6話 鹿のおじさんが残した謎の印


その時
どんぐりの木の実が頭にコツンとあたりました。
わ。びっくりした。

どんぐりの幹に印があるのを見つけました
あれ?昨日はなかった印だな。

幹の印は山が三つと矢印と九個の〇でした

うーん?
山が三つは矢印の方向の山かな?
矢印は山の方向をさしてる?
こっちの山を三つ超えるって意味かな?

〇が九個は
ちょっとわからないな。。。
でも山を越えたらわかるかもしれない。

これが鹿のおじさんの伝言だとわかったのは
鹿の毛が幹に残っていたからでした

クマ君は鹿のおじさんのニオイを感じました。

鹿の足跡は崖のほうに消えていました
鹿のおじさんは帰っていったんだ。
クマ君はそう感じました。


何かお礼がしたかった。気持ちだけでも伝えたかったな。
もしまた会えたらその時は伝えよう。

泣いて、自分を責めて。つらかったけど。

少しでも気持ちを整える時間って必要なんだな…
クマ君は心で感じていました。

なんか前に進めそう。
そう感じていました。

何を考えて進めるのがよいのか
考えてみよう。


そのときクマ君は
洞穴の中にもどる鹿の足跡をみつけました
鹿のおじさんが戻ってきたんだ!

洞穴に戻ってみよう。
鹿のおじさんにあえるかもしれない。

急いで 洞穴に戻ったクマ君

「鹿のおじさーん。戻ってきてくれたの?」
大きな声で洞穴の中に聞こえるように言いました。

小鳥のさえずり以外
鹿のおじさんの声や物音は聞こえません。

洞穴の中をぐるっとみても
いませんでした。
あぁ。やっぱり居ないんだ。

クマ君はがっかりしました

そこに 強い風が吹いてきました
木々がザワザワっとそよぎます

クマ君の毛が強い風でなびきました
そこに柏の木の大きな葉が洞穴の中を風でクルクルとしています

すっごい大きな葉っぱ!

いいなと思ったら応援しよう!