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アスファルトに咲く極楽鳥花

10代の頃からシンガーソングライター、大澤誉志幸さんのファンです。
音楽はもちろんのこと彼の世界観、特に映画観に影響されました。

当時15歳だった私が観るにはショッキングな作品も多かった。監督も癖のあるジョン・ウォーターズやラス・メイヤーなどの場合、一瞬二の足を踏んだりしましたが、それでも私はただ大澤さんが見て来た世界を知りたい、という純粋な理由で彼が好きな作品群を鑑賞しました。そしてさすがに刺激が強過ぎて体調を崩したりもしたw 
ただ、だからと言ってその作品が嫌いか? と問われるとそうではなく、むしろひね曲がった(大澤用語)魅力を感じて大澤さんの嗅覚に惹かれた。それから彼が好きそうな映画や本を知るとすぐに入手して鑑賞したり読んだりした。
それに今考えるとむしろ、メンタルやられながらも色々な作品が深夜のテレビで放送されていたから鑑賞できてラッキーだったと思う。若く体力もあったし。今からお初で見るには精神的にヤバいぞ、と思います。ルイス・ブニュエルとかね。

もちろん変態的な監督のおすすめばかりではなく(失礼か)ヒッチコックやエリック・ロメール、小津安二郎と言った正統派(?)な作品も同時に嗜まれていたため、受け取る側としては、やはり大澤さんのバランス感覚に唸るのでした。大澤さんは勉強家として有名だった。いつもたくさん本を読み、映画を観て、語彙も豊富だ。だからこそ私もその姿勢を見て学べたのだろう。ずっとそんなふうに作品を観て来てやがて私自身が好きだと思える作品や俳優さんが現れ、私は私の映画を選択できるようになった。

大澤さんの音楽は言葉を中心に置く曲とは少々違い、音や声にしか作られない想像力をかき立てられるものが多く、どこかミステリアスだったので私は小説を書きたくてうずうずしていた。そして大人になり、2002年にパソコンを入手して慣れない手つきで言葉をひとつずつ打ち始めた。そんな大澤さんの音楽からインスパイアされた作品群は稚拙ながらも『ソファーの上でロマンスを』という私のnoteマガジンにて記録し、公開しています。まだまだアップデートが必要ですが、ご興味がございましたらぜひそちらも読んでいただきたく思います。

そこから時を経て、私は大澤さんとは関連のないところで西島秀俊さんの存在を知ることになるのだけど、10代から現在もずっと追い続けさせてもらっている大澤誉志幸さんという存在は私にとって素晴らしい芸術の師であることに違いはない。

そんな大澤さんは今現在も精力的にツアーを行っています。
ライブハウス中心なので規模は変化しつつも全国津々浦々どこにでも行かれています。私も何度か参加させていただき、その変わらない類まれなるハスキーな声と音量、シャープにアレンジされて行く楽曲を堪能しました。

現在発売されている中で一番新しいアルバムはこちら。

Yoshiyuki Ohsawa 40th Anniversary「NAKED - 裸の肖像」

大澤さんの音楽からインスパイアされた私の掌編マガジンはこちら。

因みに一番上の画像は若かりし日の大澤さん。多分20代の頃。
大澤さんはライブやテレビ出演時、割と派手めなメイクを施しておりました。世間的にはまだ男性が化粧をすることに偏見が深いご時世で、特にテレビに出演された際、バラエティ色の強かった番組ではからかわれたりして観ていた私は、わしのおおさわ(興奮すると呼び捨てになる)になにしてくれてんねん、とエセ関西弁でムカついておりました。

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幸坂かゆり
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