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アイアン・トレイン(モーリタニア鉄道) 搭乗記録と乗り方の考察 【2025年冬】
結論
私見としては、チューム↔︎ヌアディブ間で乗車するのが無難で良いと考える。始発地ズエラットから乗る場合はヌアディブまで。
前提
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前提
鉄鉱石はズエラットの東側で積み込まれ、ヌアディブで降ろされる。
モロッコから西アフリカへ南下するルートでは、西サハラからズエラットへ直接入る手段がない。そのため、鉄鉱石を積んだアイアントレインに乗るには、時間的・金銭的な無駄を許容する必要がある。
想定ルート
ヌアディブ → フライト →
ズエラット → 鉄道 →
チューム → 乗合タクシー →
アタール(シンゲッティ/テルジット) → 乗合バン →
ヌアクショット
今回、ヌアディブからズエラットへのフライトを利用したが、もし再びモーリタニアを旅するなら、下記のルートにすると思う。
ダフラ→ヌアクショット→アタール(シンゲッティ/テルジット)→チューム→ズエラット→ヌアクショット→ロッソ
この記録を読んでルートを検討し、僕の屍を超えていってほしい。
実際のルート及び搭乗記録
ヌアディブ→ズエラット(フライト情報)
運行日:月・水の週2便。(2025年2月現在)
運賃:110USD
予約した便が10時間前に欠航となり、シンゲッティとテルジットの予定がふっ飛んだ。欠航日、空港は閉まっており補償はなし。遅延証明も発行されず、本社にメールしても音沙汰なし。
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ズエラット空港→町の中心部
移動手段:ヒッチハイク(無料)
現地人に紛れる作戦。空港で民族衣装を被った。
水と食料を確保し、アイアントレインのスタート地点へ行く予定。
空港敷地外でヒッチハイク。乗せてくれた人に出発時刻を尋ねたところ、アイアントレインのオフィスに案内された。
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アイアントレイン・オフィス
僕がアホだったのだが、非公式で乗るつもりなのに、ここに来るべきではなかった。
オフィス前にいた現地人(Aとする)が翻訳アプリを使えたため、彼についていくことに。オフィスの裏の汚い待機場で5〜6人と待機。
本日の出発は18時頃との情報を得る。
チケットの要否について30分ほどやりとり。貨車に乗ると言っても認められないと言われ、押し問答。すでに3時間ほど待機していたため、最終的に打つ手がなくなり、Aに1,000MRUを支払い謎の電子チケットを得る。
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アイアントレイン・オフィス→乗り場
17時になって、Aに「乗り場は30km先。タクシー代500MRU払え。」と言われる。
さすがに怪しいと思い、その場を離脱して個人で流しのタクシーを捕まえる。スタート地点へ行ったが、鉄道会社のおっちゃんに「乗り場はここから30km西のポイントだ」と言われた。マップで路線を西に追ってみると、フデリック近くのIron Ore Train Hop-on Pointと書かれた場所を発見。思いっきり「乗り場」と書いてあった。まさかこんなに遠くだとは思わず見落としていた。
実際のタクシー代金は700MRUだった。6人でシェアすれば100MRUちょっとで済んだはず。つまり、タクシー代のほとんどを僕に払わせようとしていたってわけ。思いっきりカモられているな。
乗り場
チケット代1,000MRUを払っていたため、堂々と待機。1番前で動画を撮りながら出発を待っていたが何も言われなかった。(乗り場にてAを発見したため、いろいろ言われたらAに対処させようと思っていた)
明るいので、電車のトップ位置(乗り場のポイント)まで来てしまうと外国人は100%バレる。監視員は2kmの全車両をチェックするのは不可能なので、バレないことを最優先とするなら乗り場のポイントより1kmくらい手前で降りて、待機するのがよいと思われる。
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乗り心地
出発時は鉄鉱石の山の上に座っていたが、砂嵐の中を進んでいるような状態だった。トロッコの手前側に移動して風が当たらない場所で過ごした。
風を避けた位置でもターバン+サングラスでも目の周りは真っ黒になる。
「世界一過酷な鉄道」とか言われているが、それは鉄道に限った場合の話。個人的にはそれほどの苦はなく過ごせた。全然問題なくヌアディブまで行けそう。快適さのランクを、南米の長距離フルフラットバスを10として、アフリカでよくある過酷なミニバン(1列4人のとこに6人詰め込まれて押しぶされながら未舗装の悪路を24時間以上。しかも雨漏りで体が濡れて寒さで震えながら過ごす地獄の修行)を1とするなら、4~5くらいの快適さはある。エコノミーのフライトで15時間よりはこっちの方が楽かも。ファーストクラスの10倍はある贅沢なプライベート空間!!笑
努力を惜しまず、鉄鉱石の砂を掘って寝やすく整えれば快適。割とフラットになる。半分くらいは寝て過ごした。
星空は絶景(オリオン座がどこかわからなくなるほどの星の数と輝き)
騒音対策を考えるなら後方車両がおすすめ。僕は前から3番目の貨物車に乗ったが、寝れない人は後ろへ。ディーゼル機関車(動力)が最前列なので超うるさい。
チューム到着
下車したのは自分のみ。
待機タクシーなし → 仕方なくお祈り用のマットが敷いてあった場所で野宿。
奇跡的に声をかけてもらい、鉄道関係者の仮眠室(?)に居候して朝を迎えた。正直怯えながら過ごしていたのでかなり助かった。
再現性が全くないので、チューム下車はおすすめしない。
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ちなみに、「モーリタニア人は外国人からボッタくるから気をつけろ」と、ここで出会ったモーリタニア人に注意され、その後のルートの全適正価格を教えてもらった。
チューム→アタール
価格把握済みだったため、幹線道路でチュームからアタール方面に向かう車を片っ端から止めて有料ヒッチハイク。20分で成功。(300MRU、1.5時間)。
チューム→ヌアクショットのミニバス(700MRU)もあるらしい。(乗り場やチケット購入方法がわからずで利用せず。)
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おすすめの持ち物
洗濯が面倒なので、汚れたものは捨てる、もしくは絶対に汚さないという意識で準備。
・捨てても良い服
トップスから靴まで全て使い捨てる予定のものをもっていった。サブバッグも捨てるつもりで使い古したものを持って臨んだ。
・マスク
ターバンだけで凌げるか不安だったので。
・ゴミ袋(大・中・小)
バックパックとサブバッグを保護。入れたら出さない。スマホも撮影以外はずっと袋に入れていた。他には食料を入れたり、ゴミを入れたり、手にはめて砂を掘ったりなど、いくらあってもいい。
・ビニール袋+ヘアゴム
靴の保護。
・サージカルテープ(マスキングテープ/テーピング)
スマートフォンの充電口などに貼った。バヌアツで火山灰が詰まり充電できなくなって焦ったので。
・防寒具
砂漠の夜は寒い。但し、これをトップに着ると洗濯が大変なので、必ず犠牲にする服の下に着込むこと。
・スキーゴーグル
ヌアクショットで出会ったフランス人が持っていた。これは賢いと思った。走行中はサングラスがあっても目に砂が入るし、目の周りが真っ黒になるので。
・食料と大量の水
水は飲水としての他に手を洗ったり、顔を洗ったりするのに使用する。
まとめ
久々に「冒険感」のあるアクティビティで楽しかった!
次の旅行者が、この情報を利用してより効率的にアイアントレインに乗車してくれることを祈る!
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