「代代代ファーストワンマンの話をしよう。」
「代代代ファーストワンマンの話をしよう。」
2018年8月25日、梅田シャングリラにて、代代代というアイドルグループのワンマンライブが開催されました。日付的にはもう昨日の話なんですが、睡眠を挟んで「前の日にあった出来事」になってしまう前に。
代代代(だいだいだい)は2016年の11月に活動を開始した『ニュースタンダードを掲げる7人組の少女隊。ジャンルはSOLID CHAOS POP。』をコンセプトとした大阪のアイドルグループです。キャリアとしては約1年と8ヵ月、これだけのキャリアを持っていながらもこれまで一度もワンマンライブを開催したことがないというのは少し珍しいように思います。メンバーの脱退、オタクの他界。僕はここ半年で通い始めた新規のオタクなので実際に体験したわけではありませんが、心の折れてしまうような逆境が何度もあったようです。支え続けたオタクの皆さん、運営さん、そして何よりそんな逆境に負けなかったメンバーには頭が上がらない思いです。
4人体制が長く続き、徐々に流れに乗ってきたタイミングで今年の4月に3人の新メンバーが加わり、新体制となった代代代のお披露目ライブでファーストワンマンライブの開催が発表されました。ファーストワンマンで350キャパの梅田シャングリラ、正直なところまだ新体制になりたてでパフォーマンスが不安定な状態で発表されたこのワンマンライブには期待よりも不安のほうが大きかったです。そこから約4か月、メンバーの成長スピードは凄まじく(この余白にはとても書き表せないほど濃密な4ヵ月でした)、ワンマン後にはこうして手首がねじ切れるほどに掌を返した感想を書いてる自分がいるんですけどね。
8月25日
梅田は先日に過ぎ去った台風が雲をかっさらっていったのか、暦的には夏の最後に猛暑続きだった今年を締めくくるかのような暑さを呈していました。
手売りチケットが完売したこともあってか、シャングリラには少しばかりは動くゆとりはあるもののフロアには人が埋め尽くされ、緊張からくる吐き気を抱えた僕はこのまま吐いてしまえば前の人間に吐瀉物がかかってしまうという危機感からさらに吐き気を催したのでした。
シャングリラのカーテンにカウントダウンが映し出され、デジタル表示の 「00:00」 が表示されるとともに狂気的に暴れだすストロボと鳴り響く「神ングスーン」のイントロ。ついに始まってしまったという高揚感がフロアを埋め尽くし、「神はすぐそこ!」という掛け声とともにメンバーもオタクも同じ方向を指さした瞬間はある種宗教画をほうふつとさせる光景でした。
その後メンバーの名前を全力で叫ぶ「そッ友、ズっ閉じ」、激しいダンスと曲名を連呼する「血湧き肉ダンス」と序盤からオタクの体力を全力で削ぎに来るセトリを終えてMCに突入。これまでで一番多い人数を前にしているにも関わらず普段と何も変わらない距離感で無限に口から言葉が発射される梨央ちゃん、きっと将来大物になるでしょう。
続くライブ中盤戦、途中で水の滴る音とともに水滴が跳ねるようなVJが現れました。そうして始まったのは「少しフィクション」、半年前から音源化はされていましたがずっと振り入れがなされていなかった曲です。
「こんなことならいっそ居なくなって忘れてしまおう。それでもきっと会いたくなるのは君。」
"少し"どころか推しを強く思ってしまうオタクの等身大そのものですね。ボロボロ泣きました。
間髪入れずに始まったのは「スティーヴンモノリス remix」、こちらも音源化されていたもののライブで披露されたことのなかった曲です。メンバーが三角形に並び、一人一人マイクを握って歌詞を噛みしめるように、或いはスクリーンに移ったモノクロのVJのせいか無機質に歌い上げる姿。ボロボロ泣きました。
これまでのしっとりとした雰囲気とは打って変わってワンコードで走り抜ける最新曲の「ZZアリン」、急にアップテンポの曲になったことでオタク達の体は制御がつかずフロアは推しの名前を叫ぶために一歩でも前に行こうとガンガン荒れました。体がボロボロになりました。
ここで"2チームに分かれて自作の振り付けのカバー曲を披露する"という新たな試みが始まりました。最初に披露したのはたんなむ・六花・梨央3人による工藤静香の「嵐の素顔」のカバー。バブリーと可愛いが両立する世界で初めての例を見た気がします。オタクの顔にもニコニコ笑顔の嵐が巻き起こっていました。
祐生佳・紗羽・みすゞ・アユのチームではうしろゆびさされ組の「うしろゆびさされ組」、普段の代代代らしくない可愛いが前面に押し出された振り付けを見ることができて僕は幸せでした。僕は、幸せ、でした。2曲ともこのためにプロデューサーの小倉ヲージさんがアレンジをしていたようで、本当に贅沢な時間だったように思います。定期的にやってくれませんかね。
MCを挟んでラストの2曲、「ガールズトークインチャイナ」「ケーニッヒケニッヒー」ライブで特に盛り上がる定番の2曲ですが、いつもの何倍もクラップの音が大きく、最後の力を振り絞ったオタクのコールも大きく、心なしかメンバーの顔もいつもよりずっと明るく見えた気がします。
「アンコール!」の代わりに響く「代代代!」コールが多分5分ぐらい続き、照明がブラックアウトしたかと思えばスクリーンに『代代代から大事なお知らせ』の文字。割合的には良い知らせのほうが多いはずなのについつい身構えてしまうオタクの性でしょうか、全員真剣な顔をして見守っていました。
詳しくは公式HPの記載を見ていただきたいのですが
・10/24に新ミニアルバム発売
・それにあわせて東名阪仙でリリースツアー
・東京、大阪でワンマン決定。
とのことでした。代代代、勢いが止まりませんね。勢いが止まらないまま入場SEの「エスイー」が流れオタクはメンタルが全回復、続く「TENPENCHii!」。7人体制で最初にやった曲のうちの一曲だったのですが、発声からダンスの気迫から、この日一番新メンバーのパフォーマンスの向上が見られた曲のように思いました。入ってくれて本当にありがとう。
次の曲が今回のライブで唯一のれっきとした新曲「WORLDWIDE HAPPINESS」。プロデューサーの小倉ヲージさんが昔組んでいたDRINKPEDというバンドの曲のカバーだそうです。終わりを感じながらも始まりをも感じるような曲でした。日曜日にやってるニメのEDみたいな。間違いなく今後代代代の幸せの象徴になってくれるような曲でしょう。
そして本当に最後の最後は「スティーヴンモノリス」。僕はこのワンマン前日の夜にこの曲の歌詞の「始まりそうな伝説の前夜」が今に当たるなあ、というツイートをしたのですが、今日のライブを見て伝説の前夜とはこのファーストワンマンのことであり、「伝説」はこれからの代代代の行く道なのではないかと強く感じました。
キャリアとしては約1年と8ヵ月、やっと迎えた初めてのワンマン、これだけ遅かったファーストワンマンはきっとその時期を今か今かと待っていたのでしょう。色々なピースが綺麗にはまったこの時期だからこそ誰が見ても「大成功」と言えるようなワンマンになったのだと思います。改めて、メンバーとスタッフさんに感謝です。こんな素敵なワンマンをありがとうございました。代代代のこれからが楽しみでたまらない本当に素敵な夜でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?