にじさんじ文化論「ホロライブは最強で最悪のライバル?」
※注意書き
当記事における内容はにじさんじをコンテンツとして捉えた場合の一視聴者目線からの考察です。
「ライバー毎の人気には格差があるけど、どういう理屈でその差が生まれているのか」
「視聴者数を増やすにはどうすれば良いのか」
「コラボを通してどのような経路でファンが共有されるのか」
など私が通常のコミュニティでは発信し難いと感じた話が中心となります。
その為、時には「人気が乏しいライバー」、「こうしないと人気が出ない」といった書き方が一部に見られるかと思いますが、あくまでも個人的なコンテンツ的価値観と考察を行う仮定に付随するものであり、「私の言う通りに活動しないこのライバーが悪い」と言った責任追及を喚起するものではありません。
また文中に登場するライバーについて個人情報に繋がる類の考察は行わず、誹謗中傷やそれに該当するような個人の名誉を傷付ける意図は一切ありません。
「ライバー個々の活動スタイルや配信内容はそれぞれが自由に決めるべきものである」と言う大前提を承知した上で一つの読み物として捉えていただければ幸いです。
四天王、アイドル部、ゲーム部・・・
これまでもにじさんじに対抗し匹敵し得る人気を誇ったvtuberは数多くあった。
しかし、そのほとんどは自爆に等しい失態によって大手の座から容易に転げ落ち、結果的に生き残っているにじさんじが勝利し続けている。
明確な努力によって成り上がったと言えるにじさんじのライバーや、箱の進退を気にして盛り上げようと頑張ったのは一部だけだ。
大半はただ流れに身を任せ棚ぼた的に祭り上げられるを良しとしている。
だからこそ慢心しているとも思う。危機感がないとも思う。
それがにじさんじ文化論における”内部の問題”である。
もう一つ、明確な勝利を手にしているvtuber団体がある。
カバー株式会社のホロライブというグループだ。
にじさんじとは逆の意識を持ちながら、にじさんじを模倣して成功した目下、最大のライバルである。
これまでの文化論(にじさんじへの衰退論的観点)では主に「にじさんじ内部の関係性の腐敗や足の引っ張り合い」をテーマに取り上げてきたが本当の危機はホロライブのような外部にこそある。
にじさんじが如何にしてホロライブに追いつかれて、そして抜かれていくのかという歴史。
にじさんじから見たホロライブの歴史。という目で見てもらえたら幸いである。
~揺らぐホロライブ~
ホロライブが人気になった理由は何であろうか。
優れた3Dや技術力。海外勢の獲得。桐生ココの登場。
何れも理由の一つではあるがにじさんじ視点での核心からはズレる。
これらの理由だけで伸びているのであれば、にじさんじにとってはさして危機感を抱く理由にはならない。
ただホロライブという箱が独自に界隈で人気になりました、というだけだ。
喜ぶべき事である。
しかし、私が考えるホロライブの人気の秘訣はこうだ。
にじさんじを模倣して、
自身達をにじさんじに見せかけて、
にじさんじの優しさに付け込んで、
にじさんじの上を取るという戦略を取ったからだ。
もちろん、あえて悪く言っている。
この後の記事にその理由が書いてある。
初投稿の記事を見てくれると判るが外部とにじさんじの関係性、
それによる対外的な理由による衰退をテーマにした記事は当初から書く予定はあったが、界隈の情勢的に今書いても仕方がないと思った。
カバー、ホロライブはクリーンで有能な運営というイメージが強い。
にじさんじとは特に仲が良いお隣さんだ。
舞元啓介と大空スバルの箱を超えた絆は感動的である。
印象論的な部分でもホロライブはトラブルばかりのにじさんじよりも優位に立っていた。
以前ならば取り付く間もなく、何を馬鹿な対立煽りと言われてしまうだけだろう。
そして何故今なのかという理由はもうお判りだろう。
所属メンバーである夜空メルへのストーカー被害への対応。
いちからが任天堂の著作物に関して、包括的な許諾を受けることに合意したと発表した事でカバー、ホロライブにも一定の不信感が芽生えたからだ。
これを受けてコミュニティ上では、これまでのホロライブのゲーム配信の多くで権利違反、許可のない収益化の指摘が相次ぐ事態となった。
一部ライバーの中には権利を意図的に無視したのでは?と疑われるような言動、SNSでの社員の軽率な発言なども相次いで発見された。
カバーからは数日後、
弊社における無許諾配信の不手際のお詫びと今後の対応につきまして
という公式声明がなされ、任天堂や一部のゲームにおいて無許諾配信を行った事、不適切な発言があった事を認めた。
彼らの姿勢を疑問視する人も増えた今だからこそ、一定の理解と共に冷静に受け取って貰える部分があるはずだと思った。
ホロライブとにじさんじは果たして良き隣人、良きライバルであるか。
だが重要なのは「~だからホロライブが悪い」という話ではない。
私がこれから問題にするのはホロライブの意図だ。
にじさんじに対しての界隈の同業者としてのスタンスの方である。
あちらがそういうスタンスならば、にじさんじはどう対応して今後付き合っていく必要があるのか。という点こそ本題として汲み取って貰いたい。
~優しい隣人、ときのそらとロボ子さん~
カバーのvtuber事業のスタートはときのそらだ。
3Dではあるものの、生放送をメインとした活動はこの時点でにじさんじの先を行っている。
注目されたきっかけは四天王入りを果たした電脳少女シロの生放送がトラブルにより一時中断した事で、同時間帯に放送していたときのそらの配信に人が流れたからだったと記憶している。
その後ニコニコ動画で流行っていたガンダムネタを意図せず拾ってしまった切り抜きによって無知キャラとしてバズり、ミライアカリとの交流やママキャラの確立などもあって黎明期の代表的なvtuberとして認知された。
その後、にじさんじ1期生がデビューする。
静凛はときのそら推しを公言していた。
樋口楓は後にデビューするロボ子さんと親しくなった。
四天王に次ぐスピードで界隈を駆け上がった月ノ美兎はときのそらオルタ(清楚の反転属性)などネタにされ、RAGEのイベントなどで相方となったこの時期は特にコラボ案件を一緒に行う事が多かった。
勢いとしてはにじさんじが勝っているが立場としては下。
にじさんじは一部の界隈ファン、特に3D動画勢のファン達からは「ブームに便乗した後発の2D生主」というレッテルが貼られて快く思われてはいなかった。
現在にまで続くいちから、にじさんじに対しての必要以上のダーティーなイメージはこの頃から引き継いでいる所が多分にある。
にじさんじには人気があったがまだ信用がなかった。
ときのそらには好感度や信用があった。
にじさんじ側も偉大な先駆者と共に歩む事で、界隈に受け入れられるきっかけとなった為、「Win-Winな関係」であったと言える。
思えばカバーはこのコラボやその反響を通じて、にじさんじの人気をつぶさに分析していたのだろう。
次に新人として投入されたロボ子さんは、運営主導なときのそらよりもより生主的なにじさんじに近い放任スタイルで配信を行った。
彼女は数字や人気には無頓着で、打算が見えず、自分の好きなことをする。
人気商売的に悪く言えば意識の低いスタイルで、3D企業勢的なお行儀の良い活動を求めるファンからは失望感と共に見られてしまった部分もあった。
このロボ子さんというプロトタイプはある意味では、今でも最もにじさんじに近いスタイルを踏襲しているホロライブプロダクションの一人である。
にじさんじが好きで今も特に疑問や不満もなく、その上でちょいと外部のホロライブも見たいと思っている人が居るならば一番におすすめしたい。
だからこそ彼女はホロライブ全体の勢いが増していく中でも、人気的には置いてきぼりを食らっている。
ホロライブがみな彼女のような「善いお隣さん」であれば、危機はない。
ではロボ子さんの後に投入されたホロライブのメンバーは何が違うのか。
~にじさんじへの擬態と外交戦略~
ホロライブ1期生。
明確ににじさんじになぞらえて、箱というスタイルを取り始めた。
先発していたアイドル部もそうであったが、これはにじさんじの影響によるものだと誰でも判る動きだ。
この時点でホロライブの運営がにじさんじの事を競合他社として、その成功を模倣しようとして見るのは当たり前の事だろう。
ロボ子さんでカバーは学習した。
演者側もトップのときのそらの停滞、ロボ子さんの不振を尻目に破竹の勢いで伸びていくにじさんじを見て悟ったであろう。
「自由気ままに生配信しているだけでは、にじさんじになれない」
「仲が良いだけの隣人では、にじさんじに追いつけない」
自分達の箱がにじさんじのようになるにはどうしたら良いのかと考えた。
利用して上に立とうとするだけの狡知が無ければいけないと。
この時期にホロライブを象徴する成り上がりムーブを取ったのは白上フブキだ。
作戦は主に2つ。
まず模倣する事。
問題1
白上フブキのマスコットキャラの名前は何であるか?
答え
「おるやんけ」
問題2
白上フブキの口癖は何であるか?
