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第2期パウパー神決定戦を終えて

1. ご挨拶

初めましての方は初めまして。
知り合いの人はごきげんよう。
praeです。

9月25日に行われたパウパー神決定戦で見事に神の前に散りに散ったので、この熱と思い出をnoteに残そうかと思います。
昔はDNを書く癖がありましたが、最近はさっぱり書かなくなりました。
こういう形での文章化は久しぶりですね。

初めての方に少しだけ自己紹介をしておきます。
私は長野にルーツのあるプレイヤーで、今年でとうとうMTG歴も21年目。
Twitterではprae312と言うアカウントで活動しています。仕事の関係で鍵垢ですがフォローしてもらえると嬉しいです。
主フォーマットはパウパーを始めとして、レガシー、EDHを中心にプレイしています。一応ヴィンテージやモダンのデッキも組めますが、最近は中々遊ぶ機会も取れなかったりで少し身を引いているような状態です。
これまでの主な大会戦績としては、ゲームデーの優勝やGPの入賞、世界選手権(2010)の参加経験など、大型トーナメントには積極的に参加している、どちらかと言うと競技志向のプレイヤーです。
過去にChagamo Fireballと言うチーム在籍していましたが、解散して残党と化しまったため、現在ではパウパー神をちゃんと頑張る会のみ所属しています。

2. 概要

前半は、pauperの魅力についてや所属チームの紹介、後は簡単なデッキの解説やこのリストに至った経緯など、神挑戦者決定戦に至るまでについて執筆しようかと思います。
後半は、パウパーの親和、延いては色々なミッドレンジのデッキを使ってるけど勝てない!という人に向けて、パウパー神決定戦で行われた5戦の中、私がどんな思考プロセスを経てプレイしていたかを、晴れる屋様の動画のタイムチャートを元に解説していきます。
別段プレイが上手いプレイヤーではないので、初心者~中級者向けの解説になるかなとおもいます。
そして解説も長々と書くのが好きなので、稚拙な文章となるかと思いますが、ご了承いただける方は読んで貰えると嬉しいです。

3. pauperとの繫がり

pauperとは、MTGのコモンのみを使用したコモン単構築戦で、和約は「乞食」です。皮肉たっぷりの素晴らしいネーミングですね。
pauperと言うフォーマット自体はpauperMTG様がしっかり語ってくれているので割愛させて頂きます。
pauperMTGはpauper界のバイブルと言っても過言ではありません。
みんなで見よう!

pauperの初出は2008年と聞きますが、自分が始めたのが2014年頃だったかと思います。
カードを余り捨てない関係で、家に溢れるカードを有効活用してあげたいとデッキを組み始めたのがそのきっかけでした。
当時は殆どpauperの情報がなく、すずくまさんのTwitterなどを参考に、手探りで遊んでいた様な気がします。

私がパウパーに感じている魅力を集約すると、以下の5つかなと思っています。

①安い
最近流行の気配がでてきたため、少しずつ値上がりしているカードもありますが、2万円以下でほとんどのデッキが組めます。
安いデッキなら5000円以下でも組めますし、往々にして捨てるにはもったいないからと、強めのコモンを捨てずに残している人であれば、もっと安く組めるのではないでしょうか。
ただ塵を塵にはpauperで1番高いカードなので買うのは止めましょう。

2シェオで親和がデッキごと買えます。

②デッキが長持ち
増えるカードはコモンのため、比較的環境の変化が緩やかで、自分が好きになったデッキをずっと擦れます。
私が持っているデッキの内、親和、ボロスキティ、赤単バーン、黒単コントロール、ボーグルス、エルフ、緑単ストンピィなどは、少しずつ形を変えてはいるものの、未だに現行のメタゲームで通用します。
たまに出てくる環境が一変するカードは、現在パウパー・フォーマット・パネル(PFP)というWotCの外部団体が、きっちりと禁止改定で制裁を与えています。
1年以上反社魔導士に苦しむような退屈な期間が短くて済むのは素晴らしい環境と言えます。
pauperMTGのさいとーさんもこのPFPに所属されていますが、なんと無報酬の有志で構成されているとのことで、本当に頭の下がる思いです。

③濃厚な1試合
一概には言えないですが、1枚でゲームが決まるカードが少ないため、1ゲーム当たりの相手とのやりとりが多く、細かいプレイングによる鍔迫り合いが多いです。
その分1つのプレイミスでゲームが終わらずに甘受されたり、逆に少しずつ優位を取ることができたりと、結果に自分のスキルが反映されやすいという印象があります。

④レガシー級のカードパワー
確かに1枚でゲームが決まるカードは少ないです。
しかし矛盾する様ですが、1枚ずつのカードパワーは非常に高いです。
《渦まく知識/Brainstorm》、《稲妻/Lightning Bolt》、《暗黒の儀式/Dark Ritual》など、スタンダードでは使いたくても使えないパワフルなカード達が豊富に使えるのが特徴です。
親和で使用している単色のアーティファクト土地も、スタンで禁止になっていたにも関わらず、全種類pauperフォーマットで使えるのです。

お前らは・・・コモンだな、通ってよし!

