大怪獣のあとしまつって映画をみたよ、という話
結構好きでした。
前日にTwitterで結構ボロクソ言われてたの込みで、なんか逆に楽しみになっちゃってたんですけど。
多分酷評している皆は、想像していたのと違う、ギャグ路線の作品だったところが気に食わなかったんだと思います。
私も最初は真面目な話だと思っていました。公開前にポスターを見ていたのですが、その頃は「クライマックスを超えた後の、語られない事後処理の物語」を真面目に描いてくれるんだとワクワクしていました。
誰でも考えた事があると思います。エイリアンと戦った後の血なまぐさい施設を掃除するゲーム、確かありましたよね?名前忘れましたけど。
そういう「物語のメインとなる出来事」が終わった後って、どうなるんだろう?と。
MIBみたいに記憶処理されるのかな?とか、修理費用バカにならないだろうな…とか。
今回の内容で言えば、怪獣の身体的特徴や構造、成分を分析して的確な解体や処理方法を模索したり…すると思っていたのでしょう?酷評している皆さんは。私もですけど。
でもトレーラーから感じる胡散臭い雰囲気と役者の既視感、監督が「時効警察」の人だという事を知って、なんとなく映画の方向性がわかったので、事前に身構えることが出来ました。
これ、コメディだなと。
事前にトレーラーと監督の作品を確認しといてよかったです。
トリックとか、時効警察の様なテレ朝の深夜ドラマが好きな身としては、真面目に不真面目というか、わけのわからない言動をとられてもまぁまぁ笑っていられました。
むしろ最後の最後まで「え、皆がブチギレてる原因になったところってどこだ…?まだそのシーンではないのか…?」と思ってました。
「ギャグが滑ってる」っていうコメントを目にしましたけど、時効警察は「日曜日にメガネをかけるのはイギリス人っぽい」とか「ソーセージは曇りの日に食べた方が美味しい」とかわけわかんないセリフを言ったり、警察と殺人犯のハズなのに緊張感のない言動をするキャラが出るので、この映画もセリフでダイレクトに笑わせにきているというより、シュールな笑いというか…「こ、こいつ何言ってんだ…?」っていう空気を楽しむものだと思って観ていられました。
映画の最後なんですけど、なんとなく主人公の正体もわかってはいたし、別にいいかな。
「いやここで終るんかい!」とは思いましたけど、まぁそういうノリの映画だし、という感じ。
真面目に観たかった人は「最初からそうしろよ」と思うのでしょうが…いや私も思いましたけど。
こういう話はこういう「いやほら、なんとなくね...」というわけのわからなさも込みだと思います。
人体に何ら影響のないただ臭いだけの害しかないから手出し無用と判断していたとか、力が不足していたから最後までアレができなかった、とか。
世にも奇妙な物語みたいなわけのわからなさがあってもいいじゃないですか?ねぇ...。
ただテレビドラマよりお下品な下ネタ…セックスとか陰毛とかいうワードがダイレクトに出たりするのはさすがに引きました。
まぁ…「ちんちんがキノコと間違われる」とかいう、小学生が喜びそうなネタでゲラゲラ笑っていたので、自分もどこがツボに来るのか…。
人によっては全部わからない不快なネタに感じるのも理解できるし、なんとも言えませんが。
そういえば、そんな下ネタとシュールなノリを見ていて、クレヨンしんちゃんや銀魂みたいだなぁと感じたのですが、似てません…?
なんかそういう、ギャグアニメやドラマで作中作として出てきそうな映画がそのままリアルの世界に出てきちゃった、という印象。
「わーかいじゅうしんだー!うんこくさ!うわーキノコはえてきたー!!!!」
…ほら。こういうの。しんちゃんが観てそうだし、銀魂のワンシーンにありそう。実際キノコ生える回あったし。っていうか「となりのヘドロ」の隣で上映してそう。
そういう目で最初から観れば、シュールなコメディ映画として楽しめる人も増えるんじゃないかな。という印象の映画です。
宣伝の仕方が悪かったんじゃないのかなぁ…?
ただ個人的に一番嫌だったのが、下ネタでも人によっては滑ってると感じるようなわけのわからんセリフでもなく、邦画特有の恋愛要素でしたね。
キスシーンが多い。三角関係もいらん。
とりあえずいれとけ~!みたいな感じ。あぁいうのが一番嫌い。
ギャグ全振りにするなら恋愛要素とかいらないと思っています。
ずっと名前出してますけどトリックとか時効警察とか...あとはSPECもかな、男女コンビで片思いないし両思いでもキスせずに面白い話ってあるじゃないですか。
っていうかこれバディものじゃないんですけど…なんというか…夫婦とか元恋人とか今でも好き、とかそういう設定いらなくないですか?
なんか無駄に尺使うだけだし愛の力で覚醒するわけでもないし、彼女が危険な目に遭ってしまったのを助けるとか、話が進展するわけでもない。
ほんとにいらん。
恋愛要素と多少お下品なセリフ・シーンはいらないかな、と思いつつも個人的には結構楽しめた作品です。
好きなレビュワーさんが数名溜息をついたり、酷評しているのを見かけたのですが、やはりアニメや漫画、ゲーム、映画の好き嫌いは個人によるんだなぁと感じました。
私もレビュー動画とか好きなのですが、そういうので満足したりあぁ、じゃ観るのやめよう…とかは勿体ないと思います。
かと言って1900円払ってまで観る価値あるかと言われたら、好みのハッキリわかれる映画だと思うので薦めもしませんけど。
ただゲーム実況みてプレイした気になっている人のエアプコメとか「あぁあのアニメ面白くないんでしょ?レビュー動画で言ってた~」とか、さも自分がお金払って時間を費やして経験した事のように批評されるのも作品が可哀想です。
私は映画的なセリフ回しとかカメラワークとか、技術的なものに知見はないのでそういうところは評価できないですが、ノリは好きな人が観れば…そういうノリだとわかっている人が心構えして観れば、ハマる人はすくなからず居ると思います。
映画についての記事やレビューで誰一人笑っていない、お葬式のような静けさ、途中席を立って戻らない人がいた…など書いているものがありましたが、自分がいた劇場ではそんなことなかったですよ?
時々近くから笑い声聞こえてきたり、私も笑いましたし。
ネットって発信する力が強い人が評価すると、それにズブズブのみ込まれる時あるじゃないですか。
炎上した人とか。こいつになら何言ってもいいみたいな流れ。
逆にきめつ面白い~とかも。
そういうの見る度、今回もそうなんですけど、あまり情報に流されない方がいいと思います。
私が…小学生並のおつむで笑いのハードルが低いからなのかもしれないんですけど…。
令和のデビルマンとか今年ワーストとか言ってる人もいますが、個人的には好きです。