答え
「狐じゃい!」
どちらもデビュー後すぐに生まれた白上フブキのネタである。
これは当時流行っていた月ノ美兎のOutlastでの名言「おるやんけ!」と物述有栖の「JKじゃい!」という口癖が元ネタである。
凄い所はただモノマネをするのではなく、完全に自分のネタとしてしまった所だ。
アズールレーンとコラボした際には、完全に白上フブキのネタとして使われている。
人によっては図々しいとも受け取られるこれらのムーブはvtuber界隈を生き残る為の知恵でもあった。
あたかも自分がにじさんじの身内かのように振る舞う事で、着実ににじさんじファンに訴求する存在となっていった。
もう1つの武器は外部コラボである。
白上フブキの外交力は凄まじかった。
大手から個人勢まで手当り次第に声を掛けてコラボを行い相手のアーカイブに自分の姿を残す事で急速に知名度を獲得する。
Twitterでも積極的にvtuberと絡んで、めぼしい配信があれば自ら顔を出す。
気付いたらどこにでも、「フブキちゃんおるやんけ!」状態である。
白上フブキは狡知に長けた狐であるが、しかしそれはずる賢いというだけではなく企画でのMC役、TRPGでのGMを担えるだけの知識や経験を持っている。
ただのしゃばりというだけでは嫌われて人気には結び付く事がない。
自分を売り込むだけのスキルがあるからこそ取れる戦略だった。
1期生として、彼女の相方的ポジションにある夏色まつりも同様に優れた外交力を持っていた。
にじさんじSEEDsの社築との「27とJK」は後述する舞スバと共に、にじホロの友好関係の象徴となる男女コラボだ。
この二人は今でもさながらホロライブの外交官的な役割を担っている。(ホロスターズと積極的に交流を図っているのもこの二人)
当時のvtuberがバズる為には重要な位置を占めていたのがニコニコ動画の切り抜き。
ランキング上位のほとんどがアイドル部、にじさんじで埋め尽くされているような状況でホロライブの切り抜きはほとんど伸びなかった。
しかし、にじさんじとコラボを行う、にじさんじの名前を配信中に出すことで切り抜き需要は爆発的に増えた。
上記の画像はホロライブタグによるランキングだが。これを見ればそれが判って貰えるだろう。ホロライブタグであるにも関わらず、にじさんじ絡みばかりなのだ。
にじさんじとコラボをすればPV数が日に2万人近い「にじさんじ非公式wiki」にその名前と配信URLが直で載せてもらえる。
夏色まつりが24時間放送をした際には、にじさんじからのCM動画を定期的に流す事でその都度非公式wikiに配信枠への誘導を行うことが出来た。
※これは流石にレイアウトを損ねたのか後日対処されて書き換えられた。
外部コラボから認知を広げ、自分の人気に結びつける。ホロライブや犬山たまき、楠栞桜など今伸びているにじさんじ周辺のvtuber達の大半に必須の戦術。
と、同時ににじさんじが不得手な戦術。
これを持たないにじさんじは外交において一方的に不利である。
ただ利用されている。
何故出来ないのかと言えば界隈でのにじさんじが叩かれやすい環境、ライバー本人の邪魔はしたくないという気遣い、軽率な行動で叩かれたくない臆病さ、箱の強さに甘えた野心の無さからである。
ともあれホロライブはにじさんじを模倣して、にじさんじを見ている層を引っ張ってくる事を意識して活動をした事で成果を上げた。
それでいてにじさんじのようにヘイトを買って身動きが取り難くなる事もなく、虎視眈々と上を目指し続けたのだ。
この成功体験は箱全体に共有され、ホロライブのスタンスをより明確にする。
~関係性の模倣、にじホロの架け橋~
にじさんじとホロライブのコラボ、その関係性を知る上で真っ先に思い浮かぶのは舞元啓介、大空スバルによる大空家だ。
にじさんじ本家から隔離されてコラボが難しかったSEEDsの舞元啓介と、出遅れて伸び悩んでいた大空スバルによる箱を超えた底辺同士のコラボ。
美談として語り継がれるそれは、損得勘定を抜きにした美しい関係性。
にじホロの関係性が今尚、互いにメリットある「Win-Winな関係」なものであることを示す最もらしい根拠。
ただこれは少々過大に受け取られている。
活動に思い悩む舞元啓介のメンタル面を救った事や友情に近い感情が芽生えたのは事実かもしれないが、数字や人気的な意味でならばホロライブに圧倒的に利がある関係だった。
ホロライブが関係を作ったのは同接3桁だったSEEDsの舞元啓介ではなくにじさんじという巨大な箱だ。統合された事でそれはより顕著になる。
舞元啓介を大きく伸ばした原因は大空スバルというホロライブではなく、にじさんじの椎名唯華と笹木咲、OTN組だからだ。
その後に同接が伸びたのは、しぐれういを含めた大空家でのドリクラ配信だがそれもOTN組から企画を持ってきたものであった。
元々、男女コラボの需要層はにじさんじ側にしか存在していない。
「今までホロライブしか見てなかったけど男性vtuberに興味出ました!」という層はあまりいない。(それが居るならばホロスタがもっと伸びている)
そもそも、舞元の配信内容的にも、コラボや他のにじさんじライバーを使った箱企画が多く元からにじさんじを見ている人でないと判らない企画が多い。
ホロライブ側から舞元啓介に流れてくる客はそこまでいなかった。
にじさんじ内部にあった既存の男女コラボ需要を外部の女性vtuberとの間に供給したに留まる。
そのため、この関係の1点張りでにじホロの関係性をお互いに均等に利があるものと吹聴するのは言い過ぎであるように思う。
ホロライブ側(ファンも含めて)からすれば外部コラボを打算やメリットで考えるような意図があったとて、それを邪推されないように思って貰える便利な関係。
明らかにホロライブ側が大空スバルを介して得たメリットの方が大きく、この関係性は最大限有効に使われる事となる。
※ただ大空スバルはにじさんじには所属しておらず、舞元啓介にとっては大空スバルだからこそ生まれた相性の良いコラボでもある。
しぐれういとの関係性も大空スバルからでなければ繋がらなかった。
ホロライブとにじさんじだからこその面白さも存在するという点には留意する。
重要なのはこの繋がりで、舞元啓介から連なるにじさんじの男性ライバー達が”ホロライブ主導の元”、数多くの「にじホロコラボ」に引率されてしまった事であろう。
それまでのホロライブでは弱かった企画力。身内だけでは5000人程度だった、コラボでの人気もにじさんじの男性陣を使うことで一気に跳ね上がった。
「とりあえず女性陣が男性陣を弄っておけば面白い」というにじさんじ側にのみにあった手軽な話題性を外部に模倣されて使われてしまったのだ。
男女コラボというにじさんじファンが大好きな餌につられ、ホロライブのチャンネルに集まった視聴者達はまんまと彼女たちの登録をしていった。
特にvtuber甲子園からホロライブ全体を箱推しする流れは一気に広まった。
椎名唯華という当時の大エースを参加者に含む箱対抗での人気企画の中で、ホロライブは数多くのにじさんじファンの前にその姿を見せた。
今でこそアイドル箱としての認知が強いが、この当時は男女コラボによってさながら第二のにじさんじといった感じの存在感を増していった。
にじさんじファンが大好きな男女の関係性から始まり、箱としての存在感を急速にアピール出来たのだ。
~湊あくあ、模倣の上を行く~
箱としてのホロライブは徐々に認知されていったが、箱を牽引出来るようなソロでの同接が高い強力なライバーは少ない。
にじさんじが個の力でホロライブに明確に負けだした大きな転機がある。
「湊あくあの台頭」
彼女は、「にじさんじキラー」と言っても良い性質を持っている。
私が思うホロライブを体現する者の一人。
彼女の重要な属性はおおよそ、
・コミュ障ぼっちアイドル売りによる関係性上位への接近
・ゲームが上手い(自分の売りを最大限魅せる)
・数字が出る流行のゲームばかりを配信する
・空き巣戦略(配信時間帯の工夫)
の4点である。
この4つで、にじさんじを模倣し、そして上回って見せたのである。
「ぼっちのあくあ」
当時、同期や箱からも一定の距離を置いていた為に陰キャでぼっちなのだと言われていたし本人がネタにもしていた。
だが私はもう一つの意図があるように感じてならない。
それは「身内でコラボをする事に利がないから」という考え方。
自分からアプローチしてコラボを誘うのは関係性でメリットある上位のみ。
今彼女が身内とのコラボが増えたのは馴染んだからではなく、箱自体がコラボするに値するだけの強さを手に入れたからではないか。
にじさんじ内でもそうだが、この界隈での人気商売的には低め合うコラボに参加をして同列に見なされるならば、孤高を貫く方がマシな状況は多々見られる。
当時のホロライブの弱小であった同期や先輩達とコラボした所で、登録者や同接はろくに増えない事は見えていた。
だからこそ別の場所に期待した。
YouTubeの関連動画などに反映されるメタタグにも大手vtuberの名前を入れる。
にじさんじの動画から湊あくあに飛ばされる事が頻繁にあった。
そういう状況を作り上げた。
彼女が鷹宮リオンを中心としたLoL部で出会った一人のライバーが居た。
にじさんじゲーマーズ所属、椎名唯華。
当時のにじさんじで最も名を挙げた、界隈でも特に目立っていたライバーの一人だ。
白上フブキ同伴の元での雪汝を含めた4人コラボが行われる。
「Human:Fall Flat」と言えば副窓で楽しめる定番のコラボ用ゲーム。
所が椎名唯華の配信枠は用意されておらず、離れた組の状況が一切判らなくて不便に思った記憶がある。今思えばそういう事である。
にじホロコラボでのホロライブ枠独占率は非常に高かった。
にじさんじ側の登録者数の方がどれだけ多くても関係がなかった。
これは外部コラボでは、にじさんじ側からはあまり誘うことがなく、外部から誘ってくるばかりという一方的な関係性を表している。
