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カリンバで「すき」

西村由紀江さんの「すき」という曲をご存知ですか?
曲名は知らなくても、結婚式などで耳にされた方は多いかもしれませんね。
ピアノの曲ですが、カリンバでも弾けたらいいなと思い1か月。
3つの楽譜ができました。

楽譜1

この楽譜は原曲と同じA♭調です。カリンバに♭4つなんて、ちょっと考えられないですよね。ところが不思議とこの曲はA♭調が弾きやすかったのです。
1つ考えられるのは、A♭から始まる「ドレミファソラシ」は「A♭ B♭ C D♭ E♭ F G」ですが、このうちG以外の音は全て2段カリンバの上の段に並んでいます。つまりA♭調は上の段のC♯調ととても近い調(属調)だったということですね。
ただ、近い調は他にも3つありますから(G♭調、G調、F調)、その中でもA♭調が弾きやすかった理由はわかりません。

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* 灰色のキーは使いません。

楽譜2

楽譜1は指使いとしては弾きやすいのですが、譜読みが大変かもしれません。
そこでA♭調のままできるだけ音を減らしたのが楽譜2です。
かなり弾きやすくなりました。ゆったり弾けておすすめです。

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楽譜3

二重奏の楽譜も作ってみました。
こちらはF調です。キーが3つ下がり高音の響きが豊かになったような気がします。
一人一人は楽に弾くことができると思います。
(ピアノスタイルなら独奏も一応可能でした。)

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seedsの34音カリンバ

今回の楽譜はseedsの34音(17音 × 2段)クロマチック・カリンバで音を確認しながら作りました。seedsの34音は高い音もちゃんと鳴るので気に入っています。

ただこのカリンバは、スタンダードなチューニングでは低音の「C♯ D♯ E♯ F♯」がなく、そのキーがオクターヴ下の「F G A B」に使われています。
今回の楽譜は低音の「D♯(E♭)」「F♯(G♭)」を使うので、上の段のチューニングを上の図のように変える必要がありました。このチューニングにすると「F♯(G♭)」キーが奥に引っ込んで弾きにくくなってしまうのですが(となりのキーに指が当たってしまう)、となりのキーを指の腹でミュート(消音)したまま「F♯(G♭)」を弾けば「F♯(G♭)」だけを鳴らすこともできるので、このようなチューニングに変えてみました。

少しずつ変化してきた「すき」

この曲は、同じ曲でもアルバムによって違いがあるので、少しご紹介します。

Virgin(1995年)
ピアノソロ。最初の録音だと思います。(1:58)

しあわせまでもう少し(2002年)
ピアノ+ストリングス。最初の32小節が繰り返しになっていて、2周目からチェロ(?)が入ってきます。新しいフレーズが16小節追加されたこともあり、曲の長さは2倍以上になりました。(4:33)
(今回の楽譜はこちらの音源を参考にしています。1周目と2周目に差を付けていないので、カリンバでは繰り返しを省略した方がまとまりが良いかも知れません。)

PIANO SWITCH 〜BEST SELECTION〜(2019年)
再びピアノソロ。繰り返しはなくなりましたが、追加された16小節は残りました。そして曲の終わりが1小節長くなりました。(少し名残惜しそう?)(2:51)
「ピアノ」中村大三郎(1926年)

最後に

とてもいい曲なので、よかったら原曲を聴いてみてください。
ピアノの楽譜もおすすめです。アルバムと一致する楽譜集が出版されていて、西村由紀江さんからのアドバイスも付いています。♫

追記

17音カリンバの楽譜を追加しました。


とりにえさをあたえるぼたん