ミテクレに踊る
雑貨屋を兼ねているお洒落なカフェに行った。
波佐見焼とか全国各地のお洒落な陶芸食器を置いてて。とてもお洒落で。備前焼ってこんな綺麗なものもあるんだとか、ちょっとした発見もあって。
カフェで頼んだカレーは玉ねぎを粗めに擦ったシャラシャラって食感で。レンコンの素揚げももちろん入っていて。
言葉で味を想像できる ”The お洒落なカフェのカレー”。
なんだろう。
この感じ。
想像できるこの感じ。
東京でも岡山でも鹿児島でもきっと同じ。見た目も味もセレクトも。
コーヒーの味はまさかの普通で。
なのに、あの周辺でいい店がないかと言われれば、僕はこの店を薦める。きっとお洒落だと言って喜ばれるだろうから。あれを嫌だと言う人はいないだろうから。というより、言えないだろうから。それほどよくある”the お洒落”だから。
画一からはみ出る怖さ。均質化される勢い。
そのミテクレに踊らされ。
見た目はとても大切で。
だけどミテクレに騙されるというかミテクレが全てになっているというか。ミテクレがいいものだけ。その状態が大衆化されると、そうじゃないものが廃れていくような気がして。その中に大事なものがあるような気がして。
そんなことを少し寂しく。