当然ながらチャンネル枠を独占する側の登録者が増え易い。
こんな事はにじさんじライバーも身内での"キャリー文化"がある以上理解はしているはずだ。ただ理解していても、外部に適用して考える程の打算がなく、自分の客を吸われるのみの関係性が頻発する。
癒月ちょこに関してはコラボの量が多いものの、ただにじさんじから登録者を献上しただけに留まった。
コラボで登録者は増えるが同接は増えないという良く見た状況。
継続的な関係性も極限られている。にじさんじファンが好むタイプでもなかった。
しかし、湊あくあは違った。
椎名と次のコラボの約束も取り付けた湊あくあは、継続的な関係性「みなとっしぃ」の構築に成功する。
コラボをしただけではその場だけの登録者が増えるに留まるが、そこに関係性が生まれることで同接に繋がるのはにじさんじを見ていれば判る事だ。
椎名は配信中にあくあの話をする。あくあも配信中に椎名の話をする。
にじさんじ側の椎名の切り抜き師があくあの配信も切り抜くようになる。
椎名が「にじさんじレジスタンス」を企画すれば、あくあも「ホロライブレジスタンス」を名乗った。
白上フブキの「おるやんけ」同様、にじさんじから拝借されたネタは案件にまで使われホロライブ側の代表的なネタとして扱われる。
厚顔無恥と思われる事も厭わない豪胆さこそホロライブの武器だ。
このようなにじさんじで大きな数字を持つエース格と、外部のそうでもない中堅以下のvtuberの組み合わせは珍しくはないが異常である。逆パターンがほぼないからだ。
椎名唯華は典型例だがにじさんじで数字を持っているライバーの中には自身の数字への意識が薄い者が多い。外部コラボでファンが吸われるリスクを全く考慮せず、外部コラボを通じて相手のファンを吸おうと思わない。
ただ仲良しなだけの関係だと思いこんでいる。
外部なのに慕って来てくれて嬉しい。
相手が枠を取ってくれるなら楽で助かる。
お人好しでお花畑が多い。
それ故ににじさんじは今尚、外部に数字を吸われるばかりでろくに外部コラボのメリットを享受出来ていないのである。
現在のにじさんじ側のエースと言えるリゼ、アンジュもホロライブとのコラボでは相手の枠に行く事ばかりで自分の枠独占で行ったことは一度もない。
この椎名唯華と湊あくあの「みなとっしぃ」という関係性で効いてくるのがゲームスキルの差。
あくあの方がゲームセンスにおいて大きくリードしている。
過去のにじさんじ内における男性有利の記事を見ても判るだろうが、ゲームの上手さというアドバンテージは強い。
叶や葛葉とコラボをすれば確実にそっちに人が集まるのは彼らの方がより上手く、より早く新しいステージや攻略法を見せてくれるからである。
湊あくあはある意味ではにじさんじでの叶や葛葉的な存在だ。
APEXやVALORANTなど、彼ら男性陣とのコラボでは同接格差が生まれる。
より上手い人のプレイを見たい。上手い人の配信枠に集まる。
「湊あくあはゲームが上手い。湊あくあが最強。」
というイメージが揺らぐ行為を彼女はしない。
女性vtuberで一番ゲームが上手いのは湊あくあだ。
と思われるような立ち位置を確保するのも上手かった。
そんな湊あくあにも失敗はあった。
渋谷ハル主催の"第二回PUBG最協決定戦"では、にじさんじの「シリンソウ」と共にホロライブチームとしてゲスト枠で招待された。
ここでの結果は奮わなかった。
チームで最も上手い湊あくあはこの頃、椎名唯華に夢中で身内の箱を見ていなかった。
ホロライブは4人揃ってのチーム練習を行わず、大会でも連携が取れないまま大した戦果を上げられずに終わる。
(一方でシリンソウがしっかりチーム練習を行い、PVを作り込んで界隈のイベントを盛り上げようとしたのとは対照的だ。ここでも界隈や外部に対してのにじホロの姿勢の対比が見て取れる。)
湊あくあは学んだ。
そもそもFPSの舞台で男を入れたチームに女性だらけで勝つ事は難しい。
これを境に湊あくあはvtuber合同の大会から姿を消した。
ホロライブの上位ライバーらしくアイドル売りのために、男性ライバー居る場に出なくなった。
ゲームが上手い男性と比較されるような舞台にはそもそも立っていないというアドバンテージ。
男女混合箱だからこそ、にじさんじの女性陣達が意図せずに失っているものである。
どのゲームでも1番は男性で、女性は2番手3番手にしかなれない。
湊あくあよりも上手いvtuberは探せばいるだろうが、だがコラボをしない。
ゲームの上手さが問われるようなフィールドにおいて、大半の女性ライバーは湊あくあに魅力負けをする。
そんな相手と関係性を作ってしまったのが椎名唯華。
FPSで椎名をキャリーする。
ポケモンの大会があればバトルのイロハを椎名に教える。
マリオカートの大会があれば先生役になる。
にじさんじ側の大きなイベントで注目される配信に湊あくあが居た。
みなとっしぃでは常にあくあが上手く教える側、椎名は下手で教えられる側となる。
このようなコラボで注目を集めるのは当然ながら上に立つ側である。
関係性を上手く使って
「あくあちゃんはゲームが上手い」
そう印象付ける事に長けていた。
最近のAPEXでもそれは発揮されている。
ランクマッチのシーズン初期ではマスター、プレデタークラスが下位からスタートするため強い敵と遭遇しやすく勝率は下がる傾向にある。
湊あくあはそれを見越してすぐに乗り込まずに前シーズンのダイヤ到達で一旦休止宣言をしていた。
そうしてあらかた強いプレイヤーの移動が落ち着いてから椎名とコラボをした。
その直後にまたAPEX配信を始める。
動機は「キャリー出来ずに悔しかったから」
椎名が好きでコラボをきっかけとしてあくあを登録したリスナーは今後も見たくなる一言だろう。
”自らの得意分野を最大限発揮できる環境”でコラボ相手のリスナーに自分の凄さを見せつける。
にじさんじが全く出来ない事だ。
自分からは外部を誘わないのだから当たり前。
相手が作り上げた、相手の得意分野の場だけで比較され、そして魅力負けしてファンを取られる。
その後も椎名から”にじさんじとの関係性の旨味”を知ったあくあは次々に模倣した。
配信履歴を見れば一目瞭然だが、リズム天国あたりからはにじさんじで流行ったゲームがあればすぐに便乗して配信を行った。
配信許可はすぐに取れた。
ここは流石カバーと言った所か対応力が違った。
許可を取るのが遅く収益化もろくに出来ない、いちからとは雲泥の差だ。
企画のタイトルや内容、椎名のリアクションや「あてぃし」という特徴的な一人称まで模倣した。
自分をより、にじさんじファンの好みに寄せていった。
そして当然ゲームが上手いがために、同じゲームをしている大半のにじさんじライバーよりも上を行く。
にじさんじがゲーム配信に傾倒していくほど、新しい流行のゲームが生まれる程、彼女の求心力は高まった。
これらをパクリだと一言で言えないのは、根気強く熱心にゲームと向き合って魅せる意識のある配信をするからである。
椎名唯華と関係を作る前のデビュー初期からその努力が伺える。
湊あくあは他と隔絶した唯一無二のキャラクター性を持っているタイプではないと思う。トーク力があったり、語彙力が豊富なわけでもない。
ひたすら工夫と努力の人である。
同じゲームでも耐久配信や変わった縛りプレイなど自分の方により人が向かうように一工夫を入れる。
下手な状態での練習配信を垂れ流しにせず、裏で見せられるまでに上達してから配信をした。
もちろんまとめ動画も出した。
タイトル時点で面白そうと思わせる企画。それに違わない実力を磨いた。
伴わないのは認知度だけだった。
大手の箱でデビューしたにも関わらず、「他の同僚と遊びたいから」、「仲間内で流行っているから」と不慣れなFPSを垂れ流し、何の撮れ高もなく使い捨てるライバーとの間には隔絶した意識の差が見られる。
そして最後は配信時間帯の工夫。
自分をより多くの人に見てもらうために大切な事。
他の強い裏番組がない時間帯に配信することで、集客を確保する作戦。
箱のエース格が平日昼などにも配信出来るのはホロライブの大きな武器だ。
にじさんじに強い配信がないなら、隣のホロライブを見るのも当然。
何故にじさんじの上位ライバー達は、揃いも揃ってゴールデンタイムにしか配信していないのか正直謎だ。
昔のあくあのスケジュールの入れ方はキョロ充的だった。
にじさんじの大きな企画が裏に入れば枠をずらして終われば開始した。
人気の為には恥も外聞も捨てなくてはならない。
空き巣したいんだ、あいつは数字気にしすぎと見られることを厭わない勇気あるずらし。
マリオメーカー2を椎名が配信すればその下手さでにじさんじから人が集まった。
その後の枠に高レート帯の配信をすれば椎名を見ていた人が、「じゃあ上手い人のはどんなもんなのか」と思って湊あくあに集まる。
マリオメーカー2自体にある、世間で流行しているゲームの需要。
更に椎名唯華との関係性の需要。比較による上手さの誇示と証明。
それらを滞りなく自分に向かわせる為の配信時間帯の確保。
こうして2019年の夏を境に、あくあは飛躍的に登録者や同接数を増やし始める。
セール中に叶や葛葉がプレイした事で、にじさんじファンからの需要が高まった直後の「Detroit: Become Human 」を24時間のメイン企画に据える事で人気は爆発する。
この配信でのにじさんじリスナー率(元はにじさんじの配信でしかコメントをしてなかった人達)は脅威の44%とホロライブ率すらも上回る。
にじホロ間でのコラボでもないソロでこの比率ははっきり言って異常だ。
ホロライブの3Dお披露目の同接がいつからか増大していったのも、4期生の桐生ココなどに最初からにじさんじリスナー率が高いのも、この時の湊あくあが吸収したにじさんじ層が生きているからである。
椎名唯華をきっかけとして、湊あくあを介してにじさんじファンがホロライブへと流れた事は疑いようがない。
白上フブキやこの"湊あくあメソッド"とも言えるムーブはホロライブの箱としての性質そのものとなった。