⑤謎のカードの活躍
カードパワーが非常に高い環境にもかかわらず、リミテッドで使った懐かしいカード、そして効果を覚えているか怪しい謎のカードが不思議と一線で活躍します。
何枚か例を挙げると《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》、《古術師/Archaeomancer(M13)》、《針落とし/Needle Drop(LRW)》、《拷問生活/Tortured Existence(STH)》、《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》etc…
サイドボードでは《鋭い痛み/Flaring Pain(JUD)》や《取り繕い/Turn Aside(EMN)》など、もはや効果を覚えていない人がいてもおかしくない様なカードが活躍します。
謎のカード達でレガシー級のカードに一泡吹かせられるのも、このフォーマットならではの魅力だと思います。

テキストを確認するところから。

4. パウパー神をちゃんと頑張る会

所属チームに記載していた「パウパー神をちゃんと頑張る会」は、第1回パウパー神前に設立したチームで、日本pauper界のトップリーダーともいえるゆーき君と、加糖君発案のpauper専門調整グループで、日本レガシー選手権チャンプの48やYouTuber椎葉さんなど、主に2019年に開催された日本パウパー選手権で意気投合したメンバーで構成されています。
個性豊かなメンバーが所属していて、パウパー神が近づいてきたタイミングでは、毎日の様に活発な議論が繰り広げられています。
因みに日本パウパー選手権では幸運にも準優勝していますが、決勝で土地が詰まって敗北してます。

【親和とは】
昭和からある由緒あるアーティファクトのビートダウンデッキです。(正しくは2003年の初代ミラディン時代に初出)
場のアーティファクトで軽くなるスペルと、アーティファクト兼土地のお陰で、序盤に下準備をすませてしまうと、そこからは0マナ4/4や1マナ2ドローなど、レガシーやヴィンテージと同等のカードが連打できます。
仲間内の名称は《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》は《Ancestral Recall(2ED)》、《血の泉/Blood Fountain(VOW)》は《Sol Ring(2ED)》と呼ばれていました。
親和の歴史などが気になる方はMTG Wikiに詳しくあるので、気になる方はそちらで確認してみてください。

えっ、1マナ3ドローと1マナ2加速を1枚制限なしで?

立ち上がりの1~2ターン目は軽量アーティファクトを配置して準備完了、3~4ターン目からはエンペラータイムの開始です。
場にあるアーティファクトを活かしつつ、4マナ以上軽くなった生物とドローを同時に展開していきます。
親和の最大の強みは、クロックを展開したいときは生物を、探したいカードがある時はドローソースを、相手の脅威に対応したいときはマナを立ててターンを返し、ドローとカウンターを構えることができるいわゆるフレキシブルさを持ち合わせることです。
ただし難点として、デッキのフレキシブルさは同時にプレイの難しさを生みます。「何でもできるは何でもできない」と言うやつですね。
今回神決を見ていた方はプレイが遅いなと思った人も多いかと思いますが、あのスピードをスイスでやっていると次回から出禁になってしまうので、挑戦者決定戦などでは概ね半分以下の時間でプレイをしていました。
受けに回ると相手ターンに動く選択肢が増えるため、ケアするカードや考えないと開けないことが非常に増えますが、実際には1ターンに10点以上ライフを攻められるデッキや、《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》でマナ基盤をズタズタにされない限りは、そこまで防戦一方となることはないデッキです。

5. 親和を選んだ理由

パウパー神決定戦の週は、おそらくイニシアチブ持ちクリーチャーの内、少なくとも《アーラコクラの隠密/Aarakocra Sneak(CLB)》、《物騒なバトルレイジャー/Vicious Battlerager(CLB)》、《アンダーダークの探検者/Underdark Explorer(CLB)》を採用するデッキは外した上で、環境の中心になるであろう赤単ブリッツに勝てるデッキの模索をチームで行っていました。
いくつか選択肢があったのですが、ちょうど前週にチームのTsubasa君の親和と自分が赤単ブリッツを使用したフリプから得られた「構成次第で親和は赤単ブリッツに5分以上でやれる」と言う結論、今回の神決のメタゲームは少数のアーキタイプには寄らないと言う推測から決めた「地力のあるデッキを選択する」と言う2つの方針から、月曜日の禁止改定の直後に親和を握ることを決めました。
インスピレーションをくれたTsubasa君には本当に感謝、まさに天啓。
元々どんなデッキを相手にしても勝ちたい自分は、ミッドレンジというアーキタイプが大好きで、状況に応じて複数の選択を持てる親和がしっくりと嵌ったと言えます。
余談ですが、この親和と言うデッキを大会で最後に使ったのは、私の記憶が確かなら長野で開催されたオールナイトマジックのスタンなので、親和とはおおよそ18年ぶりの再会となります。

おーい、どこ行ったー?

