シェア
夢を見ていた。 もちろん、紛れもなく現実の中で。 大部屋俳優、なんて呼ばれている来生だが確実に実力がついてきている、と実感していた。端役ではあってもオーディションに受かる率が増えている。更に実際演技をすると手応えを感じた。 今日もそうだった。一生会えるのかどうかすら判らないほどのベテラン俳優であり、雲の上の存在だった役者と共演でき、彼に言葉をもらえた。嬉しい言葉だったが来生は有頂天になるより先に、身が引き締まる想いだった。彼の作品やインタビューはほとんどすべて観てい