にじさんじファンに訴求するべく、にじさんじとコラボをしてパイプを作り、にじさんじで流行ってるゲームをしたり、にじさんじファンの目の前でにじさんじライバーよりも上手さやその話題性で上を行く。
ホロ枠でにじさんじ含め16人を集めた「ドキドキ台詞選手権」
白上フブキが優勝した。
ホロ枠で個人勢、格箱のトップばかりを招集して3万人の同接を記録した「画伯王」(本来なら笹木咲も呼ばれていたが代理でびでびでびる)
戌神ころねが優勝した。
3万人の前で認知された事でここから急激に彼女の登録者は伸び始める。
不正があったわけではない。最初から勝てる自信がある得意分野のステージで戦ったまでだ。
界隈のレクリエーションだと気軽に参加したにじさんじは気付かない。
にじさんじリスナーを引率して来てくれた場所で、ホロライブはにじさんじの上を行った。
このメソッドを箱全体に取り入れた事で、ホロライブはにじさんじの模倣から、にじさんじの上位互換的な配信者集団へと進化した。
これはもちろんライバーだけではなく、運営単位での話でもある。
絶対ににじさんじの上を取るという強い意向を感じるのだ。
次は運営主導でのムーブを見てみよう。
~ゲーム実況への最適化~
ホロライブが配信者だけではなく、運営主導でにじさんじからの数字や需要を見越して狙って来ている。
そう強く思わせたきっかけがある。
またしても椎名唯華が出てくるが、当時のにじさんじでは本間ひまわりと共に所属するにじさんじゲーマーズというグループが箱の、そして界隈の話題のトレンドという時期がたしかにあった。
そこで誕生したのがホロライブゲーマーズ。
偶然の一致などとは誰も思わないだろう。あまりに露骨である。
明らかににじさんじを意識している。
にじさんじのファンからの登録を見込んでいる。
これらは全うな企業努力、当たり前の戦略であって批判するような事ではない。
ただこれはあまり成功したという印象がない。
新人だけで構成するならまだしも白上フブキを兼任させた意味が判らず、既存のホロライブとの線引が曖昧になってしまっていた。
ゲーム特化と名乗るにしても、前述の湊あくあこそが最もゲーマーズ的な配信を行い、にじさんじゲーマーズからもファンを奪える存在だった事もあってかグループ自体の存在意義が希薄であった。
そこで運営はまた一計を投じる。
追加メンバー二人の投入。猫又おかゆ、戌神ころねの2名。
この2名はにじさんじゲーマーズで人気がある椎名唯華、笹木咲とは4人共に旧知の間柄のようだ。
果たして運営はそれを狙って採用したのであろうか?
更に猫又おかゆに関しては椎名唯華と同じ神岡ちろる氏にキャラクターデザインを依頼している。
ここまで来れば意識していないわけがないだろう。
そうして目論見通りに晴れて椎名とおかゆは姉妹設定ということになり、神岡家としてラジオ企画を行いだした。もちろん、ころねとおかゆは箱内ではさくゆいのようにコンビとして強い関係性売りをした。
椎名唯華を中心に扱うにじさんじメインの切り抜き師がいた。
彼女とコラボをした笹木咲などのライバーも切り抜かれた。
神岡家や、舞スバから徐々にホロライブの切り抜きが増えていった。
そうして6ヶ月前、年末年始の時期には既にホロライブの切り抜きがメインになった。
にじさんじは軽率なコラボを繰り返す傍らで、徐々に切り抜き需要も取られていたのだ。
この辺りからのホロライブはにじさんじゲーマーズの人気を分析して、彼らのような「ゲーム実況スキルの高い経験者」「ニコ生的なノリの配信者」が人気になるという事実に気付いたようだ。
新人の差。
にじさんじが負け始めた分岐点の一つ。
最近のにじさんじが弱くなったと感じられる原因。
私は世間ほどにじさんじが人材の質を理由に負けたとは思っていない。
目指す方向性や得意分野の違い、箱としての戦略的な立ち回りの差で負けた。
にじさんじ側は差別化をしようとしたのか、ただの生配信者で終わるを良しとせずにベンチャー企業らしく先の展開を見ていた。
歌を武器とする新人を数多く採用する事で、ライブイベントやCD、メジャーデビュー、リアルイベントの興行などに繋げようとしたのである。
作曲やMIXスキルのあるライバー、企画力を期待したライバー、ゲーム馴れはしていないがおしゃべり好きなども採用した。
男性ライバーの数も増やした。
恐らくにじさんじはバラエティ豊かな個性を揃える事で、それぞれが多方面へと得意分野を活かして協力する”自活する箱”を目指したのだろう。
しかし、これらの人材は生配信上での人気獲得には向いていなかった。
配信頻度の少なさ、ゲーム適正の無さという不利、久遠千歳の引退。
キャリー前提のコラボ頼り。ソロの弱さ。
どのような得意分野があろうとも配信のメインはゲーマーズと同じ舞台でゲームする事だった。
結局、統合後のエースと目される箱を引っ張ってくれるライバーや、安定した同接を記録したのは「ゲーム実況力の高さをメイン武器とするゲーマーズに近いスタイルのライバー」ばかりだったのだ。
人気のない男性ライバーが女性ライバーに絡むことによる弊害も出始めた。
このタイミングでアイドル売りが機能しなくなった事で、ホロライブ側に向かう流れを更に加速させた。
シンガー系のライバーに関しては歌動画の再生数も高く、今誇らしげに掲げられる売上や各社とのコネクションを考えれば、未来への価値ある投資ではあっただろう。
上位ライバーが生配信で作り上げた人気や、箱自体のブランド力を使って
生配信以外での活躍が見込めるライバー達を外に売り出す戦略。
そのためには、にじさんじという箱の内にファンを閉じ込めて置かなくてはならなかった
にじさんじにとっての誤算は軽率なコラボで箱のファンを外に流出させてしまった事だ。
にじさんじはその花が芽吹くまで、界隈の主導権を維持しなくてはならなかった。
けれどにじさんじ側がそうしている内にホロライブ側は、生配信で人気が出る事が判りきっている「安牌なゲーマーズ的な女性」、「生主的な配信が上手い手練の女性」ばかりを出し続けた。
男性ライバーが増えるにじさんじとは対象的に、より女性的で露出度の高いデザインで攻めてきたなと感じた。
安直ではあるが効果的な、性を売りに出来るようなムーブは3Dお披露目配信などでも遺憾なく発揮される。
チャンスを棒に降るにじさんじの新人に比較しても立ち回りは上手く、1ヶ月程度のコラボ禁止期間もあったようだ。
箱が人気になり出した頃の3期生からは1期2期と異なり、下手な外部コラボを控えて自箱の関係性をアピールする事に注力し始めたように思う。
3期生は主ににじさんじやホロライブが手薄な夕方に配信をした。メソッドが活きている。
にじさんじよりも人数が大幅に少ないにも関わらず、1日の配信回数で並ぶ事も珍しくない配信特化の集団になっていた。
これが明暗を分けた。
にじさんじが未来を目指す内に、ホロライブに今の流れを奪われた。
正直ここまでホロライブと近くに寄り添わなければ、にじさんじは客を奪われる事はなかったと断言出来る。
かつてのライバル、アイドル部がそうであったように、ただ同じ界隈の別の箱というだけでは眼中に入らず、気軽に箱推しを変えるような事態にはならない。
ホロライブというゲーム配信特化、生放送特化、性的な魅力に溢れた新人と比較されるような土台にそもそも立ってはならなかった。
方向性の差があるからこそ一定の不利があり、将来性に賭けたからこそ安易に外部コラボをして客を流すべきではなかった。
しかし得意分野が違うとはいえ、ファンがそれを考慮して待ってくれるわけがなく自分の見える範囲で今面白い、魅力的な配信に人は集まる。
見える範囲にはホロライブがあった。見える範囲に侵入させてしまった。
界隈全体がゲーム実況に傾倒する中で、「ホロライブの新人は当たりばかりで、にじさんじの新人はハズレが多い」
そう思われてしまっても仕方がない状況になった。
箱の話題性を作る為に最も大きなものは新人の追加だ。
それだけにファンは大きな期待を寄せる。期待を違えれば失望をする。
にじさんじ側がバズらない新人を出す失望感と共に、安全策を取ったホロライブは株を上げていったのだ。
同接やアクティブなファンを数多く抱えるライバーの人気が情勢を左右する。
この点で箱としての話題性、風向きは徐々にホロライブの方に向かっていった。
ボイス販売、ライバーの公式スケジューリングサイトの開設、海外向けの現地人オーディション、Minecraftの共有鯖、箱単位での大会企画やライブイベント。
男性ライバーが人気なのをうけてのホロスターズ。
ゲーム部からは3Dアニメ路線、アイドル部の騒動中にMMDの配布。
そしてホロライブプロダクションという統合化措置。
このようにホロライブは後出しで、
"にじさんじや他の大手vtuberが整備した道を走った"
先駆者だからこその失敗を横で眺めながらも、それを避けて成功だけを模倣し、ひたすらコラボで数字が流れるパイプ作りに励んで、生配信に特化した人材を集めることで箱としての人気を確立させた。
そこからはもう最近の話なので割合しよう。
アイドル部の崩壊から、次のアイドル箱はホロライブとなった。
自分たちに流れ込む客をしっかり意識して立ち回る。
これは賞賛の言葉としてだが、ホロライブはファンに媚を売るのが格別上手い。
ホロライブはファンにとって快楽指数が高い箱だ。
ファンがして欲しい、需要あるゲームの配信をしてくれた。
許可が取りにくい珍しいゲームの配信もしてくれた。
異常な配信頻度でスケジュールを埋めてくれた。
BANされるようなセンシティブ方面に寄ったASMRもしてくれた。
スパチャを投げれば終わり際に必ず読んでくれた。
アイドル路線のメンバーは男と接触しないようにしてくれた。
自分の楽しいよりもファンからの需要を優先してくれた。
ファンを楽しませながら、何よりファンを悦ばせた。
その間、にじさんじのライバーはホロライブに対して何の対策を取ったか?
