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【効果は絶大】経理BPOで一歩先へ!成功事例から学ぶ未来の経理業務

はじめに

「雑務に時間と労力を持っていかれてしまい、なかなか重要な業務に集中できない」といったお悩みをお持ちではありませんか?

昨今の企業経営において、経理業務の効率化と高度化は避けて通れない課題となっています。
その解決策のひとつとして注目されているのが、経理業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です(以下、経理BPO)。

経理BPOを効果的に活用することで、業務効率を大幅に向上させるだけでなく、コスト削減やリスク管理の面でも大きなメリットが得られます。

本記事では、経理BPOを導入し、業務効率化に成功した企業の実際の事例を通じて、その具体的な成果とともに、成功の要因について詳しくご紹介します。

企業が直面する現実的な課題とその解決プロセスを知ることで、自社における経理業務の効率化に向けたヒントを得ていただければ幸いです。


経理BPOにおける成功事例

ここで経理BPOのベストプラクティス(成功事例)を2つご紹介します。

  1. 【大手企業事例】経理全体の業務を見直すことで月あたり約1,600時間のノンコア業務のBPO化に成功

  2. 【中小企業事例】月あたり約60時間のノンコア業務のBPO化に成功


【大手企業事例】経理全体の業務を見直すことで月あたり約1,600時間のノンコア業務のBPO化に成功

大手国内メーカーでBPOを導入した事例です。

資本関係の見直しにより体制が変更となるタイミングで、業務の抜本的な改善を進めるために本社経理機能のBPO化を決定しました。
BPO化を進めるにあたっては発注企業・委託先企業の合同プロジェクトを発足し、両社で足並みを揃えて実施しました。

BPO対象業務

●業務領域
債権/債務/伝票取扱/立替経費精算/固定資産/決算

●具体的な業務
○システム操作系
・伝票承認
・伝票、帳票入力
○上記以外
・各種データの集計作業
・部門への定期的な依頼事項のメール代行&締め切りのリマインド&回収 
・決算にむけたアンケート調査

※上記以外の非定型な対応については経理部が内製で対応。

非定型な対応の例:ルール化できていないイレギュラーな伝票処理、非定型の問合せ対応、スピード感が必要な締め前の各種対応など

成功に至った2つの要因

BPOがうまく進んだ要因として下記2点が挙げられます。

  1. 現場マネジメント層(課長クラス)の協力

  2. 目的の明確化とコミュニケーション

それぞれご紹介していきます。

1.現場マネジメント層(課長クラス)の協力

これまで担当者が柔軟な対応をしていた業務も、BPOを実施するとなるとある程度ルール化する必要があります。
ただ、部門や拠点をまたぐなど業務規模が大きいと、担当者で意思決定できない事項が多発することもしばしばあります。

そこで、マネージャー層が迅速に意思決定を実施して、プロジェクトを前に進められるかが重要になります。仮にマネージャーに決裁権が無いと、プロジェクトの停滞に直結してしまいます。

このケースでは、マネージャー自身が業務にも精通していたため、業務自体の見直しも図ることができ、より一層BPOのメリットを得られました。

2.目的の明確化とコミュニケーション

プロジェクトの規模が大きいほど、BPO導入の目的の明確化と社内・社外への全方位に向けたコミュニケーションが大切になります。

BPOした後のことまで見通したうえで

  • 経理メンバーへBPOを実施する目的と背景の共有

  • 導入後の体制(リスキリングや配置転換など)

  • 導入後、どのようにコア業務を充実させるか

といった内容をMTGや1on1で丁寧に伝えていきます。

さらには、BPO委託先の企業にもそのことを理解してもらった上でプロジェクトを進めたことが、成功要因の一つとなりました。


【中小企業事例】月あたり約60時間のノンコア業務のBPO化に成功

続いて紹介するのは医療業界ベンチャー企業における事例です。

この会社は近年、会社規模の急拡大に伴う頻繁な社員の入れ替わりにより、バックオフィス部門の安定的な遂行が大きな課題となっており、BPOの活用を決定しました。
BPOの結果、月あたり約60時間の業務削減効果を得ることができました。

