宗教2世として生まれたわたしの人生【エホバの証人】
こんにちは、ゆうまりです。
わたしは母親が信者の元宗教2世です。
その宗教は最近ニュースで取り上げられることのあるエホバの証人です。
今回はわたしの人生をもっとも歪ませた宗教について
幼少期~学生時代をどう過ごしてきたのか。
なぜ抜けたいと思ったのか。
両親の宗教の違いによる板挟み
今この宗教に対してどう思っているか。
などをお話ししていきたいと思います。
幼少期~学生時代
母はわたしが赤ちゃんの頃から、集まりに連れていっていました。
当時は週3回集まりがあり、誰かの家を行き来したり、賃貸で借りている集会スペースへ行ったりするのが日常でした。
組織の人たちは皆穏やかで、わたしにもとても優しくしてくれました。
ただお行儀が悪いと母にトイレでお尻を叩かれたりすることはありました。
(これがエスカレートしたものが今ニュースでも取り上げられている宗教虐待なのだと思います…)
ずっと物心ついた頃から聖書のことを教えられていたので、それが自分の常識であり疑うこともなく育ちましたが、信仰心というのは全く芽生えていませんでした。
信仰心はなくても、ダメだと言われていることは頭に刻み込まれているので誕生日やクリスマスなどの行事への参加はもちろん、校歌や国歌も歌えません。
授業で国歌や校歌を歌わなかったことで、わたしの事情を知っていた音楽の先生に別室に連れて行かれ、詰られたこともありました。
とても仲が良かったのにこの宗教のことを話したことで疎遠になってしまった友達もいます。
奉仕活動で友人の家に当たった時や、地元の駅前で雑誌を持って立つ街路奉仕をするときは本当に嫌でした。
組織の人たちは、世の中の人が離れても自分たちがいるから大丈夫と励ましてきましたが、学校という狭い社会で同級生からも教師からも距離を置かれたわたしにとっては全く励ましになりませんでした。
中学からこの禁止事項に反発するようになり、本来受けるべきではない柔道の授業を受けたり、修学旅行で神社への参拝をしたりするようになりました。
ただ母親がこの頃から精神的にとても不安定になっていったことで、直接的な反発をすると収まらない事態になってしまうので、集まりや奉仕活動には参加し表向きは従順を装っていました。
学生時代に洗礼を受け正式な信者になる子もいましたが、わたしは脱退した時に家族を分断させたくなかったので信者へのステップアップはしませんでした。
(これがメディアでも取り上げられる忌避という問題です。脱退すると信者である家族は連絡や接触を許されなくなります。)
両親の板挟みに苦しんだ日々
父親は信者ではありませんでしたが、母がわたしを集まりに連れて行くことには反対せず特に干渉もしてきませんでした。
ただできれば信者にはならず、普通の人生を送ってほしいという思いは日常のところどころで伝わってきました。
普通の父親らしいこともしてあげたかったのでしょう。
クリスマスにはサンタさんからだと言ってプレゼントを置いてくれたり
誕生日にケーキを買ってくれたり
高校受験の時には湯島天神で参拝して、信じてなくてもいいから持っていってほしいと言って密かにお守りを持たせてくれたりもしました。
そんな相反する願いを持った両親の思惑は、ずっとわたしを苦しめてきました。
3歳くらいの頃に、雛人形を捨てるか捨てないかについて離婚してもおかしくないくらいの大喧嘩を目の当たりにしました。
結局捨てられることなく実家の物置の隅に置かれていますが、あの存在は今もトラウマになっています。
自分は昔から父親っ子だったし、これ以上組織に居続けて父との関係を悪くしたくない。
ただ母に組織を抜けたいなんて言ったらキレられてどうなるかわからない。
どうしたら3人しかいない我が家の平和を保つことができるんだろう。
中学の頃は毎日のように静かに泣いて考えていました。
学校での問題よりこちらの方がよっぽど深刻だったかもしれません。
組織を抜けるきっかけ
高校生で今の夫となる彼と付き合い始めました。
彼のことが好きだったし、宗教のせいで付き合うチャンスを逃すのは絶対嫌だったので躊躇いはありませんでした。
でもエホバの証人は信者同士の交際しか認めませんし、婚前交渉も絶対NG。
わたしの交際は許されることではなく、母がどんな反応をするかもわかっていたので、絶対に親にバレないよう密かに交際を続けていました。
ただ19の頃にひょんなことから交際が明るみになり、両親とは一悶着ありました。
正直もう母とは縁切りになるのかなと諦めるレベルでした。
ただ父親は彼がバイト先でどんな人か知っていたこと、わたしが普通の女の子として交際していることを喜んでくれたこともあり、母となんとか関係を修復できるよう取り持ってくれました。
母も母なりにたくさん考えてくれたんでしょう。
最終的にわたしと落ち着いて話し合ってくれて、交際を認め、組織を抜けることを受け入れてくれました。
わたしも今までずっと隠してきたことを心から謝りました。
それからは吹っ切れたように関係は修復でき、実家を出た後も良好な関係を続けられています。
母はわたしがいなくなってますます組織にのめり込んでいるようですが、わたしに戻ってほしいとか言ったり教理を押し付けたりはしてきません。
今の穏やかな関係を築けていることは奇跡だと思っています。
この宗教に対して今思っていること
子どもにも選ぶ権利を与えてほしい
宗教組織全般に言えることなのかもしれませんが、選択意思の持てない子どもを最初から組織に囲い込むことに疑問を感じます。
自由に意思決定できる年齢になってから、自分で考えて調べて、それでいいと思ったら組織に入るべきです。
4ヶ月後に子どもが産まれる予定ですが、母には自分で考える年になるまで宗教の話はしないでほしいとお願いするつもりです。
最終的に自分の子どもが入信してもいいんです。
一人の人間として自分で決定することは尊重してあげたい。
でも、この世の中を一回経験して、自分で調べて心からあの組織にいたいと思ったらにしてほしい。
何にも染まらず心身ともに清純な状態で一生組織に居させることが2世への望みなのかもしれませんが、そんな人生を全員が受け入れられるわけではありません。
誠実な組織であることは間違いない
成人するまでこの宗教のおかげで散々な目に遭いましたが、この組織が他の宗教とは違い誠実な運営をしていることは書いておきたいと思います。
まず金銭的なトラブルが起こりません。
寄付集めをすることはなく、隅っこに寄付箱があって自分が出せる額を誰にも言わずこそっと寄付します。
怪しげなものを買わされることは一切ありませんし、書籍も無料です。
また神が全て見ているので嘘をつきません。
誠実で誰にでも親切なので、そこは信者ではない父親も認め、信用して家へ入れたりすることもあります。
終わりに
正直信者になれば幸せなこともあったと思います。
組織に囲われ、肯定してくれる仲間と一緒にいて自分ものめり込めれば、それはそれで幸せな人生だったかも。
でもわたしは違った。
できれば最初から普通の人生がよかった。
普通の子みたいな学生生活や、家族関係がよかった。
このような環境で育ってきたわたしは、もう宗教とは関わりたくないので何も信じないという立場で生きていくつもりです。
わたしが万が一夫より先に亡くなっても、火葬だけして散骨するかお骨を夫のそばにいれるように置いておいてほしいと伝えています。
もう宗教はこりごりです。
きっとわたしと同じかもっと苦しい思いをしている宗教2世の方はたくさんいると思います。
自分にとって最善の決断をし、人生を変えていけるよう願っています。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました☺️