競合他社の成功を見てどうしたのか。
何も特別な事はしなかった。
恐らくホロライブに対しても危機感を覚えなかった
隣の箱に比べても伸び悩む新人や下位ライバーは裏で遊んで楽しい。
オフで遊んで楽しい楽しいと言っていた。
男女のライバー同士で仲の良さを見せつけたり、不快感の高いライバー、人気のないライバーとのコラボで好感度やアイドル人気を捨てた。
ファンを楽しませる事と、同僚のライバーと楽しむ事を混同した。
それ所か目に見えてファンが奪われるのを全く気にせず、相手のチャンネル枠だけでの外部コラボも相変わらず行った。
にじさんじとして人気がでなくても、外部からチヤホヤされれば嬉しかった。よくわからない同接100人程度の個人勢とコラボをしても危機感は抱かないようだ。当然そのライバーから人は去った。
みんなで同じゲームばかりをするものだから葛葉や叶ばかり見ていた。
共有鯖でのトラブル、伝書鳩などでコミュニティは荒れていた。
ライバー同士の仲の良さが強まる程に、受け入れられないファン同士の仲は悪化した。
椎名唯華、笹木咲、御伽原江良などの上位ライバーも配信頻度が減った。
何故配信しなくなったのかわからない不穏さがあった。
運営規模での大きな炎上があったわけではないのに積もりに積もった不平不満。
ファンはにじさんじの配信を見ることにストレスを感じる事が増えたのではないだろうか。
恐らくライバー側もストレスが蓄積され、モチベーションの低下が激しかった時期だ。
お互いにピリついた空気があった。
~vtuber界のオアシス、自浄作用の喪失~
対してホロライブ、そしてカバーの評判は良く順調だった。
アイドル部を失い彷徨っていた人たちにとっての最後のオアシス。
にじさんじの環境を苦々しく思う人達や、トラブルの多さやストレスから逃げてきた人の受け入れ先。
かつて「アップランドは有能、生主集団にじさんじとは違う。」などと言われていたのと似たような嫌な全肯定感を感じ始めた。
しかしそれは、先のアップランドの例に漏れず、先頭を走るにじさんじをヘイト避けの盾にしながら決して矢面には立たず隠されていた。
昔あったREARITYでの案件イベント「建築王」など大きく荒れてもおかしくない状況でも問題化はしないというだけだった。
抽選で当たったリスナーとVtuberチームが同じ鯖で共同で建築を行う大規模マイクラ案件
↓
他のグループは初日から集まっていたが、公式生実況もあるのにホロライブチームだけが誰も集まらない
↓
他のグループはvtuberとリスナーが仲良く交流しながら作業を開始
↓
一人ぼっちになっていたホロリスナーは何の指示も仰げず、待ちながらも整地を進めることに
↓
ホロメンバーは別案件中の白上フブキを除いて対応できそうだがスルーしていた
↓
メンバーは誰も来る気配が無く、楽しそうな他箱と比べてリスナー達の悲愴感が浮き彫りに
↓
異変を感じたのか、まつりは案件について会議済みだと答える
↓
対してミオは会議していないと返答、リスナーに「そのまま整地して」とだけ頼んで寝た
↓
リスナーはいつ終わるかも知れないままほぼ一人で10時間近く作業することに
↓
まつり「案件は明日メンバー4人が揃ってからやる!ナイトプール行きたい」
↓
騒ぎを見たのか深夜に大空スバル登場、メンバーは参加できたのに放置していたことが確定
↓
5分でログアウト、まつりと明日揃ってからやると言い残す
↓
2日目、特に謝罪もなく放送が始まる。
↓
まつり「カメラ外で作業してた」←他箱の定点カメラによりログインしてない。
↓
ろくに交流も図らずミオ、リスナーの整地した場所を破壊
↓
リスナー「力になれなくて申し訳ないと謝る」
今思えば案件にも関わらず運営、内部で連携が取れていないこの事件は1つの予兆だったのかもしれない。
第二回PUBG最協決定戦もであるが、普段の配信意欲とは売って変わり、明確に自身のお金や数字に結び付かないであろうイベントでのやる気の無さは感じ取れた。
白上フブキの箱のトップにしてはあまりにも危うい発言や、運営視点に寄った対応なども今に始まったことではないがただ見過ごされていた。
箱全体が銭ゲバ気質で収益化可能な配信が多い事も、にじさんじ側が配信を躊躇するタイプのゲームを気軽に配信していたのも昔からだった。
だが口をつぐんだ。
ホロライブは運営もライバーも、数字や金銭を得るための意識は格別高いものを持っている。それが今のにじさんじとの差を生んだ。
ただその一方で、糾弾されない立場だからこそ根本的には迂闊なまま、ろくすっぽ批判の目に晒されずにいた事で、リテラシーや倫理観を犠牲にしてしまったようにも思える。
模倣して上を取ることで増える数字や投げ銭があると知ってしまった。
止まれない。
もっと上を取らなくてはならない。にじさんじが出来ない事をする。
にじさんじがダメで、ホロライブはOKという例も数多く見かけられた。
マイクラの共有鯖での運営管理などもその一例であろう。
にじさんじ側の管理者ドーラが鯖を停止して、にじさんじがマイクラ配信を出来なくなったその期間中に、丁度ホロライブは運営管理でのリスタートを宣言した。
※このメンテナスと称したにじ鯖の停止には、Minecraftゲーム内において発生した通称「竈事件」の犯人探しの為の期間も含まれていたと後日発表される。
にじさんじ側がライバーのドーラに任せて、運営管理で鯖が立てられない理由についても様々な憶測があったが、その一つが営利目的で法人が鯖を立てる事がMinecraftの規約的にどうなのかという話。
現在、時を経て鯖の管理はいちからへと委譲されたが、いちからの権利関連での慎重さを加味するとグレーゾーンならば石橋を叩いて渡る。という姿勢がこれにも反映されていたように思われる。
ななしのよっしん2020/05/05(火) 10:01:08 ID: pmo1Y9qX/p
>>425
今言うわけじゃないけどなぜにじ鯖の運営を企業管理できないかって話が出た理由の規約が出た時期にマイクラやってたからちょっと書きたい
この規約が日本で初めて騒がれた時より前は今よりニコ動が活発な時期でニコ動公式が超会議とかの前にマイクラで有名な実況者や生主を集めて大規模建築してイベントの前夜祭みたいなのをやってたんだよね
それを何年かしてたある時にMojangの人が来日するって話が来てニコ動で呼ばれてたマイクラ実況者の人で英語ができる人が通訳として何人かとMojangの人と話たりしてたんだけどその中で騒ぎになる規約の話が出たんだよね
その話が出た後その実況者を通じてニコ動の運営や同じ実況者を通じて話題になった
当時のMojangの人の言い方的に「有料コンテンツの宣伝目的でマイクラの使用は実は違法なんだよねー」的な感じだったはず
これ以後ニコ動公式でのマイクラ企画は消滅したし当時ニコ動にはチャンネルができたぐらいでチャンネルの有料コンテンツでマイクラの企画や鯖に入れるって事をしている人がいたからそれはどうなんだ?って話にもなった
その後は個人は大丈夫みたいな感じになったけど金銭が発生する企業対個人はうやむやになってそこの認識が曖昧のまま数年間が過ぎてVtuberが流行る
この曖昧の物が企業が鯖運営できないって話に発展したんだと思うし自分もそう思ってた
ニコニコ大百科「かまど事件」コメントページより抜粋。
しかし、見ている大多数がそんな事まで深く考えるわけがない。
「にじさんじは今マイクラが見れないけど、ホロライブなら見れるからあっちに行こう。」
「にじさんじの運営はライバーのドーラに負担を押し付けてケチ臭い」
「運営が鯖を管理してくれるホロライブは素晴らしい」
これまでの数々のムーブを見ていると、ホロライブ側がそういった需要を狙っていないとは言い切れないだろう。
運営はにじさんじで話題になっていたエクス・アルビオのマイクラでの撮れ高まとめを見せる事で共有鯖内での立ち回りをも学習させた。
この”空きを付いて出し抜く”が如きマイクラでの戦略は成功した。
にじさんじには出来なくて、ホロライブだけが出来る状況は美味しい。
ホロライブは運営もライバーも人気を得るために暴走していった。
ファンからの自浄作用の弱さもあった。
薄々は気付いていた人もいただろう。指摘する人も中にはいた。
しかし彼らの声は届かない。
立ち止まり人気に水を指してしまうよりも、より楽しい配信が増える事の方が大事だ。
ホロライブは止まらない事で人気になった。
~止まれないホロライブ~
ホロライブがどれだけにじさんじを観察して、分析し模倣して来たのかは今の強いホロライブだけしか知らない人には遠い昔話だろうか。
それこそARKにおいては、にじさんじがパクった側なのだと言う印象も強いかもしれない。(本間ひまわりがそれ以前にやっていたとて)
この手の界隈、お互いにパクりパクらでやっていくものさ。
と私も思う。
その上で今最も判りやすい、「アイドルマスターシャイニーカラーズ」の件を比較して最後の〆に入ろうと思う。
本当の意味で先に配信していたのは、ホロスターズの夕刻ロベル。
当たり前だがホロライブは誰も続かなかった。
