歌ごころ vol.８　ひとりがたり

歌　スイートコーン
曲　木村弘美
詩　深田尚美（悠木そのま）

[84年/セントラルミュージック]

ショパンのエチュード　静かに流れる住宅街の坂を下りると
小さな日溜まり　寄り添う二人は確かにあなたと誰かね

　胸の片隅　信じてたのに　いつか愛されるなんて
　からめ合う指を　どうぞ今だけ　ほどいて欲しい

ひとり想いの　ひとり語りは　あなたの心に届かない
ひとり想いの　ひとり語りは　いつの日も問わず語りね

オリオンまたたく夜ふけのテラスで　涙でちぎる日記の頁
悲しい噂は聞かないふりした　昨日まで煙にするの

　彼の心をひとりじめした　わたし　彼女を恨むわ
　はかなげに揺れる炎　すべてを燃やして欲しい

ひとり想いの　ひとり語りは　インクの色さえ切なくて
ひとり想いの　ひとり語りは　いつまでも読み人知らず