6. 神決までの流れ

親和を握ると決めてからは、大急ぎで親和を組み火曜日の晴れる屋TC平日パウパーでは3-0。
確かな手応えを得ますが、金曜日の晴れる屋大宮店で開かれたパウパー彩強決定戦では、親和、青黒海蛇(48)、ファミリア(ゆーき)に切られ3-3と振るわず、大会前日にして頭を抱えることになります。
しかもタイプの違う親和が2名もベスト8に抜けており、デッキ全体の練り不足を感じました。

★問題点
・過剰なほどドローソースを積んだ中後半レンジに強みを持つデッキなのに、土地が絞られていて、色も非常に不安定。
・《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》、《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TOR)》、《血の泉/Blood Fountain(VOW)》を採用していることで、意図しないタイミングで相手の墓地対策が刺さってしまう。
・白いデッキの《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》が早期に通ったら負けなのに、それらを打ち消せない1マナカウンターがサイドに7枚鎮座ましましている。

これらの違和感と、ベスト8に抜けた親和のリストを見て検討を重ねた結果、メインの《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》or《無謀な炎織り/Reckless Fireweaver(KLD)》採用案と、サイドの《取り繕い/Turn Aside(EMN)》採用案、《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》を減らす案に寄せていくことにする。

★修正案
・メイン《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler(FRF)》1枚+《チェイナーの布告/Chainer's Edict(TOR)》2→《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》2枚、20枚目の土地として2色土地の採用。
・サイド《水流破/Hydroblast(ICE)》4枚目→《悪魔の布告/Diabolic Edict(TMP)》3枚目の採用
・サイド《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》2/3枚目→《取り繕い/Turn Aside(EMN)》2枚の採用。
メインについては彩強決定戦ベスト8のなおきちさんの親和が秀逸で、最終的には土地含め殆ど丸パクリになってしまってます。
《無謀な炎織り/Reckless Fireweaver(KLD)》バージョン案も良さそうだったのですが、マナベース含めほぼ別のデッキでしたので、微調整が間に合わないと判断し、こちらの採用は断念。
因みに《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》の採用が確定したのは実は25日のAM9:15で電車で移動中、直前まで48君に相談して調整をしていました。
本当に迷惑なやつだったけど、このギリギリの調整の結果が今回の75枚満足のいくリストに繋がったのは間違いない。
48君ありがとね!!

7. リスト

今回神挑戦者決定戦と神決定戦で使用したデッキのリストです。
テキストベースで見たほうが分かりやすいかもしれないので便宜上乗せておきます。
メインサイド共に余り弄るところはなく、後悔の開のない75枚です。
《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》の3枚目を、メインのどこかにねじ込みたかったのですが、それに関しては回答が見つかりませんでした。

[メインボード]
2《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》
3《金属ガエル/Frogmite(MRD)》
2《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》
4《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》
4《感電破/Galvanic Blast(SOM)》
4《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》
3《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》
2《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》
3《物読み/Thoughtcast(MRD)》
3 《大焼炉/Great Furnace(MRD)》
4《教議会の座席/Seat of the Synod(MRD)》
3《囁きの大霊堂/Vault of Whispers(MRD)》
3《鉱滓造の橋/Drossforge Bridge(MH2)》
4《霧霊堂の橋/Mistvault Bridge(MH2)》
3《銀色険の橋/Silverbluff Bridge(MH2)》
3《血の泉/Blood Fountain(VOW)》
4《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》
4《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》
2《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》

[サイドボード]
2《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman(ALL)》
2《取り繕い/Turn Aside(EMN)》
3《水流破/Hydroblast(ICE)》
1《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》
3《悪魔の布告/Diabolic Edict(TMP)》
2《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes(IKO)》
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》

8. 神挑戦者決定戦

R1 ズベリオン ○○
R2 赤単カルドーサ ○×○
R3 ボーグルス(Oshimaさん) ○○
R4 白赤ゲート(ざっきろーにさん) ○○
R5 赤単カルドーサ ×○○
R6 ジェスカイブリンク(なかむら君) ○○
R7 ボロスキティ ○×○
R8 ID
3位抜け

SE1 ジャンド続唱 ○○
SE2 赤単ブリッツ ×○○
SE3 ボーグルス(Oshimaさん) ○×○

望外の優勝!
48君が6-1-1でベスト8、加糖君と椎葉君が6-2と、頑張る会の成績は上々でした。ゆーき君とまか君は残念!次頑張ろう。

神のデッキは青白ゲートと判明、余り練習していないマッチアップ。
そしてありがたいことに、翌日の朝一からの親和vs青白ゲートとのマッチ練習を、他にあった予定を無理やり開けて、48君、ゆーき君、加糖君の3人が申し出てくれる。このチーム素晴らしすぎるな。

8.5. 幕間(ゲームプランとサイドプラン)

翌日は朝9時から晴れる屋で調整。
予想していたより相性は悪くない。先手後手で4人で2セットの親和+青白ゲートを回した結果、
・メインは6:4以上で有利。
・サイド後もそこまで悪くない。
という事が確認できました。

