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勉強会vol.9 『神山 地域再生の教科書』|篠原 匡 著

第9回目の勉強会は、篠原 匡氏の著書『神山 地域再生の教科書』が課題図書でした。
佐久間 淳子さんが今回のプレゼンターです!
人口5,000人弱の神山町の事例を館山市に活かせないか、という観点でプレゼン、ディスカッションが進みました。


選書理由

・神山町の成功要素を館山、南房総地域に活かせないか考えたいから
・「教育」というテーマで議論してみたいから

本書の概要

●「奇跡の学校」はなぜ誕生したか?

「神山まるごと高専」が2023年に神山町で開校された。
高専が開校されたのは約20年ぶり!
なぜ徳島県で高専が開校されたのか?

・民間企業発信、官が応援して進んだプロジェクト
・市外企業のサテライトオフィスが20以上ある地域
→ 机上で学ぶだけでなく、起業家精神を身につけることができる

●プロジェクトが湧き出る神山の秘密

・地域に問題意識を持っている人の密度が濃い
・チャレンジのコストが低い
・サポートする人間がいる(官民両方)
・サテライトオフィスに集まった起業家たちが連鎖的に想いに共鳴
→ 連鎖的にプロジェクトが起こる人口密度、距離の近さがある

●官と民のコラボレーション

40代以下の住民、役場職員とのワーキンググループを立ち上げた。
→ 今後神山で生きていく世代で考えることが重要!
神山町が創生戦略「まちを将来世代につなぐプロジェクト」を策定。
スピード感と柔軟性をもって創生戦略を実現してゆくために一般社団法人「神山つなぐ公社」が設立され、官、民ともにサポートする体制ができた。

担当者所感

プロジェクトをいかに生み出すか & 生まれる土壌をどう作るか が重要!
下記サイクルによって連鎖的にプロジェクトが生まれる

計画的偶発性理論が神山町に当てはまるのでは?
→ 予期せぬ出来事が起きた際に行動できるだけの準備をしたり、偶然の出来事に遭遇すべく柔軟に行動したりすることで、チャンスが生まれる!

計画的偶発性理論(クランボルツ教授)・・・キャリア形成「ターニングポイント」の8割が、本人の予想しない偶然の出来事であるという理論

ディスカッション 神山町と館山市を比較して

神山町は人口密度が濃く、地域・人間の距離が近いから連鎖的にプロジェクトが発生した!
→ 館山市は地域の規模大きく、距離が遠いため連鎖的にプロジェクトが発生しづらい…

神山町には駅がなく、中心地がないことが逆によかったのでは?
→ 館山市は城山周辺▶館山駅▶バイパス周辺と中心市街地が移動、現在も点在しているため、プロジェクトが発生しても連鎖反応が起きづらい…

駅東口「リノベーションまちづくり」、塩見「かやぶきゴンジロウ」、北条海岸「ビーチマーケット」などプロジェクトが市内各地に点在

連鎖反応が起きやすい人口密度、地域規模

「神山つなぐ公社」の財源は地方創生関連の交付金に頼っている。
→ 交付金はいずれ無くなるため、事業の自走を目指すことが大切
→ 公金事業だと公平性が求められてしまう(地域、事業者)

ディスカッション まとめ

人口密度が濃いという神山町の成功要因から、館山市でプロジェクトを起こす際には、特定地域に絞ったほうがいい!
→ 連鎖的にプロジェクトを発生させるべき

プロジェクトは「イベント」から「日常」に!
→ 公金に頼らず、自走していく形式を目指す

神山町には地元出身のキーパーソン、大南信也さん(NPO法人グリーンバレー 理事長)という存在が。
神山に数多くある古い空き家を移住希望者に紹介し、安値で住居やオフィス、アトリエとして使ってもらっている。
神山への移住を希望する人を支援し、地域の人材と繋いでいる。
→ 地域のコミュニティマネージャーが必要! 


レポーター:黒川

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