プレミアシップ2021-22ファイナルプレビュー

レスター(Leicester Tigers)は9年ぶり10度目のファイナル、サラセンズ(Saracens)は3年ぶり8度目のファイナルとなる。今シーズン2度の対戦では1勝1敗。レギュラーシーズン1位と2位による激しい戦いが予想される。

レスター

先発15人のうち先週からの変更は高さのあるチェサム(Ollie Chessum)、経験豊富なウィグルスワース(Richard Wigglesworth)とアシュトン(Chris Ashton)の3名。バックスはベンチにもヤングス(Ben Youngs)、バーンズ(Freddie Burns)、スコット(Matt Scott)ら経験豊富な選手を揃えており、80分間常に質の高いパフォーマンスが期待される。また、最大の武器である強力フォワードにチェサムを入れてきたことでよりセットプレーの安定感も増すだろう。フロントローも超強力で、サラセンズのワールドクラスの3人との対決は最注目となる。

先週のメンバーから現在伸び盛りのファンポーフリー(Jack van Poortvliet)を外し、ウィグルスワースを入れてきたことからも今週のファイナルはとにかく経験重視だということがうかがえる。ベテランを中心にいつもの落ち着いたゲーム運びで3点を重ねながらリズムをつくりたい。

サラセンズ

先週のセミファイナルからの変更はイズィークウェ(Nick Isiekwe)の1名のみ。ファイナルに向けてベストの15人を編成してきた。フォワードはセットプレーだけでなくジェネラルプレーでも輝きを放つことが出来るのが強み。先週ハットトリックのアール(Ben Earl)やイズィークウェ、イトジ(Maro Itoje)らを筆頭に強力レスターフォワードを豊富な運動量でかき回したい。また、ベンチに闘将のレイ(Jackson Wray)が控えているのも心強い。バックスはベンチも含めどこからでもスコアが可能。ファレルの正確な分配をもとに、トンプキンズ(Nick Tompkins)の縦、デイリー(Elliot Daly)の横のリンクを契機として今季最多トライのメイリンズ(Max Malins)にボールを多く集め好機を作り出したい。ベテランのテイラー(Duncan Taylor)とロゾウスキ(Lozowski)もベンチからのスタートで勢いを加える。

先週のセミファイナルでは3度のハイタックルで3枚のイエローカードを提示されたサラセンズ。フィジカルチームのレスター戦を前に、この1週間での修正力が試される。

展望

今季プレミアシップ最多得点のサラセンズと最小失点のレスターの戦いとなった。

レスターはいつもの様にフォード(George Ford)の正確なキックで前に出て強力なフォワードで相手にプレッシャーをかけながら3点を重ねていく展開が理想。一方のサラセンズはディフェンスからリズムをつくりながらファレル(Owen Farrell)の正確な分配で相手ゴールを脅かす展開にしたい。

面白いのが今季のキック数でもこの両チームは1位(レスター871回)と2位(サラセンズ726回)に入っていること。この試合でもキックの応酬が予想されるが、キックが増えることでラインアウトの回数もまた多くなることが予想される。両チームのラインアウト関連のスタッツを見てみると、サラセンズはラインアウト起源のトライ数が59(うちモールで12トライ)で全体の1位、レスターは52トライ(うちモールで15トライ)で全体の3位につける。またラインアウトからの失トライに関してもレスターが22で1位、サラセンズが28で2位とラインアウト周りの攻防も得意とする両チーム。この試合でもラインアウト周辺の攻防がひとつのキーとなりそう。その点ではレスターはチェサム、サラセンズはイトジがキープレイヤー。

またレスターはウィグルスワースからヤングスの流れでもキックを多様することが予想される。スチュワード(Freddie Steward)はハイボールに対して非常に強く、サラセンズは空中戦でもしっかり対応することが求められる。ボックスキックなどからの再獲得を許すと一気にレスターフォワードが勢いづくだろう。

両チームともにワールドクラスのキッカーがおり、不用意な反則は減らしたいところ。セミファイナルで3枚のイエローカードを提示されたサラセンズはこの試合では同じことを繰り返さないようにしたい。3点の取り合いが予想されるが、両チームともに1発で取りきることも可能。優秀なランナーたちに良いかたちでボールを集めるために、セットプレーを含めまずは強力フォワード同士の対決がキーとなる。

予想スコア
サラセンズ22 - レスター18


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