【ゲームプラン】
メインのゲームプランについては若干有利な印象を受けました。
ゲームは基本ミドルレンジのゲームになりますが、親和側のみアーティファクト展開からの高速展開が期待できます。
(例)
2ターン目迄・・軽量ファクトで下準備
3ターン目・・・ドローソース、蛙
4ターン目・・・処罰者、海蛇
この動きを咎めるカードは《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》《対抗呪文/Counterspell(LEA)》、《未達の目/Eye of Nowhere(CHK)》の10枚だけで、いずれも限定的な対処しかできません。
加えて中後半に《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》が着地した瞬間、青白ゲートのほとんどの生物が簡単に死んでいくため、青白ゲート側は常に《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》の起動と《対抗呪文/Counterspell(LEA)》を構える2択を迫られることになります。
そのため相手が《対抗呪文/Counterspell(LEA)》をトップした場合、非常に手札が透けやすいです。

親和視点としては、青白ゲートが2マナ構えている状態で、相手のエンドステップにドローソースを打ったり、《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》をキャストする前に《マイアの処罰者/Myr Enforcer(HOP)》や《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》の海蛇でプレッシャーを掛けることができますが、青白ゲート側にはそのプレッシャーに対応した瞬間に《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》でGGとなる可能性があるため、攻め方に選択肢のある親和側が有利だという結論が出ました。

【サイドボード】
青白ゲート側のサイドインするカードの想定は、
4《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》
2《水流破/Hydroblast(ICE)》
までは確定。
相手の砲弾へのケア次第で、追加の《水流破/Hydroblast(ICE)》と、テンポを取るための1~2枚の《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》で、合計9枚程度をインしてくると予想。

サイドアウトするカードの想定は、
4《虹色の断片/Prismatic Strands(JUD)》
1《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes(IKO)》
までは確定。
2マナ立てながら動くにはタップインの土地が多すぎるため、テストプレイでは《対抗呪文/Counterspell(LEA)》が手札に腐り続けるため、2枚前後抜くんじゃないかと言う予想をしました。

対する親和側がサイドインするカードは、
2《取り繕い/Turn Aside(EMN)》
1《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》
2《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes(IKO)》
の5枚で確定しています。
1枚だけの《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》は《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》後のブレストや《当世/The Modern Age(NEO)》、勝負どころの《対抗呪文/Counterspell(LEA)》を狙い撃ちしたいところです。

サイドアウトするカードは、
1《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》
1《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》
1《感電破/Galvanic Blast(SOM)》
1《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》
の4枚は固定、先手の場合《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》を、後手の場合《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を追加で抜きます。

サイド後のゲームプラン検討で、一番重きを置いたのは《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》攻防戦です。
親和側が何も考えずにアーティファクトを連打すると、最速《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》が刺さり、マナ・リソースごと陥落してしまいます。
少なくとも相手が《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》を打てるようになる3~4ターン目は、対抗札による「vs《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》の構え」が必要になります。

そのため、対青白ゲートのサイド後はキャストに2マナ以上掛かるカードを減らす方針になります。
青い2種の生物はいずれもある程度のマナベースを要求するため《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》に弱く、サイドアウト候補のカードです。
しかし、何れもオンリーワンの能力を持ち、かつ勝ちに繋げられるカードのため、1枚残した上で《血の泉/Blood Fountain(VOW)》で再利用しつつ運用することになります。
前後で入れ替える理由は、《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》は明確に守りの役目を持ったカードで、序中盤を凌いだ後は非常に強力なカードであり、ケンク本体を《血の泉/Blood Fountain(VOW)》で再利用する動きは非常に強力です。
《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》攻めよりの役目を持ったカードで、盤面が完全に硬直した際のアタッカーや、《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》のライフゲインのリソースとなります。

塵が当たらず、勢団の取り引きで生贄にしても美味しい

【ゲームプラン(サイド後)】
青白ゲートの《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》4枚に対して、親和はサイドインした《取り繕い/Turn Aside(EMN)》2枚を最上の対応とし、追加のカウンターとして《金属の叱責/Metallic Rebuke(2XM)》2枚、打ち消せない場合に土地を生贄に捧げてリソースに変える《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》4枚、《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》3枚の合計11枚のリアクティブな対処札で対応する形になります。お互いのデッキの中に入っているカード枚数を考えれば、そこまで悪い賭けではありません。
事前調整では、相手が先手3ターン目に《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》ブッパし、それが通ってしまう場合と、4~5ターン目にカウンターのバックアップ込みで打たれる以降は、3マナソーサリータイミングで動く必要である《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》は親和の2マナのリアクティブカードに対し大きめのリアクションとなり、返しのターンで複数のカードが展開できるようになります。
※4ターン目以降であれば《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》を打たれても、返しのターンでファクトカウントはある程度揃っており、連打されなければリカバリーができる。
調整中は《マイアの処罰者/Myr Enforcer(HOP)》に飛んでくる機会の方が多かったです。

青白ゲート側のデッキ構成上、平地が1枚しか入っていないため、2ターン目にクロックを展開してしまった場合、「ほぼ3ターン目に打たれることがない」ことが調整の経緯で判明しました。
3ターン目に《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》を打つためには、1~2ターン目で2枚のタップインを処理するか、2ターン目でマナを立てて《灰のやせ地/Ash Barrens(A25)》をサイクリングする2択になります。

