《アーボーグの掃除屋》のために常盤木能力の多いカードを調べる
背景
「機械兵団の進軍:決戦の後に」がいよいよリリースされる。
個人的に気になったのは《アーボーグの掃除屋》
パイオニアでは新生化アトラクサの亜種で《魂剝ぎ》が採用されていたがが、このときははサブウェポンであった。このカードの追加で《魂剝ぎ》が8枚になる(正確には追放のタイミングや範囲が同じではないが)。このカードを生かすために、改めて飛行や破壊不能といった常盤木能力を多く持つカードがどれであるかを確認した。なお、《魂剝ぎ》は威迫を持てないが、こちらは持てるという差異があることは周知しておきたい。
調査方法
概要
検索にはWISDOM GUILDEを使った。
%E9%A3%9B%E8%A1%8Cは"飛行"、%E5%85%88%E5%88%B6%E6%94%BB%E6%92%83は先制攻撃、
%E3%80%80%は空白だ
調べたいキーワードを入れ替えてURLを生成、そのレスポンスを自動解析。単純!
検索文字列の作り方
さてここで本筋とは関係ないが、再現性のために検索文字列の作り方を記す。結果を知りたい人は目次から次にジャンプ!
wisdom guildは検索ロジックをある程度正規表現ぽくできる。
「飛行 先制攻撃」のように空白でつなぐなら、順番問わず飛行と先制攻撃が入っているものを検索してくれる。たとえば「飛行、先制攻撃」や「飛行と先制攻撃」、「先制攻撃または飛行」というテキストがあるカードを検出する。
一方「飛行、先制攻撃」のようにすればそのものが書いてあるカードのみを検索結果に表示する。「飛行と先制攻撃」と書いてあるカードは引っかからない。もちろんもれなく探したいときは検索範囲の広い空白で結ぶべきだろう。ただ、空白で結ぶと不都合が生じることもある。
これは先制攻撃は攻撃のときしかつかないため、追放しても先制攻撃の能力は得られない(はず。あっていますよね?)
極端なはなし、《結晶の巨人》のようなものは自身にはキーワード能力を持っていないのに、能力の中にキーワード能力がばらまかれているので、《魂剝ぎ》には一つも対象にはならないのに検索に引っかかる。
このようなものがかなり多いため、単に空白でキーワードをつなげただけではゴミが引っかかる数が増えるだけある。
そこでどうするか?《夜のスピリット》を見てもらえればわかるように、本来持っているキーワード能力は句点"、"でつながっている。つまり"、"でつないだほうがよさそうだ。
が、これには条件がある。例えば「先制攻撃、飛行」という検索であったら《夜のスピリット》はひっかからない。全カードが「飛行、先制攻撃」の順でないと、検索ワードとして「飛行、先制攻撃」を採用することはできない。つまり能力を記載している順番が大事なのである。
(一応、全部順番を入れ替えて検索する、という方法もある。ただ10個のキーワードを並び替えるのは10!=3628800通りとなる。この膨大な数を検索するのは現実的ではできない)
で、いろいろ調べた結果、持っているキーワードは大体以下の通りになっていそうである。
飛行→先制攻撃→二段攻撃→警戒→威迫→到達→トランプル→接死→呪禁→絆魂→破壊不能→速攻
この辺りは「、飛行」がほとんどヒットしない、「、先制攻撃」は「飛行、先制攻撃」以外ではほとんどない、などを地道に検索していって目視していくという作業で突き止めた。
なお一部例外があることもわかっているが、もう構っていられないので無視。Wizardsさん、検索に困るのでルール統一してください。以下はその一例。
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Ebon+Praetor/ トランプル、先制攻撃
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Dragon+Tyrant/ トランプル、二段攻撃
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Bassara+Tower+Archer/ 呪禁、到達
