國王神社
先日、坂東市の国王神社の写真をご紹介したが、その拡大写真である。
実はお詣りに行った時、ちょうど一人の老紳士が、まさに参拝しようとしているところであった。
曇りの日だっだが、その紳士が拝殿の前に立った一瞬、雲が割れてその人だけを照らし出した。神々しい光景であった。
これは只者ではない。
我々が参拝を終えると(その時には、もう陽が陰っていた)、その紳士はほがらかに話しかけて来た。
「お詣りですか」
「はい」
「どちらからお見えですか」
「成田からです。坂東の人は成田山を嫌っているそうですね。それで少し気が引けておりまして」
「いやいや、もうそんなことを言っている時代ではありませんよ」
話をお聞きしていると、「國王神社」の扁額(上の写真をご覧ください)を奉納したのは、この方であるという。
扁額右下に「岡正(おかただし)」とあるのが、そのお名前だ。
いただいた名刺を見ると、「江戸文化伝承納札会」とある。いろいろな神社仏閣にこのような扁額を寄贈することをされているとのことである。
少しの滞在の間に、そのようなお方にばったり出会うというのも、平将門公のお引き合わせであろうか。
「私の名前は、かどやまさきと申しまして、それで将門さんには親しみを覚えるのです」
岡正さんは、笑っておられた。
その日は、市内、平将門公ゆかりの場所を何か所か回ったが、まことに不思議な好い日であった。
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