再雇用前に会社を辞めました！ -198-
＜シニア新入社員奮闘記＞
こんにちは、ケロヨンです。
先回は日本は集団の意向を是とする考え方が日本には根付いていてなかなか個を尊重する社会構造になっていない、との私見を書いたけど、それが顕著に表れる社会に出てから起こる状況について今回は書こうかな。
学生時代が終わって社会人になると、就業する場所となる会社や官公庁、などは人が集まって形成しているのでどうしても集団の中に入らざるを得なくなる。学生時代との違いはそこで働く事によって一定の収入を給与と言う形で得られる事（防衛大学校など学生であっても給与又は手当が定期的に発生するものは除く）だ。
学生時代は逆に授業料を支払っている訳だからある意味ルールは存在するものの個の意向が尊重される場面が多いのに対し社会人になってしまうと上長の指示、命令に従わないと評価に響いてしまい、昇任が遅れて他の同僚と比較して給与が上がらなかったり不利益（地方に飛ばされるなど）を被ったりする。
俺の経験を少し話しておくと、俺は新卒で総合商社に就職した当初は余り配属先や上司に恵まれず、直ぐにでも転職したいと思っていた。所謂配属ガチャ、上司ガチャの洗礼をいきなり受けた訳だ。ところが、入社して1年も経たない頃に俺が辞めると言い出したもんだから上司が慌てて人事部に相談し、当時の人事部長に説得されて所属部署を変えて貰う事で辞める事を思いとどまった。その時は、ああ、結構良い会社なんだなあ～、って思ったけど、良く考えてみると新入社員が直ぐに辞めてしまう事は当時としては今みたいに頻繁に発生する事ではなく、新入社員を辞めさせてしまった部署の責任者はそれこそ評価が悪くなり出世に響いたんだと思う。だから皆必死になって辞めさせないように画策したんだな、と今は分かるんだよね。
ちょっと分かりにくい例だったけど、結局日本の会社組織は似たり寄ったりで、全員上を見て仕事している。上司に歯向かえば評価に響くし不利益を被る事は確実なのでほぼ全員が上の機嫌を取る行動をする。
男女問わずそんな環境が当たり前になっているからハラスメントが横行していた訳だ。
俺はタイ王国に駐在していた1989年～1995年は良い上司に恵まれ、自分がやりたい事は何でもやらせてくれ、その結果の責任は全て上司が被ってくれた。だからかもしれないがタイ駐在時代俺が経験した色んな事が今の仕事に凄く活かされているんだよね。
1995年に日本に帰国してからは配属された組織に俺が余りなじめなかった事とアジア通貨危機の影響と当時一番駐在したくなかったインドに行かされそうな雰囲気になった事で1998年10月に会社を辞めて転職した。
ちょっと話がそれちゃったけど、結局日本の会社は上司の言う事を聞かないと自分の生涯収入に大きな影響を与える構造になっている。
これが未だに蔓延っている事が日本の会社のダメなところだと俺は考えているんだよね。
しかも、大きな会社になればなるほど事業の承認を得る仕組みが煩雑で判断するのに時間が掛かり、世界のスピードに完全に乗り遅れている現状が有る事も大きな弊害になっているよね。
俺は今所属している会社である事業をタイ王国のパートナー企業と一緒にやろうとしている。
この事業にどうしても参加させて欲しい、とある日本の中堅企業から何度もお願いされ、当社の社長は（おそらく何らかも目論見が有ったと思うが）快く承諾したんだよね。
ところが、この企業もご多分に洩れず取締役会の決裁が必要だからと時間がどんどん浪費され、この会社のペースで事を進める羽目になり、既にこの事業は2ヶ月以上遅れているんだよね。
今となってはこの企業は参加させなければよかった、と後悔しているんだが、日本のちょっとした規模の企業は今後絶対に参加させないようにしよう、って思っているよ。
また話が横道に逸れちゃったけど、結局今の日本社会の構造は集団や組織が決める事が是とされてて、個で決める事は信用されないし無視されてしまう。だからスタートアップ企業も日本では育たないし、折角日本の未来の利益に繋がるような事業も集団の上の連中の見解だけで簡単に潰されてしまう。その理由が「前例がないから、当社ではやった事が無いから」
などなどだ。今後伸びる会社はTry & Errorを数多く経験した会社だと思うし、個や少人数でも機動力が高い企業が生き残って行ける社会構造になって欲しいよね。
また、それが直ぐに無理な場合はErrorを恐れて取締役会で却下するような役員連中は早く会社を去って欲しいよね！