ロベルさんを見て始めましたなどと名前を出して良いのは、白上フブキや夏色まつりなどのメンバーに限られていた。数字が出ていない配信は模倣するに値しない。
次はにじさんじの月ノ美兎が配信をした。
このタイトルは何年も前から申請をしてようやく許可が降りたタイトルであり、配信は許可されたものの収益化はオフにされていた。
元来テキストベースのゲームとは相性が良く実況力を存分に発揮した。
アイマス古参オタクである彼女のこの配信から同タイトルがvtuberの間で流行ってる事について、シャニマス界隈でも少なからず好感と共に話題になったようだった。
それを見てわずか3日目で模倣を開始したのがホロライブの面々である。
天音かなた、角巻わため、湊あくあ、紫音シオン、夏色まつり、桐生ココ、さくらみこ・・・。
そのうちの何人かは「にじさんじの委員長がやってたから」というリスペクト精神あふれる理由だ。
委員長をきっかけに広がったシャニマスの波であるにも関わらずその委員長とは異なり収益化をオンにしながら、無料分のガシャだけを回して投げ銭を得て終わるといったパターンも多かった。
流行りに飛びつく嗅覚の鋭さ、お金の為ならば躊躇をしないそのスタイル、数字が取りにくいゲームパートへの損切りの早さ。
私がよく知る実にホロライブ的なムーブであり、だからこそ今にじさんじを上回る事が出来たのだと思っている。
一方で他のにじさんじの面子と言えば、神田笑一、山神カルタ、雪城眞尋、ニュイ・ソシエール、シスター・クレア、葉加瀬冬雪、エルフのえるなど。
正直、月ノ美兎以外はそこまで数字が出ていなかった。
タイトルにガシャと入れた枠は少なく、ゲームパートやシナリオを楽しんでプレイしているだけな事も多かった。
同シリーズ好きであるリゼ・ヘルエスタや御伽原江良などの上位ライバーはあまり手を出さず、にじさんじ発のブームなのにホロライブの方が上手く使えてるなぁという印象もあった。
このように許可が必要であるはずのゲーム配信、他箱のブームをすぐに模倣する事はホロライブでは珍しくない。
にじさんじでは全員で収益化をオフにしているタイトルでも、ホロライブでは全員で収益化をオンにしている光景も馴染み深いものである。
あまりに界隈の当たり前の状況すぎて、この事に対してあまり疑問を抱かなくなっていた人も多いだろう。
「ただいちから側の許可取りが無能で、カバーが有能だった。」
「ホロライブが賢い。」というだけの解釈で片付けられた。
実際、月ノ美兎は収益化が禁止だからスパチャを付けなかったのか。それとも許可されているがあえて付けていないのかは正確には判らない。
ただ判らないならば付けないという選択を取るだろう。
グレーゾーンならば安全策を取る。
仮に収益化が許可されていても付けない事がままあるライバーだ。
自分がそのゲームをしたいから選んだ。
許可が貰えて配信が出来るだけで十分であるという姿勢。
このタイトルを配信していたにじさんじのライバーは、全て月ノ美兎と同じく収益化を切って配信をした。
ホロライブではただ配信をするだけでは不十分。数字やお金が必要だ。
全員が収益化を付けて配信をしてガシャをする。
収益化して良いのかわからなくてもリスナーに聞いてOKなら付ける。
他のホロライブのメンバーが付けているからいいやの精神。
ファンもそれを疑問に思わない。
赤信号みんなで渡れば怖くない。ファンも含めて止まれない。
このタイトルでの配信は、にじさんじとホロライブの体質の差を端的に示している。
問題はゲームの権利者との間だけのものではない。
これほどの人気を手にした実況者、集団はコミュニティへの影響力を持つ。
「よくわからないけど俺たちの好きなゲームをゴタゴタに巻き込むな。」
シャニマス界隈でのvtuberの評判は悪くなった。
~厄介な同業者~
ここまで私はホロライブの方がにじさんじよりも優れている比較を数多くしてきた。
これらを踏まえて任天堂といちからが権利物についての包括的契約を結んだ事で起こったホロライブへの疑惑と、それに伴う私のホロライブという存在への言いようもない不快感を言葉にしよう。
ライバーの意識の差、モチベーションの差。
にじさんじは100人も居るがみんなしてゴールデンタイムの数時間に詰め込んで被せまくる。
昼の配信スケジュールは26人のホロライブと大差がない。
上位ライバーの配信回数からして違う。
あっちは1日に2回行動も当たり前だ。
何故そこまでモチベーションに差が出るのか。
ホロライブの方が儲かるからだろうとは予想出来た。
何故儲かるのか。スパチャが投げられるからだ。
何故そこまでスパチャが投げられるのか。
収益化がOKなゲーム配信が多いからだ。
投げ銭という文化は習慣付けられる事で誘発されやすくなる。
「この時には投げる、この時には投げられない。」ではなく、ホロライブならばいつでも投げられるという環境は確実に強みだったはずだ。
にじさんじとホロライブを兼任して見ていたとて、にじさんじでは投げられないゲームでもホロライブの枠でならば投げられたのである。
騒動を知って今一番にケチが付いたのはここかもしれない。
ホロライブが誇る投げ銭の多さ、儲かる箱というイメージの根源にあるのはアイドル売り路線や外資だけが理由ではなかった。
グレーゾーンでも収益化をオンにして確認を取らずに行う配信の多さに起因する所があった。
それならばホロライブは他の箱よりも稼ぎが多く、配信意欲が高い集団にもなろう。
もう1つはゲームの選択肢の広さにあった。
にじさんじが同じゲームばかりをする隣で、ホロライブは著作物への意識のずさんさから多種多様な選択肢のゲーム配信を行えた。
戌神ころねの最近の配信履歴を見ても驚く。
明らかに許可を取ることが難しい、そもそも連絡が付かないような会社のタイトルが並んでいる。
配信ではあまり見たことがないようなレアなゲームを配信している、という話題性は強かった。
日に3000人も登録を伸ばすようになった彼女はそのゲームチョイスの異端さも売りとなっていた。
その面では同じ深夜枠、耐久、レトロゲー、鬼畜ゲー枠として配信ジャンルが被る処があった鈴原るる等の上を行ったように思う。
実際、戌神ころねの人気が出始め、耐久鬼畜ゲー路線をやり始めた当初は似たようなゲームもしていた。
これもホロライブお決まりのいつもの事だと思った。
別ににじさんじ側も真似をすれば良いだけなのだから対等だろう。と
その後、鈴原るるがやりたいゲームのラインナップを上げて、まだ許可が取れてないと残念そうに言うのを何度か聞いている。
一方で途中から戌神ころねが大きく差を付けた。
「これさアーカイブが消されたら消されてもいいようにハジケよ、どんどんハジケて行こうもう消されてもいいよ」
「リスナーとアウトかどうか、怯えながら配信するのが楽しかったです」
「権利大丈夫じゃなかったら消されるだけだよ。大丈夫じゃなかったら消されまーすw」
私は同じ界隈のお隣さんだからこそ、ホロライブにはにじさんじに勝る部分がある事を見出していた。
運営も、ライバーも”高め合うライバル”としてお手本にして欲しい所があると思った。
それは今でも変わらない。
だから今回の件では失望した。
ホロライブの強みで、見習って欲しかった部分の多くには、法定速度を守らない事で注目されるかの如き”「意図的なバレなきゃ良い精神」によるアドバンテージ”が存在していたという事実に。
【23万人記念】えーちゃんと嬉し楽しいお泊まり雑談~♪
社員A「(権利が厳しい画像)どこまで載るかやってきますか」
ライバー、社員A「どこまで載るかゲーム」
リスナー「チキンレースw」「危ない危ないwww」
ライバー「これでBANされなかったら大丈夫でしょ」
社員A「アッハハハハ、たしかに」
社員A「コラボしてんじゃんアンパンマンと」
ライバー「大丈夫じゃないこれで様子見よ」
社員A「いけるんじゃないんですかねぇ」
リスナー「どういう状況?」
ライバー「さっきBANされたから~」
社員A「(ライバーが)さっきBANされたから挑発してますwYouTubeさん、挑発してますよw」
他社の箱が一定のルールを守る事や、誤ってルールを無視したならば社員からお叱りを受けて反省をする事で、半ば制限付きの縛りプレイ状態になった中、恐らくそれを知りながらも箱として上を取ろうとした許容範囲を超える狡猾さがあった。
許可が取れない、収益化が出来ない。
そういったにじさんじの不利や不穏さを最も顕著に示したのは笹木咲だった。
笹木咲は大人げなく身勝手だ。
いくら任天堂狂いにしても執着しすぎである。
数多くのファンに期待され、案件も抱えるライバーとしてはあまりにも不安定で不義理な活動。
にじさんじという箱は彼女のような上位のライバーが引っ張り、下位ライバーはそこに甘えている。
とは言っても彼女のような上位ライバーの姿勢にも問題は多い事は、何れこのNoteでも指摘したかった。
何故すぐに配信頻度が死んでしまうのか。
何故、お隣のホロライブのようにモチベーションを保てないのか。
何がそんなに気に入らないのか。
拗ねるにしても大概にしろと。