そのため「青白ゲートの2ターン目の動き方で、相手の手札に《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》があるかどうかが透ける」ことになります。
例えば2ターン目に生物を展開してくるのであれば、こちらは軽量ファクトを積極展開、2ターン目にマナを立ててくるのであれば、こちらはリアクティブカードを構える戦略を取ることになります。
※《取り繕い/Turn Aside(EMN)》がある場合は1マナファクトは展開できる。

対《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》への対応方針を長々と述べたところで、ここから神決定戦の解説に入ります。
検討したサードボーディングの方針は、果たして神の方針と噛み合うのでしょうか。

間に合わせの砲弾を水流破から守ることもできる。

9. 神決定戦(動画解説)

ここからは神決定戦の5戦のプレイングについて、それぞれ解説していきます。()内は動画の時間で、リンクから動画に飛べるようにしています。

【インタビュー】
(2:04:02)
インタビュー開始。
(2:05:10)
思いの丈を語る。序盤中盤終盤隙が無い構え。

【1戦目】
(2:18:26)
ダイスロールは神の勝ち。有利なメインの1本目が取れないと、2本目を勝っても1-1から3本目を不利な後手からスタートすることになるため、本来であれば是非取りたかったダイスロール。
神は1マリガンでキープ。
(2:18:52)
黒マナがないものの《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》、《血の泉/Blood Fountain(VOW)》、《物読み/Thoughtcast(MRD)》と奇麗なスタートが期待できる初手。
キープ自体は即断しているが、ゲーム開始後に置く土地と軽量ファクトの置く順番を考えてからのキープ宣言。
黒マナがないため、相手の《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》のリスクがないフルタップの間に《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》を出しつつ、《血の泉/Blood Fountain(VOW)》も展開。
(2:22:24)
待望の黒マナ。《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》の2マナを若干出し渋っている。2マナプレイの《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》は中の下で、強い動きではない。
プレイ候補としては《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》を出してターンを返すか、《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》を構えてターンを返し、次のターンに《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》2枚と《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を3連打する2パターン、相手のマナも立っていないので、プレッシャーをかけるためにも前者を採択。
(2:23:48)
《教議会の座席/Seat of the Synod(MRD)》を引いたことで足回りが良くなる。《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》でバックアップをしつつ《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》と《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を連打。
(2:25:19)
ドローソースを引けておらず、リソースが少ない。
5枚目の土地が不要なので、血トークンのルーティングしてドローソースと次の生物を探しに行く。
この時点で《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》が墓地込みで4枚見えているので、相手の妨害は残り《対抗呪文/Counterspell(LEA)》3枚と《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》2枚のみ。
《感電破/Galvanic Blast(SOM)》を《当世/The Modern Age(NEO)》に打つかどうか迷うが、《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》を引かれた時のことを考えここは温存する。しかし《虹色の断片/Prismatic Strands(C19)》で裏目。
(2:27:53)
手札は《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》のみ、有効牌と絡めて使うため温存する。
次のドローは《感電破/Galvanic Blast(SOM)》だったので、戦闘後に、《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》で《対抗呪文/Counterspell(LEA)》を釣り出して、《感電破/Galvanic Blast(SOM)》で《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》を強制で生贄へ。
次ターンまで待ってもよかったが、神が《対抗呪文/Counterspell(LEA)》を持っていない場合、2ドローで追加の生物を引いた場合に裏目なのでここは強行。
(2:29:47)
手札は《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》。《感電破/Galvanic Blast(SOM)》か《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》を引いたら即勝ちの状況。
《金属ガエル/Frogmite(MRD)》か土地を生贄にして火力を探しに行きつつ、アンタップイン土地であればそのまま《血の泉/Blood Fountain(VOW)》で《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》回収するプランか、火力には期待せずに《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》を回収して出すかの3択。
無理をしなくても押し切れそうなので、一番裏目の少なそうな土地を生贄にしてドローを進める。
(2:31:10)
解説ではエンドに《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》を起動となっているが、正しくは《聖なる猫/Sacred Cat(AKH)》のキャストにスタックでドロー起動。
墓地にある《虹色の断片/Prismatic Strands(C19)》が無効な内に、ワンチャン《感電破/Galvanic Blast(SOM)》ドローに期待するも空振り。
(2:32:17)
1戦目終了、4ターン目の攻防から押し込み続ける状況が続いたのが大きかった。

