に仕事をしたりしていた5歳くらい年上の人で。デートよりも当然、仕事を優先するような姿を見ていた。そんな仕事人間なとこもいいな〜って思ってたからこそ、憧れていた部分もあった人に自分の仕事に対する姿勢が笑われたみたいに思ってすごくショックだった。"私、社会人として責任もって働けてると思ってたけど、まだまだ甘かったんだ"って。

正直言って誕生日当日に、もともと予約してあった高層階にあるレストランに連れて行ってもらって夜景を見ながらディナーとかしたかったと思う。でも社会人になると、実際は学生の頃よりも自由な時間がなくなっていて。何でもない日に休みを合わせて、ちょっとしたデートの約束をすることさえ難しい状態だった。普段忙しいからこそ、誕生日のたった1日くらいはって考えもあったと思う。

当時の彼氏よりも社会人歴が長くなってきた今となっては、仕事をする中で”どうしても頑張った方がイイ時期”があることに気が付いた。仕事がどうにもこうにも上手くいかなくて、将来のこととかもぼんやり心配になってデートどころじゃない気持ちになることとかも味わった。

社会人1年目の頃の自分には、そこまでリアルに分かってはいなかったと思う。経験はなかったものの薄々、”仕事、タイヘンなんだろうな〜”くらいには忖度してた気がする。約束ができない日々だったからこそ、なんでもない日常を一緒にすごしてたことがすっごく楽しかったことはよく覚えてる。

会社から家まで一緒に帰れた時は、どの最寄りのコンビニによるか相談しながらその日にあったこととか休みがあったらしたいこととかたわいもない話をしてたのが嬉しかった。笑っちゃうくらい、いつもコンビニで甘いものも一緒に買っていた人だったから、ついついつられて言い訳しながら深夜にケーキとか食べてたと思う。

そのおかげでコンビニの季節限定メニューと、いつも置いてあるメニューがなんとなく分かっていった。そうやって”もう夏かあ”、”もう秋かあ”って気付いていったりもした。少し余裕がある時は仕事帰りにラーメン屋さんとかにサクッと立ち寄って、気付いたら何だか長居したりもしていた。そんな突発的な”デート”もすごく嬉しかった。

学生の頃とはまた違うけれど、社会人には社会人なりの楽しい時間があったんだよな〜って今これを書きながら改めて思い出してる。忙しい時は今でさえそんな余裕がなくて、「なんで会えないのー!」「寂しいー!」って単純に思っちゃってたけれど。普段の生活の中で嬉しかったこととか、ちゃんと忘れないようにしたいな〜って改めて思った。


サポートすごく嬉しいです。