美術館を楽しむ方法は人の数だけあるはず。
開いてくれてありがとうございます。
美術館、というより、絵画はどう楽しんでいますか?
今読んでいる本が『学芸員しか知らない美術館が楽しくなる話』という本で、美術館を楽しむためのヒントについて書かれていた。
(こちらnoteで書かれていたものらしいですね!)
それを読んで思い出した、美術館に関するお話をひとつ書こうと思う。
絵画の楽しみ方は人それぞれ、楽しみ方は本当にたくさんあると思う。
そんなわたしの楽しみ方は、その絵画の光を感じること。
引きで見るより寄りで見る派。
その絵画の中にいるつもりで、当たっている光を感じている。ちょっと特殊かもしれないけど…。
だから肖像画よりも風景画の方が楽しめる。
好きな絵画は印象派のあたりが好き。
別に背景とか技法に詳しいわけでもないのだけれど、一番光を感じやすいから。
ところで、Instagramにて『耳で聴く美術館』というアカウント名で活動されている方をご存知だろうか?
その方が、ある日ある絵画について解説をされていた。
アルフレッド・ギユの「さらば!」という絵画。
たまたまこれを聞いていたのちに、『ブルターニュの光と風』という展示を見に行くことができたのだ。
実はブルターニュの展示に行ったとき、この「さらば!」の絵画があるとは知らずに行っていた。
だから目の前に大きなその絵画が現れたときは驚きと感動がまずわたしを襲った。
解説を聞いたとき、見ることができたらいいな〜と思っていた。
それが思いがけず目の前に現れたのだ。
しかも、撮影OKの場所で。
わたしは写真が好きだし、写真は本当も嘘も映し出せると思っているけど、絵画はカメラを通すとその良さは半減すると思う。それ以上かもしれない。
この絵画は全体的に青系統の色味が強く出ている。海の絵だから当たり前、と思うかもしれない。
冷たく悲しいシーンのイメージが強かった。
しかし実物は違った。人間の色味に暖かみを感じられたのだ。
周りは確かに暗く青かったけど、父と息子には浮き出るような暖かさを感じていた。
わたしは勝手にこの暖かさは親子の、父から息子への愛情を表しているのではと思い、ひっそりと涙した。
他にこの絵の前で足を止めている人はいない。
わたしだけがこの絵の前で足を止め、泣いていた。
感覚で絵画鑑賞をするわたしには衝撃の出来事だった。
前にたまたま入れた知識が、その経験をさらに豊かなものへと変えてくれたから。
先入観を持たずにただ経験をするということも大事だと思うけど、知識は経験を豊かにしてくれるということを学んだ日だった。
今でも気になる展示は行くようにしている。
1人で行くときは自分のペースで、自分の感覚で鑑賞をする。
友人と行くときはお互いの感想を述べながら楽しく鑑賞をする。
どちらも大切な時間で、とても楽しい。