真実は判らないが、6月1日から元気に配信している姿を見れば任天堂の収益化関連で揉めていたであろう事は想像に難くない。
ホロライブゲーマーズの旧知の仲である戌神ころねがいろいろなゲームの配信をしているのを見てどう思っていたのだろうか。
今年の2月になって初のコラボでお泊りをしている。何か話したのだろうか。
猫又おかゆが任天堂のゲームをも次々と収益化しているのを見てどう思っていたのだろう。
「お隣さんは羨ましいな」と思ったのか。
「何故、自分の所属するいちからはカバーのように任天堂の許可が取れないのか」と不信感を覚える事もあったのだろうか。
ホロライブや知り合い達の事は何も思ってないのかもしれない。そういうお花畑がにじさんじ的だ。
だが私はここに至り、ホロライブの事を卑怯だと思った。
大人げなく責任感が無いという印象は変わらないが、同時に笹木咲は哀れだと思った。
ライバーに代わってというのは大げさだが、義憤に近い感情もある。
にじさんじを模倣して同じ名称を使い、同じネタを使い、旧知の人間を採用してコラボさせ、視界に必ず映るお隣さんがホロライブ。
にじさんじの優しさに付け込んで、あれだけ向こうから似せ、箱の垣根を超えて来たのだ。
ライバーもファンも箱をまたぎ、兼任して見る機会が増えたからこそ比較して見て、語り、選び、投げる、当然の環境がそこにはあった。
「カバーはいちからと違って、許可取りがスムーズで素晴らしい。」
「いちからは無能。社員は遊んでいる。」
「ホロライブはにじさんじと違っていろんなゲームを配信してるから楽しい。」
「同じゲームばっかりするな。」
「レトロゲームが好きなあの子はホロライブに転生して良かったね。」
「ホロライブの方が待遇良いから○○も移籍しようよ。」
そういう風評がなかった、とは言えない。確実にそれはあった。
にじさんじのライバー側もこれを気にしてなかったと言えるだろうか。
その影響からモチベーションの低下、運営不信やトラブルに繋がった可能性もあるかもしれない。
これらの比較による風評までを含めて、ホロライブ側が戦略的にグレーゾーンを突っ走っていたかどうかは定かではないが気付けたはずだ。
にじさんじには出来ないゲームがある。
自分たちは最初から許可を取らずに配信しているタイトルがある。
カバー「任天堂の著作物には法人ではなく、個人用のガイドラインを適用してました。テヘペロ」
ならにじさんじが収益化を付けられないのを何だと思っていたのか。
にじさんじはマリオカートの大会後から全ての収益化を外し始めた。
ずっと模倣して来たからこそ気付いたはずだ。
ホロライブはあつ森では最初、収益化を切っていたのに一斉に付け始めた。
運営はどこに許可をとって、どういう意図でライバーに伝えたのか。
何故許可をしたのだろう。
にじさんじは付けられないままだった。
あつ森という人気作、視聴者参加型でゲーム内でも貢ぐようなシーンは作りやすい。投げ銭をするならホロライブの枠でする。
それに気を良くしたのか
運営は持て囃されて、自分たちだけが得をする環境。
むしろ美味しい状況だと思ったのだろうか。
ホロライブとにじさんじは会社単位ではただの仲良しでないことは判っている。
出資元から噂される諸々の企業の繋がり。
界隈メディアでのグリー、gumi陣営の贔屓とにじさんじへの冷遇。
VICON導入時のカバー社員からの皮肉的なにじさんじへの反応。
業界関係者達の迂闊でヘイトの籠もった発言。
ライバー単位でも仲良しもいれば、一方的なコラボへの誘いと関係性には打算が透けて見える信用ならない部分もあった。
ただそれは"同じ業界でパイを取り合う競合他社"という以上、当たり前の事として許容して見る事が出来たのだ。
相手と同じ事を出来ない、上を取れないにじさんじが悪いのだと。
けれどこれには界隈での不平等さを感じてしまう。
ホロライブと同じことをしない事でにじさんじは不利になっていた。
いちからは無能のそしりを受けながらも耐え続けてルールを守ろうとした。
そしてこれは意図してかはともかく、界隈の為にもなっていた。
vtuber界隈の窓口的な存在となった企業所属の配信者が「権利侵害してたとしても楽しければOK」「権利気にして配信したらつまらない」などと何万人もの前で言って億に匹敵する額を稼ぎ続ければ印象は最悪だ。
それを見たリスナーは、別の配信者に対して「あのゲームをやって欲しい」「これはあの人がやってたし収益化OKだよ」などと吹聴し始める。
どのみちグレーゾーンは許されず締め付けは厳しくなる。
にじさんじがこの件でホロライブに追従していた場合に行き着く先は、際限のない話題性の追求のためのグレーゾーンのチキンレース、諸共の崩壊であった。
いちからのせいで、制限が掛かったのではない。
あの4社の中にvtuber企業がない状況になれば模倣する先がなく絶望が広がった。
仮にいちからがあの4社の中に無かったら、ホロライブが批判の的にされる事はなかった。
それは事実だろう。
だが批判されない事で、実際に訴えられるまでは任天堂のゲームを収益化をオンにしたまま続けていた可能性が高い。
後になればなるほど、より大きな問題に発展した。
むしろvtuber界隈全ての印象を悪くする前に生き残る道が見えたのである。
ホロライブはまたも、にじさんじを模倣すれば良いだけだ。
結局の所、数字やお金以前の根っこの部分でホロライブは上を取れてはいなかったのかもしれない。
にじさんじが七難八苦で前を歩いて道を作り、その整備された後に成功を模倣して美味しい所を獲るのがホロライブ。
という関係性は今後も継続していくのだろうか。
~最後に~
タイトルを「ホロライブ衰退論」にしろと思う人もいるかもしれない。
だが私はこの件でホロライブがそこまで衰退するとは思っていない。
ライバー個人の人気に関してはほぼ影響しないだろう。
ホロライブ側が数字への意識が高い集団なのは変わらず、今のにじさんじのライバーが数字への意識が低い集団なのも変わらない。
ホロライブのライバーは人気を得る為に頭を使う習慣がある。
そうして成り上がった実積がある。単純に実力がある。
いくらでも手段を思いついて実行する。
この程度の不祥事による信用問題だけで逆転する程弱くはない。
そうして人気で負けるというだけであれば良い。
ただホロライブが同業者である事には不安が募る。
「にじさんじの成功を良く観察し、模倣して利用しようとする」
「明確に数字を奪いに来る」
「話題性で上を取る為なら手段を問わない」
にじさんじにとって、この箱と隣人である事は脅威的だ。
ライバーやファン、権利者に対しては謝罪の気持ちがあったとしても、界隈や同業者に対してはどうだろう。
このような狡知に長けた同業者に対して、にじさんじ側はろくに警戒もせず相変わらず優しいだけだ。
それこそ、この件でホロライブ側の客足が減るような事があるとすれば、彼らはまた外部コラボを増やして、にじさんじから数字や金を吸おうとしてくるはずである。
この記事は対立煽りと取られるのか。
今回の件があっても、にじホロ間の関係を何も思わずに見ていられる者は幸せだ。
私や誰が扇動しなくてもこのスタンスの同業者とのファン同士の対立は避けられなくなるだろう。
この件に関してもどっちがどれだけ悪いのか。にじさんじにもグレーゾーンのアーカイブがあるんだと、発掘し合って泥沼のどっちもどっち論に持ち込まれるのもまた迷惑。
掘られて困るような過失がにじさんじ側にあるから"ではない"
探せば普通に収益化禁止なタイトルでのスパチャや、権利元と連絡が取れないと思われるゲームのアーカイブは見つかるだろう。
ただ、にじさんじ側のそれらには”同業者を出し抜こうとする意図”が伴っているようには見えない。
先駆者だから地雷を踏んだ。うっかりやミスから生まれるものが多い。
優位に立つために意図的に破らせる。真実を隠すといった事はしないだろう程度の信用と謙虚さがこれまでの痕跡に見て取れる。
だからこそ一時的に不利な期間を背負ってでも信頼と契約を選んだのだ。
その姿勢がこれまでの痕跡から見えず、逆を行くからこそホロライブは批判に晒されたのだ。
違反行為を責めて叩くファンもアンチも、ホロライブのそれよりは遥かに多く立ち止まるのは早い。
ライバーはモチベーションの低下を伴うような自粛を行って配信頻度にも影響する。
戌神ころねがにじさんじならば恐らく一時休止している。
今後似たような件があってもドンパチやりあえば先に疲弊して倒れるのはにじさんじだろう。
私はそれだけホロライブの図太さと計算高さを信用している。
数字とお金があれば耐えられるライバーが多いのを知っている。
トップになるためならば、界隈全体への風評被害も辞さない姿勢。
どっちもどっち論の泥沼状態になっても勝利する。
だからこそ、
にじさんじ文化論「ホロライブは最強で最悪なライバル」なのである。
お花畑なままのにじさんじでは太刀打ち出来ない。
負けるのみならず、ファンを奪われて、同じ界隈だからと風評被害に巻き込まれる。
にじさんじはさながら、界隈の養分である。
関係悪化でにじホロ間のコラボが減ってしまうか心配だろうか?
