ひとつのことばがせかいをかえた
三歳になった息子。覚えたての言葉はぎこちなくてどことなく暖かい。
窓の向こう。消えていったサイレン。
消防車のミニカーに夢中だった彼は本物のそれが近くにいたことに気づけなくて一生懸命教えてくれた。
「僕も聞こえたかった」
聞きたくても聞けない音があることを知っているみたいだ。
能動と受動。積極だけど受身。自発と他発。望むけど偶然待ち。
そんな言葉があってもいい。
国語のテストでどうかマルをつけてあげてください。
レジで駐車券を車内に忘れたことに気づいた。
疲労もそこそこあ