〈プ〉Note全体リレー小説(3)
森匹みかささん発祥、お望月さんさんからの引継です。
・noteみんなでリレー小説をやろうという遊びです
・この記事を丸々コピペして(この前文も含む)、そこに400字まで書き足して公開してください
・誰の続きからでも書いて構いません 同じ作品から何人も派生しても良いし、最新のものを追わなくても好きなところから続きを書いてよい 自分で新しく1を書き始めてもいい
・文章の練習ついでに雑に参加していきましょう!
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休日、予定がなくて朝からぼうっとしていた。天気がいい。時間がゆっくり流れていく。
気分の良いまま、書き物をしている。筆が乗ってきたころ、スマホに通知があった。ちらと見ると友人からのメッセージみたいだけど、まあ後でいいか。今はこれを書き終えたい。
一息ついて時計を見ると、お昼になっていた。何か用事を忘れているような気がするのは、お昼を食べる時間を少し過ぎてるからだろう。うんと伸びをすると、ペットのミケがすり寄ってきた。かわいいやつめ、と思ったがミケもお昼を食べてないんだった。なあんだ。
ミケがご飯を食べるのを眺めながら、暖かい日差しを浴びて、どこか出かけに行こうかな、と思ったりした。美味しいものを食べに行くのにも悪くない天気だと思った。一人でだと寂しい気もするけど。
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「きょう、は、ねこ、ちゃん、と、なかよく」
また友人からの通知だ。無視。
ネコちゃんの写真を撮る振りをして自らを映り込ませる。ネコはかわいいので私も可愛くなるスーパー自撮りテクニックだ。
「すこし、おそめの、あさごはんは、クリームちゃんこを」
また友人からの通知だ。無視。
親方からの通知も来ている。無視無視。
何もない休日だ。
取組もない。
稽古もない。
わたしだけの時間。
60秒レシピ動画のために朝ごはんを作り始める。
大量の白菜をガブリ寄る勢いで千切りにして次々と鍋に投入。
野菜の力でお鍋はとろみを帯びていく。仕上げはごま油と生クリームだ。
動画を撮影し終わったのでSumotubeにアップ。一息ついたのでやっとスマホの通知に目を落とす。
『どこ?』『関脇!取組ですよ!』『早く来い!』『休場する気か』
「え?取組!?」
いっけなーい!完全に忘れていた。
国技館までは直線距離で20km。
取組までに残された時間は60分。
史上最大の全力疾走が始まる。
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「......はっ!あれ、ここは一体?」
薄暗い倉庫の中で私は目覚めた。状況が掴めない、記憶を辿っても、クリームちゃんこ鍋を咥えながら家を飛び出した所までしか思い出せない。見ると、手足は縄でグルグルに縛られていた。
「ま、見るまで気づかなかった程度の拘束なんだけど」
バチン!私は全身に力を込め、邪魔な拘束を吹き飛ばしてやった!もっとまも、日々の過酷な稽古や自主トレによって鍛え上げられた私の筋肉を以ってすれば、この程度造作も無いしね。
ポケットからスマホを取り出す、『もう時間だぞ!』『まだ始まらないみたいですよ』『銃声音が...』『絶対来るな!』背筋が凍る。全然理解が追い付かないけれど、とにかく助けなければいけない事は分かる。私は走り出す、その時だったのだ。
「な、なんで...どうしてお前が...」
「すまないね、今までずっと君を騙していたのさ」
ペットのミケが、私の目の前に立ち塞がったのは。
(続く)