BPO対象業務

上記の問題意識をもって、特に作業量の多い以下の2業務をBPOの対象としました。

●業務領域
・立替経費精算
・債務/証憑取扱

この中でも、下記の2業務においては1カ月あたり計400件の経費精算や支払請求書の申請処理があったため、効率化した際のインパクトを考慮してBPOの対象範囲としました。

●BPOの対象業務
・従業員の立替経費申請の内容チェック業務
・支払請求書の申請不備チェック業務

(参考)所用時間1件あたり5分~10分としてBPOのプランニングを行いました。

BPO化の成功に至った2つの要因

BPOがうまく進んだ要因として下記2点が挙げられます。

  1. 実務担当者のビジネスプロセスに対する知見と積極的な姿勢

  2. 発注企業のBPOへの理解

それぞれ記載していきます。

1.実務担当者のビジネスプロセスに対する知見と積極的な姿勢

BPOを成功させるためには、実務担当者の「業務への知見が豊富であること」、そして「業務プロセスの明文化に対する積極的な姿勢」は欠かせません。この事例ではそれらが十分に備わっていました。

練度の高い実務担当者が協力的だったことで、BPOに向けた取り組みの一環である進捗状況の可視化やマニュアルのアップデートも円滑に進み、「誰がいつみても状況を把握できる状態」を構築することができました。

◆具体的なアクション:

  • 委託先企業との密な連携による状況アップデート

  • 隔週で定例MTGを設け、導入状況の確認を実施

(参考)定例MTGでのテーマ例

  • 委託業務のフローやスケジューリングの調整について協議

  • 業務プロセスのルール変更について協議

  • プロジェクトメンバー増員によるアカウントの追加発行、業務環境アクセス時の権限付与

2.発注企業のBPOへの理解

発注企業自身が「BPOは万能なものではなく、不向きな業務やできない業務があること」を認識し、それらの特徴を理解しておくことも重要です。
今回の事例では下記のようなBPOに不向きな業務がなかったため、スムーズなBPO化が実現できました。

(参考)BPOに不向きまたは”できない”業務の例

  • 会社の判断や重要な意思決定を含む業務(年間計画、中期計画策定など)

  • 免許や資格が必要な業務(税務申告など)

  • 通常の業務スケジュールから外れた申請(申請遅れなど)

  • 数少ない通常フローとは異なる申請(海外出張の経費精算など)

  • 業務時にコミュニケーションが頻繁に発生する対応

  • 申請ルールの理解が乏しい申請者のフォロー

BPOに向いている業務の特徴についてはこちらの記事でご紹介しております。

まとめ

BPO化に向けたプロジェクトの推進には、企業の規模や委託する業務内容、委託するBPO事業者、組織体制など様々な注意点があります。

その中でも共通して言えることは、「BPOを成功させるためには、発注側と受注側がどれだけ密にコミュニケーションを取れるかが重要」ということです。

双方のコミュニケーションの充実が結果的にメンバーのプロジェクトへのモチベーションにもつながり、BPOの成功要因となります。


「BPOのことについてもっと知りたい」「基本的なところを押さえておきたい」と思われた方はこちらの記事をご参考にしてみてください。


また、今回のような成功事例だけではなく、失敗事例とその回避方法についてもこちらの記事でご紹介しております。

デメリットが色濃く出てしまっている事例となっております。記載している回避方法についてしっかり押さえていただければと思います。


以下の記事では、BPO導入のメリットやデメリットを事例とともにご紹介しています。


これらの記事をご覧いただくことで、よりBPOへの理解を深めていただけるかと思います。
ぜひご一読ください。


今回の記事が貴社の取り組みのご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。


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