メインでマナを寝かせて感電破を探す動きは基本的に弱い

【2戦目】
(2:34:30)
お互い1マリガンからスタート。
(2:35:21)
土地多めの手札に、軽量ファクトが《彩色の星/Chromatic Star(TSP)》、《血の泉/Blood Fountain(VOW)》、《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》。《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》もあるので、確実に場にファクトを展開するために《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》→《血の泉/Blood Fountain(VOW)》と優先順位の低いところからプレイ。
(2:39:44)
追加の《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》を引き、生贄にできるアーティファクトも十分なため、選択肢を増やすために《彩色の星/Chromatic Star(TSR)》を生贄に。引いた《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》は場の《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》でしっかり受かっている。
親和は場に鎮座している《彩色の星/Chromatic Star(TSP)》を能動的に生贄にすることで、リソースとクロックに変えられるが、《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》等の存在や、マナ補助の観点から生贄にするタイミングは結構シビア。
(2:40:43)
殴り合いとなった場合、若干不利か。ここで4点削ると《ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact(DIS)》が自由に殴れる選択肢ができる。相手のクロックを抑えつつ、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》があればメインの動きを強制するためにも、アタックせずにターンを返す。
(2:42:42)
ここは神のミスっぽい気がします。《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》を出して《聖なる猫/Sacred Cat(AKH)》に門×4で起動して猫が死んでいなければゲームの展開は変わってきそう。
(2:44:33)
ここから押し切られるパターンは、《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》で破壊不可土地を除去されるのと、《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》がランウェイし始めるパターン。
4マナ立てておくと、相手のムーブが弱ければ、場の《血の泉/Blood Fountain(VOW)》で《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》を回収で未達からの負けをケアor《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》でライフゲインしつつ《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》を掘りに行ける。
(2:49:02)
通☆行☆止☆め
(2:49:47)
《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》が手札に被ってしまったので、1枚使用(おそらく処罰者を生贄)してライフを安全圏にするかで迷う。ただ相手は《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》+ダブル《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》か、鷹含めたフルアタックしかここから捲る手段がなく、オールインに合わせてゲインライフを重ねた方が良いと判断して結果的に温存して、《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》側をプレイ。
3枚目の《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》を引くが、前述と同じ理由で温存する。
(2:51:18)
2枚目3回目のケンク。ライフは7のままでマナを減らして1体殴るかどうかで迷う。相手は土地が詰まっている可能性が高く、《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》に《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》は2回起動できない可能性が高い。
また《時間のねじれ/Time Warp(M10)》となる《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》に《対抗呪文/Counterspell(LEA)》か《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》を合わせられたとしても、宝物トークンから《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》を打てるため、ここは戦闘へ。
ビートダウンは対ビートダウンで受けに回ったほうはいつも殴り辛いが、冷静に盤面を見直し、殴れるかどうかの返す太刀を以下に行うかの判断が非常に重要。この判断を間違えると一気に負けてしまう。
ここから親和の反転攻勢が始まる。
(2:51:41)
土地と《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》に召喚酔いの指摘があったが、そんなことはなかった。
(2:55:13)
《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》で《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》を探しに行こうとするが、《聖なる猫/Sacred Cat(AKH)》に合わせた方が強いため見せてしまうも結果温存。
(2:56:02)
《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》が間に合う。
《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を同時に引いたものの、既にウィンコンディションに入っているため、3戦目以降の攻め手として有効に使いたいあり、存在感を薄めておいてもらうため、ダメ押しでプレイすることは控える。
(2:59:15)
2戦目終了、ケンク大活躍。

ここは通行止めだ

【3戦目】
(2:59:56)
遂にここからサイドボード戦、対《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》が始まる。
メインもサイドも鍔迫り合いだが、サイド後は自分の喉元に刃物が接触した状態でゲームが始まる
こちらは予定していた5枚を予定通り投入するが、ブラフを兼ねて7枚差し込む。
相手の視線をチェックしていたが、こちらの手元は見ていなかったので、あまり意味はなかった小テク。かわいそうな《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman(ALL)》。
(3:03:39)
お互いノーマリガンからスタート。マナベースに問題はないが、軽量ファクトがなく若干不安な初手。《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》があるので、最速《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》でも何とかゲームにはなるか。
(3:04:39)
多色門の色指定について確認している。パイロを入れてくる可能性があるため、指定色が分かるように指摘。
(3:05:07)
青い土地が1枚しかなく、《取り繕い/Turn Aside(EMN)》がない。相手はタップイン2枚スタートで7枚キープなので、《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》キープなのは間違いない。《取り繕い/Turn Aside(EMN)》を構えるブラフを取るか、青くない土地2枚を塵に提供するかで迷う。最終的に後者を選択。
(3:06:18)
ディスカード漏れ、《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》を捨てているが若干怪しい。
(3:09:14)
土地を既にセットしており、《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》もないので、《定業/Preordain(M11)》にスタックで《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》を打つべきだった。明確なプレイミス。
(3:12:03)
間に合ってない砲弾。
(3:13:57)
《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes(IKO)》をトップするが、相手が1ターン前に引いた《対抗呪文/Counterspell(LEA)》が間に合ってしまっている。動きも明らかに《対抗呪文/Counterspell(LEA)》をトップした動きに見えるため、流石に打てない。
(3:16:01)
惜しい、この《物読み/Thoughtcast(MRD)》で引いたカードが《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》ではなくアンタップ土地なら、《息詰まる噴煙/Suffocating Fumes(IKO)》で勝ちだった。
《当世/The Modern Age(NEO)》が見えている状態では絶対に使いたくない《感電破/Galvanic Blast(SOM)》だが、土地2枚にする勇気がなく、《聖なる猫/Sacred Cat(AKH)》に打つ。
(3:20:32)
結果的に土地を生贄にしておけば、《当世/The Modern Age(NEO)》には《感電破/Galvanic Blast(SOM)》が4点当たり、《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》は《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》で処理できていた様に見えるが、《感電破/Galvanic Blast(SOM)》は《対抗呪文/Counterspell(LEA)》を乗り越えられず、どちらでも詰んでいたか。
(3:21:14)
3戦目終了、色々なところの噛み合わなさが、ここ一番の《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》を間に合わせてしまった感じがある。

