28w3d マタニティフォト体験記
昔から「タダ」「無料プレゼント」「ご優待」にめっぽう弱い。
それは妊婦になっても変わらず、
貰えてかつ面倒が残らないもの(メールがめっちゃ届くとかは避ける)はほぼ手に入れてきた。
そんなわけで、昨日はマタニティフォトに行ってきた。
もちろん、通っている産院の優待を使って。
私のお腹、見たいですか?
産院で優待チラシを見るまでは、
私がマタニティフォトなんて...と及び腰だった。
というより、マタニティフォト=「お腹を出す写真」の印象を勝手に抱いていて、抵抗感があったのだ。
しかし現金な私は「撮影料無料」の文字に目がない。
それに妊娠の機会なんて、人生でめったにあるものでもないし、夫と2人でキリリと写真に収まる機会も、この先そうそう無いかもしれない。
いいかも。
夫は私とほぼ同じ理由で、一切の興味を示していなかったが、やはりタダに弱かった。
私への「お付き合い」と言った表情で、渋々OKしてくれた。ありがとう。
そんなこんなで写真館に「お腹は出したくない」「できるだけナチュラルな撮影を希望」であることを添えて、日程を予約した。
夫婦、だけじゃない距離感で。
迎えた撮影の日。
連日の猛暑で疲弊しきっている私は、寝起きの滝のような汗、今世紀最悪の化粧ノリ、湿気に降参しきったクセ毛との格闘で、出発前からダウン寸前。
衣装やブーケ(庭のバラを摘んだささやかなもの)の
準備はすべて実母に頼り、なんとか家を出た。
衣装は前日にGUで簡単に見繕ったもの。
夫はグレーベージュのセットアップ、
私は白いワンピースをチョイス。
(久々にノンマタニティの服を買ったら、バストがギリギリで超焦った)
撮影小物はブーケの他に
・お気に入りのエコー写真
・ベビー用靴下
・ベビー用ファーストトイ(犬のぬいぐるみ)
を持参した。
写真館は初来訪。
マタニティフォトやベビーフォトに力を入れている、比較的新しいスタジオなだけあって、
パリの街角風の壁や、ドライフラワーが散りばめられた階段など、セットがいろいろとオシャレ。
この時点で、テンション爆上がり。
撮影も、初めは顔がひきつっていたと思うけれど、徐々に解けてきて、言われたポーズをとるのが楽しくなった。
そのポーズも、あらかじめ「ナチュラルに」と伝えていたからか、夫が私の背中からお腹に手を回す「ハグポーズ」は避ける。その代わり、2人でお腹を見つめて微笑んでみたり、それとなく小道具を持って壁に寄りかかってみたりと、意外に種類が豊富だった。
なにより驚いたのが、夫婦の距離感。
「奥様、もう半歩、旦那様から離れましょう」と
何度も言われた。
2人の間にもう1人、入れなくもない距離。
これがマタニティフォトで肝心らしい。
確かにプレビューの時、見えた気がした。
わずかに空いたその隙間に、すっくと立った
まだ見ぬ我が子の姿。
この写真は、2人だけど、もう3人なんだ。
最後の夫婦2人の写真は、最初の家族写真なんだ。
優待に釣られて来たくせに、
ウルっとしてしまった。
「タダ」ほど怖いものはない。
ウルっとした涙も引っ込んだのが、お会計。
写真データの価格に度肝を抜かれた。
アルバム(だいたい3万〜)を買わない場合は、
1枚あたり4500円から。
ただしアルバムさえ買えば、無料でデータも十数枚ついてくる。
私は頭の中で整理した。
利用した優待は、撮影料タダの他に、1枚の印刷+専用フォトフレームが付いてくるという超お得セット。
でもこれだけノリノリで撮ったウン10枚の写真から、1枚だけを選ぶのは至難の業だし、何よりさんざんときめいた写真たちのほぼ全てを捨ててしまうことが、どうにも躊躇われる。
ウーン...
と唸っていたら、思いがけず夫、即決。
中ぐらいのお値段のアルバムを指差し、
とっととお会計してしまった。
予想外の男前。
後から聞いたら、撮影中、夫も記念写真の大切さをしみじみ感じていたらしい。
まあ夫も同業者なので「記録」には目がないのだが、なにぶんビデオカメラを回すことが多い。スマホも大半はビデオ撮影。
でも作り込んだ静止画の魅力も、あるよね。
言葉や動きがないから、想像できる。
そう、あの距離感みたいに。
このマタニティフォトを皮切りに、
2人から3人、3人から4人になる我が家の写真を
残していこうか。
ということで、我が家は「無料」のつもりが
そこそこのお買い物をして帰路についた。
出費もういっちょ!
財布の紐がゆるんだついでに、フォトプリンターをポチってしまった。
CanonのセルフィーCP1300。
面倒な接続なしにiPhoneから直接プリントできる。試してみたけど、確かにカンタン。
プリントの質もそれほど悪くない。
データだけじゃなくて、確かな手触りのある写真として。
ベビーの成長と、我が家の発展を残していこう。
そんな気づきをもらったマタニティフォトだった。
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