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福島漁師の訴え・核汚染水放流反対❗️/GlobalTimes
魚には声がない、だから私たち漁師は海のために声を上げなければならない、福島の漁師が語る
By Xu Keyue & Xing Xiaojing いわき市にて
2023.05.17
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福島県内の放射能汚染された排水を海に流すと
いう日本政府の決定に抗議する集会が行われた
写真:新華社
<本文に入る前に基礎知識🧐311以降、ずっと福島県を取材し続けている烏賀陽弘道さんのコメントから。>
⑤ 世界中の原発で核物質に直接触れた水を海洋投棄する暴挙は福島第一原発しかないことを無視している。
⑥それを「トリチウム入りの排水は世界の原発が海洋投棄している」と事実を捻じ曲げている。
⑦「ヨソがやっているからウチもやっていい」という科学にもならない非論理を平気で言う。
⑤ 世界中の原発で核物質に直接触れた水を海洋投棄する暴挙は福島第一原発しかないことを無視している。
— 烏賀陽 弘道 (@hirougaya) November 18, 2022
⑥それを「トリチウム入りの排水は世界の原発が海洋投棄している」と事実を捻じ曲げている。
⑦「ヨソがやっているからウチもやっていい」という科学にもならない非論理を平気で言う。
編集部より
寒流と暖流の合流点に位置する #福島県 沿岸部は、海の生物が豊富で、地元では古くから漁業が盛んな地域だ。
#福島第一原子力発電所 の事故から12年、地元の漁業者などの努力により、同地域の漁業は回復に向かった。
しかし、日本政府と #東京電力 は、約束を反故にし、原子力汚染水の海洋投棄を恣意的に決定し、福島の漁業と県の活性化に大きな打撃を与えている。
第一原発の #核汚染廃液 の #投棄 予定が近づく中、Global Timesの記者は福島に赴いた。現地調査の第2弾として、Global Timesは、声を上げる無力な漁師たちの姿を明らかにする。
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Photo: Xu Keyue/GT
沈黙する福島の漁師たち
2011年3月11日の #東日本大震災 で福島第一原子力発電所から漏水が発生し、福島の漁師は漁を禁止された。
2015年、日本政府、東京電力、福島県漁業協同組合連合会、全国漁業協同組合連合会は、「福島の核汚染水について、関係者の理解と同意がない限り」何もしないとする協定を結んだ。
しかし、2021年4月、日本政府はあからさまに約束を破り、第一原発の核汚染排水を2年後に海に捨てることを決定したと発表し、漁業団体や広く国民から強い不満が噴出している。
核汚染廃水処理に反対するためには、最も直接的なステークホルダーである福島の漁業者の声が欠かせない。
しかし、Global Timesの記者は、福島に行く前に彼らに連絡を取ったところ、地元の漁師が発言することを許されていないことに驚かされた。
Global Timesの記者は、福島県漁業協同組合連合会や福島県相馬双葉漁業協同組合などの業界団体に、それぞれの地域の漁師に接触するための協力を求めたが、「個々の漁師は取材に応じることができない」と言われた。
相馬双葉漁業協同組合の今野智光理事長は、日本政府や東京電力と交渉する前に、漁師たちは異なる見解を持っており、組合を代表して一つの立場を形成するために意見を統一する必要があるとGlobal Timesに語っている。
漁師の声は、福島の核汚染廃水問題をめぐる一連の現地調査の中核をなしている。
Global Timesの記者は、他の方法で漁師に取材しようとしたが、拒否されるか無視された。
日本の業界団体は、階層性が高く、極めて閉鎖的な社会であることが理解できる。
業界団体を怒らせたとして会員が排除されれば、それは職を失うに等しい。
取材を申し込まれたある漁師は、「代々ここで漁をしなければならない」と言っていた。
しかし、福島県新地町の漁師、小野晴夫さんは、取材に応じるという。核で汚染された排水の投棄について、彼は言いたいことがあった。
新地町は、福島の海岸線の最北端に位置し、川が東に流れて太平洋に面している。
Global Timesの記者が宿泊したいわき市は福島県の最南端に位置するため、小野氏を取材するため、早めに出発し、第一、第二原子力発電所に近い広野町、富岡町、双葉町、浪江町、南相馬市、相馬市を通って100キロ余り北上、新地町に到着した。
町内最大の駅である新地駅は、2011年の津波で流された。
2016年12月に再開した新地駅は海岸から約700mにあり、海を眺められることで有名だ。災害後の町の活性化を後押しすることが期待されている。