なにわろてんねん

【4戦目】
(3:21:35)
予定通り《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》を抜いて、《歯車襲いの海蛇/Gearseeker Serpent(KLD)》を投入しようとしたが、3戦目の多色門の指定の仕方から、《紅蓮破/Pyroblast(ICE)》はサイドから入っておらず、《対抗呪文/Counterspell(LEA)》が多めに残っていると判断できたので、《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》を1枚戻す。抜いたのは2枚目の《感電破/Galvanic Blast(SOM)》。
(3:24:54)
赤マナはないが土地2で《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》なので受容できるハンド、神は1マリガンでキープ。
(3:28:29)
土地も引けんかね!
相手のアンタップ土地が2枚ならまだ仕掛けやすいのだが、しっかりアンタップ土地3枚引き込まれ、テンポ差が付いて行く。
(3:30:01)
引き続き土地を引けない。フルタップのこのターンが数少ないチャンスなのだが。
(3:30:49)
《灰のやせ地/Ash Barrens(A25)》トップ、ここがタップインの白マナならまだゲームになったが、非情な《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》が土地に襲い掛かる。
(3:33:57)
取り繕い「お待たせ!今来たところ!」
《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》、《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》、《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》、構えの4択で迷う。
ここから勝つためのプランは《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》が間に合うしかない。
(3:36:07)
《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》をメイン起動すると《金属ガエル/Frogmite(MRD)》と土地を引いたときにバリューがあるが、《バジリスク門/Basilisk Gate(CLB)》をトップされると即負けに繋がる。
ただこれだけ押されている状況で相手のトップをケアする意味はないので、メインで起動。
取り繕い「お待たせ!今来たところ!」
(3:37:40)
ライフ39対1、ジパングかな?
ここでプレイミス。2枚目のドローソースでブロッカーになる無色クリーチャーを探しに行っているが、《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》だけで2体のブロッカーになることを見落とし。
宝物生贄にしながら《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer(CLB)》と3/3の土地を立たせておけば、次のターンは生きていた。
(3:38:58)
4戦目終了、若干詰まった土地と、遅刻してくる取り繕いがいい味を出している。

5分しか待ってないよ

【5戦目】
(3:43:16)
動画の外でジャンプして体をほぐす。
挑戦者決定戦では3戦目にジャンプして勝っているのでゲン担ぎでもある。
(3:43:48)
土地5、《物読み/Thoughtcast(MRD)》、《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》のルーズなハンド。
テストプレイで試した結果、土地が多めのルーズなハンドは《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》に耐性があるため、このハンドも6:4以上でキープ寄りではあるのだが、如何せん軽量ファクトが1枚もないのが厳しい。
(3:44:56)
後から見直すと、ここで構えて《物読み/Thoughtcast(MRD)》打たないのはプレイミスでした。平地からの《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》でゲームセットを嫌がり《物読み/Thoughtcast(MRD)》のプレイを嫌ったものの、手札の土地や確率的には攻めたプレイするべきだった。動画を最後まで見直した感じ、これが敗着手の可能性が高い。
(3:47:26)
ここの《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》にカウンターが飛んでくるとは想像しておらず計算がずれる。今日初めての意識外の反応に動揺してしまう。
出ていれば《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》から《勢団の取り引き/Reckoner's Bargain(NEO)》の流れがあるため出すのは間違いないが、この後に神が《対抗呪文/Counterspell(LEA)》トップしたことから、そこから更にマイナスの方向に噛み合ってしまう。
(3:49:25)
リアクティブカードがないところに2枚目《塵は塵に/Dust to Dust(5ED)》、これは苦しい。
(3:51:23)
ギリギリまで引っ張った《彩色の星/Chromatic Star(TSP)》のキャントリップで引くのが《命取りの論争/Deadly Dispute(CLB)》と言う噛み合わなさ。
(3:52:36)
《大焼炉/Great Furnace(MRD)》セット時にこのターン既にセット済みという指摘。
まだ置いていなかったので、置いていれば《マイアの処罰者/Myr Enforcer(MRD)》→《感電破/Galvanic Blast(SOM)》から相手の盤面を《聖なる猫/Sacred Cat(AKH)》1枚に出来ていた。
結果的に《ジンジャーブルート/Gingerbrute(JMP)》も持たれていたので、ゲームにはそこまで影響なかった。
(3:54:24)
5戦目終了、どこかで何かが違えば捲れていたかもしれない。
しかし神にその隙はなかった。

第2期パウパー神決定戦は2-3で敗北。あと一歩届かず。

10. おわりに

今回の大会はいろいろな人に支えられ、応援され、決勝戦に当たれたことは、経験したことがないような至高の時だった。
鈍感で、そういう事を意識したことがなかったにも関わらず、今回肌で感じられたのは、本当に色々な人が応援してくれたからだと強く思う。
パウパー神をちゃんと頑張る会のメンバー、特に48、つばさ君、ゆーき君、加糖君は本当にありがとう。
3連休含めて大会に出ることを許してくれた嫁さんもありがとう。
彼女が山の様に整理したコモンが今ここで生きています。
Twitter、Lineで応援してくれた人もありがとう、おかげで神決定戦が終わった後には、携帯の電源は空っぽでした。