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Vorinclex/ トランプル、到達
一番上のカードは昔だからしょうがないにしても直近の機械兵団の行進ですらあるんですが。。
というかひどいのだと同じカードなのに順番違うのあるのですが。ウィザーズさん!(怒)
また、こういう「プレインズウォーカーからの呪禁」といった単なる呪禁ではないカードも探せなくなるが、こういうのも数が少ないので今回は無視。
あとは被覆や感染といったキーワードが間に入ってきた場合もダメ。最後に入っている場合は問題なし。
例外ばっかりやんとは思わないでください。スペース区切りだと数が多すぎるんよ…
ちなみに防衛は飛行よりも前にあることが分かっていますが、今回のキーワード能力とは関係ないので載せてないです。
なお、"、"で検索するなら《結晶の巨人》も引っかかるのでは?と思ったそこのあなた。残念。付録で話しますが、《魂剝ぎ》や《結晶の巨人》系の記述と保有している常盤木能力の順番は違うのです。なんでやねん
だいぶ遠回りしましたが、上記の順番であると仮定してそれぞれのキーワードを持っている/持っていないを切り替えて"、"でつなげて検索した。
結果
キーワード5個
パイオニアより下で使用可能
《原初の夜明け、ゼタルパ》:
飛行、二段攻撃、警戒、トランプル、破壊不能
《彩色マンティコア》:
飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、絆魂モダンより下で使用可能
《怒りの天使アクローマ》:
飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、速攻
《原初の夜明け、ゼタルパ》は《魂剝ぎ》のお供によく見る。《彩色マンティコア》も絆魂があるのでいいが、ほかが全部《原初の夜明け、ゼタルパ》に含まれているのでさすがに採用はなさそう。5枚目以降のゼタルパが必要ならあるいは、といったところか。
キーワード4個
スタンダードより下で使用可能
《偉大なる統一者、アトラクサ》:
飛行、警戒、接死、絆魂パイオニアより下で使用可能
《陽刃の天使》:
飛行、先制攻撃、警戒、絆魂モダンより下で使用可能
《鋼の風のスフィンクス》:
飛行、先制攻撃、警戒、絆魂、
プロテクション(赤)、プロテクション(緑)レガシーより下で使用可能
《法務官の声、アトラクサ》:
飛行、警戒、接死、絆魂
《廃物製の喧嘩屋》:
飛行、警戒、トランプル、絆魂
飛行、警戒、絆魂ばっかりやんけ!あとはトランプル or 接死 or 先制攻撃か
キーワード3個
全99種。さすがにチェックできない。。。
そこで、破壊不能、呪禁、二段攻撃、威迫といった強力か希少なものを含むものをピックアップ
スタンダードより下で使用可能
クロクサとクノロス: 警戒、威迫、絆魂パイオニアより下で使用可能
エイスリオスの番犬、クノロス: 警戒、威迫、絆魂
造反の代弁者、サムト:二段攻撃、警戒、速攻
速太刀の擁護者:二段攻撃、警戒、トランプルモダンより下で使用可能
ドラグスコルの肉裂き:飛行、二段攻撃、絆魂
希望の天使アヴァシン: 飛行、警戒、破壊不能レガシーより下で使用可能
ロフガフフの息子、ログラクフ:先制攻撃、威迫、トランプル
謎めいた君主、イェンネット: 飛行、警戒、威迫
双頭のヘルカイト:飛行、威迫、速攻
ヴェノムスロープ:飛行、接死、呪禁
こう見てみると呪禁はかなり希少で3種類の中以上もつカードの中でも1枚しか存在せず、レガシー以下でしか使えない。破壊不能も結局ゼパルダ以外では1枚しか持っていないことになりそう。
パイオニア目線だと《クロクサとクノロス》は墓地肥やしと相性よくて《アトラクサ》《ゼパルダ》を釣り上げるのも悪くなさそう。絆魂もゼパルダにはない能力。《速太刀の擁護者》は3マナと軽いのでキャスト自体はできる可能性あり。《造反の代弁者、サムト》も5マナなのでいける?