小野家の代々、漁業で生きてきた。当時漁をしていた小野氏は、3月11日の地震と津波を辛うじて免れたが、弟の常吉は別の漁船で死亡した。
常吉の遺体が発見されるのは4カ月後だった。
事故後、漁師たちは長い間通常の漁ができず、現在に至るまで完全には回復していない。
小野氏は何年も前から、日本政府と東京電力に回答を求めてきた。
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「海の宝・魚」と書かれたステッカーが
貼られているのが見える。
Photo: Xu Keyue/GT
「岸田はいつ来て話を聞いてもらえるのか?」
渡航前の2週間ほど前、Global Timesの記者と小野氏はインタビューの約束をした。
約束の時間に近づき、記者たちは小野氏を呼ぼうとしたが、連絡がつかなかった。
取材当日、新地駅近くのホテルのロビーで、小野氏が漁業組合から圧力を受けているのではと心配しながらも、記者たちは先に到着して小野氏を待った。
その時、ホテルの自動ドアが開き、小野氏が太陽の光を背に颯爽と入ってきた。
スリッパに赤い短パン、少し生臭い匂いのする71歳は、記者の質問も待たずに颯爽と歩き、言葉を発した。
「岸田文雄首相は、いつになったら私たちの声に耳を傾けてくれるのでしょうか。」
福島弁で早口でまくし立てた。
「原発汚染排水は大丈夫」というビラを出せば、海に放流できると政府は考えているのでしょうか。
それは本当に安全なのだろうか❓海はゴミ箱ではありません❗️
海にゴミを捨てると罰金を取られる日本で、放射性物質を含む排水を海に流すことができるのでしょうか❓
日本政府と東京電力は、他の選択肢があったにもかかわらず、最も簡単で安価な排水の捨て方を選んだのは、本当に不思議です。」
と小野氏は困惑した表情で語った。
小野氏は15歳の時に父親と一緒に漁を始め、以来56年間、海のそばで、海の上で生きてきた。
震災後、日本政府と東京電力は漁師たちに一定の補償を与えたが、容赦なく働く場所を奪われた漁師たちは、自分たちの命の価値を疑うことが多い。
福島の漁師は現在、月に10回ほど海に出ることが許されており、取材日は小野氏の5月2回目の漁の日であった。
この日は、午前2時に漁に出て、午前5時に帰宅し、魚の回収、網の修理、船の掃除などを始めたという。
休憩を挟んで午後1時に市場へ行き、魚を問屋に売って午後3時に仕事を終えたという。
「昔は(福島は)新鮮でおいしい魚介類の宝庫だったんですよ❗️
海は自然の恵みであり、人間の私有物ではありません。
そんな島国に住む漁師にとって、海は神様なんです❗️」
と小野氏は言った。
「しかし、福島の漁業状況が改善されたばかりの時期に、核汚染された排水が海に捨てられたら、この12年間の努力は水の泡になってしまう」
と小野は怒った。
「福島の漁業にとって、これは壊滅的なことだ。」
漁業組合が個々の漁師の取材を禁止している中で、小野氏が声を上げたのはなぜか。
という質問に対して、小野氏は
「私も他の漁師も悪いことはしていない❗️
魚はしゃべれないし、海もしゃべれないから、漁師が代わりにしゃべるしかないんです。」
小野氏は、東京電力福島第一原子力発電所1~4号機の #廃炉 プロジェクトを、今後30年、40年で実現するのは難しいと考えている。
燃料デブリをいかに適切に回収するかが鍵になる。
重要な問題が効果的に解決されていないのに、「核汚染廃液の排出」を急ぐ必要はない。
日本政府と東京電力は、 #ALPS で処理した水は「安全」だと主張している。
しかし、放出された放射性廃液の問題や実害が30年後、50年後に判明しても、その頃には首相だけでなく、他の政府トップや東電のトップも変わっていて、責任を取る必要はないだろう。
「私の3人の息子は漁師です」と小野氏はGlobal Timesに語った。
「未来の子供たちのために、私は今、廃水排出に立ち向かわなければなりません。
私は計画の延期や中止を望みます。
福島原発で汚染された排水をどうするか、関係者が冷静に話し合うことが必要です。」
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漁師が漁獲物を待機中のトラックに積み込む。
地味な魚市場
福島の魚市場や生鮮食品店を訪れたGlobal Timesの記者は、小野氏の心配を理解した。
いわき市街地から約15km離れた小名浜港は、福島県最大の港で、帰港した漁船が荷物を下ろして近くの小名浜魚市場に直行する。
魚市場は通常早朝に開場するが、Global Timesの記者が午前8時30分に到着したとき、市場は空っぽだった。
スタッフの話では、魚介類は午前11時まで販売されず、指定された卸売業者にのみ販売されるとのことであった。
では、消費者はまだ新鮮な魚を食べることができるのだろうか❓
福島県漁業協同組合連合会の指導課長、澤田忠明氏は、卸売業者が別の市場に行かなければならないため、市場は取引時間をずらしていると説明した。
