2010年ドラマ『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』感想
2010年ドラマ『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』(脚本/後藤法子、山田あかね、徳永友一、田中眞一)観賞。原作の海堂尊氏に関して詳しくはないけれど一冊だけ読んで感銘を受けた本がある。日本で初めてバチスタ手術を成功させた外科医の須磨久善氏のノンフィクションだった。
そこで書かれた言葉にこの物語の医師の矜持が描かれている。
まさに一刻の猶予も許されない命の現場。西島さんの役は天才ではあるが性格に難のある医師、速水晃一。終始冷酷にも見える目線で医療スタッフからも反感を買うが、ひたすら現場の命を救うことだけを見つめている。速水の想いを知る内にスタッフたちの気持ちにも変化が見え始める。
心のケア、田口役に伊藤淳史さん、速水の同級生の厚労省大臣(実際は気が遠くなるほど長い肩書き)白鳥役に仲村トオルさん、嫌味な感じで周囲を苛つかせるけれど病院を救うヒントをくれるのはいつも彼だ。非常にカッコ良かった。
『一人前になるには地獄を見なければならない。だけどそれでは所詮二流です。一流になるには、地獄を知り、その上で地獄を忘れなくてはなりません。地獄に引きずられているようではまだまだ未熟ですね。』
これは海堂尊氏著作の須磨先生の言葉。そのまま速水に当てはまる。未だ、忘れられない一文だ。
※2011年ドラマSP『ジェネラル・ルージュの凱旋〜さらばジェネラル!天才救命医は愛する人を救えるか~』(脚本/後藤法子)観賞。
チームバチスタ外伝、西島さん演じる速水先生が病院を去る直前に起きた事件と、その解決。色んな人間関係もありつつそれでも慕われていたんだな、と思う。何より、これまで伝説を打ち立てた速水と命を張り、運命共同体のように生きた医療スタッフらが彼を尊敬しないはずがない。
ふと、振り返った時、速水はやはり凄い医師だったのだ、と言う思考に思い当たった時、それは憎悪を越え、友情すら感じる。冷酷に見えつつ、しっかり血の通った普通の人間である速水医師を好演した西島さん。2009年から2010年にかけて西島さんの姿は急激に変貌を遂げている。いい感じに表情皴があって貫禄が増したような気がします。