なお、二段攻撃を持ちつつ、破壊不能 か呪禁をもつカードは紹介していないカードだと1枚だけ存在する。
《信義の神オケチラ》は二段攻撃、破壊不能をもつ。
ゼパルダの代わりになるのか?君は。
総括
キーワードは最大5個のものがあり、3個になるとかなり範囲は広くなる。ただし、破壊不能や二段攻撃は数が少なく、呪禁に関しては1枚のみになる。したがって呪禁以外のキーワードはキーワードが多いカードから接種して、呪禁に関しては単体で取得に頼らざるをえなそう。《魂剝ぎ》デッキで使われている《縞カワヘビ》は墓地に能動的に送れるのでやはりこれになるかなといったところ。
希少な二段攻撃、破壊不能を1枚で補えるゼパルダは結局抜くことはできないが(《信義の神オケチラ》だけにするメリットは低そう)、一方でよく見るアトラクサのキーワード能力は他のカードでかなり補完できそうなのでここは変更してもいいかもしれない。ただしサイド後に素出しして滅茶苦茶にできるプランがあるのはアトラクサのいいところ、といった感じか。
また、《アーボーグの掃除屋》に限定すれば速攻と呪禁さえあれば攻撃誘発時にもう1枚食えるドン!になる。
まさか《岩山鎧のベイロス》が活躍する!?
今は新生化アトラクサとアブザンパルヘリオンがあるので墓地のマークが厳しく、魂剝ぎデッキが何とかなるとは思えないが、いろいろ考えるのは楽しそうだ。
付録:2種類あるキーワードの順番
途中でも書いたが、クリーチャーが本来持っている常盤木能力のキーワードの順番は以下のようになる。
飛行→先制攻撃→二段攻撃→警戒→威迫→到達→トランプル→接死→呪禁→絆魂→破壊不能→速攻
そしてこれは《魂剝ぎ》に記載されているカードの順番と異なる。
《魂剝ぎ》の他にもクリーチャーが持つ能力によって恩恵の受けるカードでクリーチャーが本来持っている常盤木能力のキーワード以外でキーワードが羅列しているカードがいくつかある。どのように並んでいるかを調べた。
残念ながらせっかくまとめたのにスマホから見ている諸氏には小さくて見えないと思う。
google driveに入っているのでリンクしてもいいのだが。。。
土地は土地渡り、プはプロテクションである。
一番上は能力ごとに順番ルールと思われる順に羅列した。赤は記載されている能力を持っており、かつ順番のルール通り。灰色はなし。水色は持っているが順番のルールに沿っていないものである。
この結果から「クリーチャーが本来持っている常盤木能力のキーワード以外」で羅列する形式の場合は以下のようになりそう。ただし土地渡りは呪禁の前にくるか、破壊不能の後にくるか、その間にくるかは決定できない。
飛行→畏怖→先制→二段→接死→速攻→呪禁→土地渡り→破壊不能→絆魂→威迫→プロテクション→到達→潜伏→トランプル→被覆→警戒→共闘
クリーチャーが本来持っている常盤木能力のキーワードは
飛行→先制攻撃→二段攻撃→警戒→威迫→到達→トランプル→接死→呪禁→絆魂→破壊不能→速攻
威迫がかなり前の代わり、速攻がかなり後ろだったりするので、全然違う順番である。普通に考えたら統一したほうがわかりやすいと思うのだが、なぜそこは順番を入れ替えたのだろう。
また、《月皇の司令官、オドリック》が順番がおかしい部分があるのも気になる。他のは全員飛行が最初にきているのに先制攻撃がこれは最初にきている。なぜそこにオリジナリティを出してしまったのか。。。
そのあとにでた《血に呪われた者、オドリック》は名前の通り呪われたくらいアレな能力だったし、オドリック大丈夫か?
表に目を戻すと《魂剝ぎ》以降は比較的コンスタントに出ている。古参にもかかわらず、《魂剝ぎ》は威迫以外、現代のスタンダードセットに収録されている後発組とキーワード能力に差はないので、8年という古さを感じさせない強さがありそう。
プロテクションは統率者セット向けのセットでも入っていたりいなかったりとぶれている。スタンダード向けセットの類似カードには今後も入らなそう。
《結晶の巨人》は他のと違い、他のカードを参照するのではなくランダムにキーワード能力を得ることができる。二段攻撃を得られないのは、二段攻撃を得たあとに先制攻撃を得ても何も起きないことを避けているのかもしれない。
《轟く語り部》も少し異なるが、これはターン終了時までしか得ることができず、攻撃誘発時に付与できる、ということが原因。攻撃誘発なので速攻と警戒は意味がなく、ターン終了時までなので到達も意味をなさない、といったところか。呪禁がつかないのは・・・・ アンコモンだからか?