また、魚が販売されるまでに放射能が検出されるまでに時間がかかる。
相馬双葉漁業協同組合の今野理事長は、さらに詳しい説明をした。
震災後、福島の水産物の安全性を確保するために、検査の結果、安全と判断された魚種しか獲れなくなったという。
また、販売日ごとに魚種ごとのサンプリングも行っているそうだ。
基準は1kgあたり50ベクレル(㏃/kg)で、日本の食品衛生法に基づく国の基準100㏃/kgの半分である。
もし、魚介類の放射性物質濃度が25㏃/kgより高い場合、その魚介類が市場に出回らないように、より詳細なチェックが行われる。
時計が午前11時を回ると、小名浜魚市場では取引が始まった。
テレビで見るような賑やかな光景とは違い、市場には漁獲物が数列並んでいるだけで、漁師も卸売業者も十数人しかいない。
Global Timesの記者も地元のスーパーの魚介類の棚を訪れ、アメリカ、チリ、ロシアなどからの輸入品を多く見かけたが、福島産のものはどこにも見当たらなかった。
福島に住む佐久間昭氏は、Global Timesの取材に対し、魚介類を食べるには「鮮度が命」と語った。
「獲ってすぐの刺身を食べるのがたまらない。魚介類はまず検査が必要だと思うと、いつも不思議な気持ちになります。」
澤田氏は、福島の水産物の売り上げは、震災前の2010年と比較して2022年は約20%しか回復しておらず、流通経路も拡大していないと述べた。
「福島の原発汚染水を海に放流することは考えていなかった」と澤田氏は言う。
澤田氏は、第一原発事故による「風評被害」は今もなお存在し、排水の投棄計画がそうした被害を悪化させたことは悲しいことだと述べた。
日本政府が核汚染水の投棄を決定したことについて、私たちは「深く反省している」と澤田氏は述べた。
「福島県漁連の放流計画に対する明確な姿勢に変わりはない」と澤田氏は述べ、今後も全国の漁連などと連携して、日本政府や東京電力に反対を表明していくことを強調した。
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午前11時から海産物の取引が始まる。
写真:小名浜魚市場
Photo: Xu Keyue/GT
海を守るのは世界の責任
協会も投棄計画に反対しているのに、なぜ個々の漁師の発言を禁止するのでしょうか❓
協会の「統一見解」とは何か、日本政府との交渉はどうなったのか❓
今野氏は、日本政府と東京電力が漁業組合との約束を破り、投棄計画に固執しているように見えると指摘する。
しかし、日本政府は漁業関係者の理解と同意を得るために、セミナーなどのイベントを積極的に開催していると付け加えた。
今野氏の発言は、漁業者と政府との間に若干の余地を残しているように見えた。
公開データによると、東京電力は福島第一原発事故以来、漁業者への補償を含め、被害者への補償と第一廃炉プロジェクトに12兆円以上を費やしている。
しかし、Global Timesは、核で汚染された排水を海に捨てるという政府の決定に対して、漁師たちは一銭の補償も受け取っていないことを知った。
日本政府は、投棄計画が漁業に及ぼす潜在的な影響に対処するため、800億円の基金を設立した。
そのうちの500億円は、高騰する燃料費の補助に、さらに300億円は水産物の冷凍・保存に使われる予定である。
日本政府の「想定」では、海に放出された福島原発の汚染排水が福島の水産物の販売に影響を与える場合、まず商品を冷凍保存し、販売価格が回復した後に冷凍を解除して販売すればよいことになっている。
この運用方法は、漁師たちを笑わせる、泣かせる。小野氏は政府高官を繰り返し嘲笑した。
ある関係者は、漁業組合が主張する「統一見解」は、おそらく日本政府および東京電力との交渉や補償に関する議論に関連するものだとGlobal Timesに語った。
実際、漁師にとって海は生活の糧であると同時に、命でもある❗️
小野氏のインタビューでは、「投棄計画反対はお金の問題ではない」「海を守るのは漁師の使命だ」と強調した。
数年前、東京の築地市場に魚介類を送ったところ、「福島の魚は必要ない」と断られ、絶望したことを覚えているそうだ。
小野氏は、中国や韓国などが廃水投棄計画に強い懸念を抱いており、ドイツの記者も取材に訪れているという。
「核汚染廃液の放出に反対し、海を守ることは世界共通の責任である。
しかし、日本のマスコミがこのことを気にしていないように見えるのは残念だ」
と小野氏は指摘した。
予定時間を大幅にオーバーした小野氏のインタビューが終わると、陸地には太陽が垂れ込めた。
小野氏は、近くの唐山を指差しながら、「ほら、私、毎日登っているんですよ」とGlobal Timesの記者に言った。
「私は100歳まで元気で暮らしたい。私は福島の核汚染排水の問題を解決し、地元の漁業を復活させることができるのか、この目で確かめたいのです。」
(了)
引用元