惜しいところまで行けたとは思うのだけど、また次みんなで頑張ろう。

11. 気持ちの整理

今回の第2回パウパー神挑戦者決定戦、そして神決定戦は、望外の結果だったと思う。当日の朝になってデッキの根幹部分を捏ね繰り回してる様では、今後は中々優勝できないだろう。
それでも、挑戦者決定戦に優勝し、チームメンバーとハイタッチした瞬間、GPの最終戦のなかしゅーさんに勝ち、プライズを決め、でるさんとハイタッチした事を昨日の事の様に思いだした。
この大会もまた、忘れられない記憶の1つになるだろう。

さて、ここからの文章はいわゆる蛇足部分です。
書こうか迷ったのですが、今後も自分が競技シーンに出たいと言う気持ちを強く持ち続けるためにも、敢えて書くことにしました。
気持ちの吐露であり、痛い文章でもある。
大会には関係のない話なので、興味のない方はブラウザバックを推奨します。


MTGプレイヤーの年齢的な限界はあるのだろうか?
多くの人はそんなものは無い、MTGはいつでも楽しめると言うだろう。
ただ競技MTGに限ればどうか。

自分は30半ばの頃にMTGプレイヤー35歳限界説を真剣に考えていた。
そのころ強かった30代ののプロプレイヤーが、そのくらいの年齢から急に勝たなくなっていたし、何より自分の体力がGPの最後まで体力が持たないのだ。
最終戦どころか、5~7回戦が訪れた頃にどんどん集中力が削がれていく。
単純なプレイミスどころか、自分が構築したカード効果の誘発忘れや、単純な見落としなど、どんどんプレイミスの内容は酷くなっていく。

最初の内は笑い話にできていたが、それが何度も連続すると、真剣にやった上での頓死の頻発という事実が重くのしかかる。
当時の自分は、自分はもうプレイヤーとしては終わったのだろう。
2010に出た世界選手権を思い出に、もう競技シーンで活躍できることは2度と無いだろうと、酷く落ち込んだことを思い出す。

そこから一時期競技シーンを離れていたこともあったが、今では大会当日に向けた体調管理に加えて、大会中に水分とカロリー補充のタイミングを必ず設け、プレイ中も眼鏡を外し視界の負荷を下げることで、1日の大会位であればある程度こなせるようになり、当時の話も笑い話に出来る様になったのだが。

話を戻そう。

そうは言ったものの、競技MTGの年齢的な限界はあると思う。
これはMTGだけではなく、全ての論理的思考法が必要なゲームにおいて言えることだと思う。
MTGに近い例で、分かりやすい例は将棋だ。
もし老いにのる能力の劣化が無いのであれば、羽生善治は今頃200冠を達成しているだろう。
老いは来る。速度は違うが、誰にでも、確実に。

MTGを始めてすぐの大学生のころは、「面白いゲームではあるが、30半ばまでカードゲームをやってるのは痛い奴だし、流石に止めてるだろう」と思っていた。
残念ながら、そして幸運なことにそうはならなかった。
困ったことにMTGはいつまでも楽しいままで、MTGのある人生は豊かで、MTGのない人生は想像ができない。
周りを見回したときに自分が最高齢になっても、楽しいものは楽しいのだから仕方ない。

本当にそれはいつまでも続くのだろうか?
20代のころに燻ぶらせていた気持ち、「30代では止めているであろう」と言う気持ちは、年を重ねた今では「50代でやってるところは想像できない」と言う気持ちにまで育ってしまった。
なんてことは無い、自分の年齢が20才増えただけだ。このままでは老人ホームでシャカパチすることになってしまう。
年金をクラックしてドロースペルをキャスト?逝かれてるねぇ。

自分がいつまで競技プレイヤーを続けられるかは分からない。
夕暮れにいつまでも遊び続ける子供達に、しかし宵闇は確実にやって来る。
ここからは出る大会の1つ1つが、残りのプレイヤー人生を燃焼させながらの参加になる。
負けても勝っても大会参加チケットの残り枚数はそうは変わらないだろう。

それでも。
残された時間を1つ1つの大会にリソースとして投入していく。
まるで残り少なくなった土地を《間に合わせの砲弾/Makeshift Munitions(CMR)》で投げ、手なりでは終わってしまいそうなゲームを、流れに抗い必死で次のターンを手繰り寄せるように。
生贄にできるパーマネントは、もはや潤沢には残っていない。

全力の時もあれば、軽い気持ちで出ることもある
神を目指し、決勝で2-0まで行き、そこから太陽を目指すイカロスの様に、翼を焼かれ真っ逆さまに負けたとしても。

また勝って友とハイタッチをしたい。
そんな気持ちをまた感じたことが嬉しかった。

さあ次はどの大会に出ようか。

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