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日本美
2014/12/15
先月、紅葉が終わる頃に行った平泉。
土地柄なのか季節柄か、
平泉の美しさは何だかとても良かった。
単に形的な建築物や風景だけじゃなく、
形ある空間に
時折葉々がこすれ合う音が加わり、
そこにひらりと葉が落ちる瞬間の
光景が舞い込み、
陽が時を刻むことにより
陰翳の形や光の表情が移り変わり、
そこに線香の煙が漂ってきて、
ふと瞬間的に何かを想ったりする。
その空間には、
見えないけど沢山の要素があり、
何百年もそうやって
季節と人々の想いを存在させてきている。
その美は、決して捕まえられない、
刻々と変わっていく様々な表情の中にあり、
淡々としていて無常で、
だからこそ美しかったりする。
それが風情を創りだしている。
そこに自分がいることによって、
その絵の最後のピースが完成する気さえしてしまう。
言葉の中にも画面にも
収めることは出来ないと分かっていても、
筆をとる心はきっと昔も今も変わらない。
そしてきっと、
その切なさもこの美しさの要素の一つなのだ。
きっと昔の人は、
そういう全ての情景を含めて
”デザイン”をしていたに違いない。
やっぱり私は"永遠の美"よりも、
こういう美に悶えます。m(_ _)m
そしてその感覚を、私は誇りに思っている。