ときめきステーショナリー ファースト・ラブ
ときめきステーショナリーズ ファースト・ラブ
無事に全ステージが終演致しました。
『はじまり』
このシリーズの歴史は遡ればさらに長いのですが
私が関わらせて頂いてから4年が経ちました。
思い出しますね。誰かが言ってくださってましたが最初は役者だけのオファーでして、ウサギの耳をつけてわたしは人生でやった事もないラップを歌ってました。
そう、文房具ですらなかったんだ。とってもファンタジーな世界のお話でした。
あの話そういえば、宇宙行ってた!月に行ってたんだ!笑
なぜラップをやったらときステの演出をさせていただくことになったかの経緯はいまだに永遠の謎ではありますが
わたしにとってのときステロードはあそこからはじまっていました。
まだ全然人見知りしてみんなとこれだけの関係値を築いてなかった頃です。
朗読劇から始まったときステが
舞台として初めてやろうとなったのが
今回のファーストラブの元になった
舞台版ときめきステーショナリーズ
このお話のメインは三角れんの隠された記憶を見つける物語
文房具界と人間界のお話
創造主『持ち主』の存在の定義
そしてそれぞれの友情、想いの形に重点を置いた比較的シンプルな構成の物語でした。
『修繕寺セイヨが生まれる必要のあった物語』
玉一が演じさせていただいてるこの役が初めて登場する作品がこの舞台版でした。持ち主を心から愛し持ち主を傷つけるきっかけを作った三角れんを心の底から憎むキャラクターです。
個人的には自分だけが知らないでいる
という状態(今作物語の序盤)が1番残酷であると思うわけで、三角の戸惑いや不安以上に、彼が深く傷つくのが重要なポイントになります。
修繕寺は復讐心を全面に出しておりますが、
わたしとしては故意的に記憶を思い出させ自分の罪と向き合せ変えるきっかけを与えてるあたり、逆に優しいのではないかと思い
深層心理的に
このどうにもできない運命を変えてくれる事を願ってるようにも感じました。
『三角にはとことん傷ついて、ちゃんと初恋をして欲しかった』
傷つくことは辛いことです。できるなら傷つきたくない。
だからなんとなく傷つがないように道を選んで私たちは生きていきます。それが大人になった今日花。
三角は記憶がないのでただ知りたい一心で傷つく道を進んでいきます。
だから待ち受けるポイントのシーンは丁寧に熱心に演出を心がけました。
どうしたらもっと傷つくだろう。
修繕寺に三角が謝りに来るシーンは最初はあんなバイオレンスではなかったですが、物理的にも傷ついてもらおうと思いました。
そしてそれと付随してくるのが今回新たに加わった要素『初恋』
この作品は所謂シーズン0に当たる作品なので、三角の恋多き人生に理由付けをするチャンスなんだと、台本を読んで強く感じ。
『ずっと誰かを探してるような気がする』
つまり今日花=キョウカ←三角
というわけですね。
全てを思い出して主人格が現れたキョウカが差し伸べる手をすぐ取れなかった事、
彼はここにも大きく傷ついたことだと思います。
2人が恋に芽生えるシーンから始まるパフォーマンスはるこちゃん先生によって素敵に昇華していただきました。
キョウカが歌う歌詞は記憶がない彼女からは本来出るはずのない言葉で溢れています。
『観に来る舞台、間違えたかな?って思わせたかった』
やはりこの物語の始まり0場に関してはわたしにとってもチャレンジでした。
帰省する今日花の何気ない風景を不穏に見せることで彼女の帰省が心から望んでの楽しい帰省ではない事と現実と空想世界の境を明確に描きたかったところが大きいです。
いつもご覧になってくださってるときステファンの方の期待をいい意味で裏切りたいと思いました。
結果。好きなシーンの1つになりました。
『文房具に教えてもらった事』
前回のカーテンコールで話した事ですが、人はなかなか素直じゃないから
人から言われた事って素直に受け入れることができなかったりすると思うんですけど、文房具の言葉なら聞いてもいいかなってなるかなって思ってて。
だから文房具達が沢山熱量持って届けてくるメッセージがお客様の心にスッと入り込んでくれたらいいなと思っていつも作品を作っています。
まさに文房具なのにこんな熱量の芝居ですいません!ってやつですね。
でもだからいいってのはあります。
めっちゃ分析とか深読みとか辻褄を合わせたりしがいがあるんじゃないかなって
自由度が高い方が。
おもにそれは作家の澤井さんが全て担ってくださっておりますが。
『ときステはベストプレイス』
私が演出をやる時は大前提として「あなたの存在を否定しない」をモットーにしています。
あなただからこその演技を探す。そんな感じです。
そしてその人がより輝くように私は手招きをするだけ。
だから大前提みんながすごく魅力溢れるということは先にお伝えしておいて。
それでいてのびのびと楽しく遊んでもらうプレイス=遊び場 出会って欲しいと思ってます。
あんなに深いメッセージ性の強い芝居だけど
この遊び心が必要不可欠で。
本気で遊んでくれた時すっごい素敵になります。
それでいて最高の脚本、それを100%信じて全力で同じ方向を向いて一緒に走ってくれるキャスト、スタッフさん。
なんか本当、プロデュース公演の域を越えるこの強い関係性の絆だからこそ成せるものだなと思い、本当にいつもみんなに感謝しかないです。
願わくばいつまでもこの幸せが続けばいいと思う。
みんながな望んでくれるなら私はこのベストプレイスの守護神になりたいとさえ思います♡
本当はひとりひとりに言葉を残したいけど感謝の愛の告白の羅列になりそうなので。笑
改めて
ときステを日頃から応援してくださってる皆様、ご来場いただいた皆様、キャストのみんな、関係者各位に心からの感謝を!
『本当にありがとうございました!』
次はときステで修学旅行にでも行きたいなぁ 笑
演出/修繕寺セイヨ役 玉一祐樹美