十二国記 新作感想(読み終わった人向け)その2
花子です。
その2です。
黒いすうぐが出てきたときみんなどう思った?ドチャクソ萌えたよね!
「天によって生かされている」という道士の言葉を李斎は不思議に感じたけど、驍宗さまはまさにその体験のさなかにいるのだなと思った。すうぐ、そして岩の中にあったろうかん。それは驍宗さまは知らぬことだけど伝説の宝玉だった。女の子のおてだまの、鈴。みんな細い糸だけど確実に奇跡。
だから雰囲気も柔らかくなったのかもしれません。自己肯定感の低さを乗り越えて。
あっ真面目になっちゃう!
あのね、慣らした直後の羅ゴウの描写がもうぜんぶたまらん。
「やんわりと大きな頭を手のひらにこすりつけてきた」とこでだいぶキタけど、その後の横倒し!くつろいだ様子でお腹見せちゃってるー!かわいいー!!手のひらの匂い嗅いで来るー!首筋おしつけてくるー!!もうどんだけひとなつこいの。猫飼ってる人ならわかると思う。
それと静之の騎獣萌えめっちゃかわいい。急に言葉くだけるやん!
飛燕にいたってはもう…。(涙)
ばんばん人が死ぬけど、飛燕だけは受け入れがたかった。だけどそれが戦だ、仕方ないよね。結果として勝ち戦だけど、負けた方と変わらないくらい多くを失ってるんだとわかる。
あと泰麒ね。
死ぬほど我慢して頭下げると目から血が出るんだねー。
人を殺すことも意志の力で乗り越えられるんだねー。
(…号泣)
故郷でたくさんの人が自分のせいで死んで、その中には家族も含まれていて、帰った国ではさらにさらにひどいことになっていて。全部が自分のせい。それがゆえに強靭な精神力が育った。もうあともどりはできない、という、覚悟の尋常でない大きさ。泰麒の蓬莱二往復は誰にも越えられない記録。あまりにひどい運命だけど、その運命を力に変えた。底知れぬ潜在能力に見合うだけのつよい精神力。泰の民はほんと不運だったなー。漣国じゃこんな苦労ぜったいしない。
転変がみれて、そのうえ驍宗さまが騎乗されるとか!ほんとーーーーーーーにうれしかったです。18年待った甲斐以上のものをくれました。
「風の万里~」のようなラストシーン。違うのは進んで麒麟がやって来たこと、血に穢れながら。
阿選と驍宗さまが、もっとフランクに話せる間柄だったらな。
「あのさー、なんで反逆しようとしてんの?」「えっちょっまっ(笑)」
もしくは李斎と阿選のなにげない会話があれば。阿選も驍宗も自己肯定感が低くて、自分を評価できなかった。互いの目をとても重く感じてた。なのにどうしてこうなってしまったのか、何が悪かったと簡単に判じられないところが、すごい。小野先生は森羅万象を描こうとしてると思う。
あああ大事なこと忘れてた!!
さんしとごうらんどこいったーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
これには本当にびっくりした。てっきり泰麒がよろけた時に帰って来てたもんだと思ってた。まさか名前の一個も出てこず終わるとは(笑)
自分の責務を果たす。
ということにおいて本当に手を緩めないな、と思う。
清められたごうらんとさんしに会いたかったよ…。
この後短編集でモフモフしてほしい、めっちゃしてほしい。さんしの上半身と下半身の間のよく緊張したあたりをだれかに叩いてほしい。ごうらんの前足の大きさを知りたい。
今回読み終わって「4冊組もいいなあ、なんで今までそうじゃなかったんだろ?」ってくらいバランスがよかったから、短編集も4冊組で頼む。泰国のみなさんのイチャイチャだけで1冊読みたい。
生頼の頭が良くて茶目っ気があるところが大好きで、自分を「虜囚は」っていうところ涙でそうだった。臥信、英章の苦汁パートも読みたい。花影のりりしくなったなーってとことかあと騎獣だけの話。各国の王様と麒麟が集まってお茶してるだけでもいいです。
長くなったのでこの辺で。どうもありがとうございました。