心配しなくて良い。確実に減らない。
にじさんじの大半はそれを気にして断れるだけの、人気商売への優れた意識と嗅覚を持っていない。
ホロライブを含む外部からは誘ってくるし、にじさんじは誘われたら断らない。
また比較対象になる。
ホロライブの方が上と言われる未来が見えている。
外部だけがそれを見越して立ち回る事が出来る。にじさんじには出来ない。
お互いにただ仲が良いだけの関係があるのも判っている。
全部が全部打算にまみれたものではないだろう。
ライバー側が承知の上で付き合っているのだから外野が文句を言うなと。
だがライバー側が近い距離だからとホロライブの方を見て、「お隣の箱は羨ましい」、「なのにいちからは」とヘラるような状況が生まれるならば、この箱とは一定の距離を置くべきだ。
界隈の同業者というにはあまりにも距離が近付きすぎた。
弁えるべきである。
そんな姿勢ではにじさんじ側にはマイナスしかなく、個人の問題では済まず箱全体にも不安や不信感は伝搬する。
ホロライブや界隈の外部もまたにじさんじに甘え続ける。
界隈のヘイト役をにじさんじに任せて美味しい思いをしようとする。
それが簡単にできてしまうと思わせる、卑屈で奥手な性質がにじさんじにはある。
このような不平等的な関係性はお互いの為にも良くない。
お互いが高め合うライバルになるには、外部からにじさんじへの目がただの友好的なものだけではないと意識して、競合他社という自覚を持って対等な存在になるべきではないだろうか。
2020/06/28 06:24
よくまとまった記事で勉強になりました。
これからどうなるんでしょうか。
心情的にはにじさんじに巻き返してほしいのですが、ホロライブの勢いは止まらないような気がします。
この記事は長くなり過ぎたので、ホロライブとにじさんじの今後に関わる記事を近いうち投稿します。
▼私が過去に投稿したにじさんじ文化論へのリンク▼
・にじさんじ文化論「馴れ合いの増加、低め合う関係性」
・にじさんじ文化論「ライバーとしての自覚の無さ、優しさという武器」
・にじさんじ文化論「男性ライバーの活躍と女性ライバーの弱体化」
・にじさんじ文化論「新人は男性3人組。アイドル売りの難しさ」
・にじさんじ文化論「イベントや案件中心の是非。ゲーマーズ人気の環境」
・にじさんじ文化論「炎上の予兆。好感度の大切さ」
※追記
にじさんじの新人男性ライバー、甲斐田晴がホロライブの星街すいせいの名前をTwitterで出しただけでも叩かれた事がある。
星街すいせいがアイドル売り需要の強い外部のライバーだからだ。
男性からのアプローチはデリケートな問題になっている。
実際には星街すいせいのファンだけではなく、甲斐田晴のアンチが叩く口実にしていた面もある。
ともあれ甲斐田晴(にじさんじ)は叩かれて止まった。
ホロライブの女性ライバーとのコラボなど以ての外。
にじさんじが今の勢い付くホロライブの人気を利用する事など出来はしない。
対してホロライブ側は止まらない。
ホロスターズ3期生の新人で絶賛売出し中の月下カオル。
白上フブキを思い出す手当たり次第の外交を行っている。
彼は以前、ホロライブ3期生の角巻わためと交流を図ったことで所謂ユニコーンが暴れて少々火種になった。
荒れそうな気配のある身内からはそれで一線を引くだろう。
潤羽るしあや湊あくあなどには反応をしない。
しかし一方で、外部に対しては何も配慮をしないし顧みないだろう。
御伽原江良はにじさんじではあるが男性コラボをほとんどしない。
Twitterでエゴサして見ても彼女の今の熱心なファン層が外部の男性との交流することで好感度を損なうような可能性が高いのは判りきっている。
月下カオルは積極的に自分からフォローをして、フォローをし返さえたらあいさつ回り。
相手がどんなファン層を抱えるかなど全て精査出来ているわけがない。
百合営業をしている外部だろうが構わない。
箱の方針として自身も男絡みを極端に避けているハニーストラップの周防パトラ相手にも軽率に売名していく。
自分の名前を売るために月下カオル(ホロスターズ)は止まらない。
ホロライブは外部をどうとでも利用しようとする知恵がある。
ホロスターズを伸ばすために、無関係な人気ある男性vtuberを未だにメタタグに入れる事もただの戦略としか思っていない。
私もこれらのメタタグの付け方だけでとやかく言うつもりはない。
ただただ不義理。モラルを欠いた集団というだけだ。
友好的な仮面を付けて同業者に近付きながらも、その裏では打算にまみれた本性を持っている。
という事を示す材料の一つでしかない。
大空スバルが企画したホロライブ社員へのアンケートにて、社内で好感度の高い外部vtuber1位は舞元啓介だと発表し、良き友人だとアピールをしていたが実態はこれだ。というだけだ。
にじさんじなら出来ない、やり難い、叩かれて止まる。
ホロライブなら出来る、やり易い、叩かれないから止まらないという状況は
他にもある。
にじさんじが不利なのは変わらない。
にじさんじには出来なくて、ホロライブだけが出来る状況は美味しい。
ホロライブ側は自社の人気商売には計算高く立ち回り、配慮もする。
だがそれによって結果的に他社の人気商売を邪魔はする事は厭わない。
いまいち人気が振るわないホロスターズ。
にじさんじの人気を模倣して成功しようとしたからこそ生まれた誤算。
ホロライブがむしろアイドル箱としての需要で伸びてしまった弊害。
白上フブキ、夏色まつりだけで救済するのは困難だ。
いつにじさんじを頼りにコラボを開始するのか楽しみに待つとしよう。
※補足
コメントにあったこれ
2020/06/10 15:31
補足するなら、にじさんじのイラストを描かれていた方々を積極的にtwitterでフォローしていく動きも戦略だと思いますね。
Twitterで主ににじさんじを描かれている、にじさんじを推しているイラストレーターや漫画家の方をホロライブが意図的に狙ってフォロー、交流を図り
「これまでにじさんじを見ていた層に対して、イラストレーターの知名度やイラストの拡散力を使ってアプローチする」というのが、戦略としてあるかどうかという話。
流石にこれらのTwitterでの流れを時系列で把握するのはめんどうだったのでこの記事ではしないですが当然あるでしょう。
5ななしのよっしん
2018/06/05(火) 02:50:29 ID: 0P6U0Vufnf
今更だけどホロライブのフォロー欄ヤバいな・・・
仮にも公式のアカウントとは思えん
6ななしのよっしん
2018/06/13(水) 12:17:31 ID: ADWDn/TVfZ
ほぼクリエイター系のみフォローしてるけど、コネ作って隙あらば利用しようとでも思っているのかね
関係者にしては絵描きが多すぎるし、第2のロボ子さんみたいなの探してるんじゃないか
同業者はのじゃおじしかフォローしとらん
ニコニコ大百科 ホロライブより抜粋
単にホロライブの勢いが付いたからという自然な流れは当然加味した上でも、積極的にこの辺のにじさんじ推しクリエイターを懐柔していく流れというのはタイムラインを眺めていれば誰しも感じ取れるはずです。
3期生くらいからは特に顕著ですが、ホロライブはキャラデザ担当のそのほとんどがフォロワー10万超えの有名な方を選んでいるようなのでその辺は万全です。
記事内でも指摘した椎名唯華と猫又おかゆは意図的でしょうし、ホロスターズで売り出したい律可を、直前のにじさんじ男性ライバーでバズっていた加賀美ハヤト、マネージャーには花畑チャイカと同じイラストレーターを起用するなんてのもありました。
3Dモデラー界隈もアンチいちから陣営での囲い込み戦略みたいになってるみたいですけど、どうしようもない界隈なので放っておきましょう。
界隈の3D、VR事業を推進してる企業にとってのいちから、にじさんじは彼らが投資をしていないのに成長を続けるライバルでもあり続け、vtuber関連のメディアでのにじさんじの扱いの弱い立場も日常茶飯事で見慣れたものです。
どれだけにじさんじが界隈の中で成長した所で、これを旗頭にすることは認めず、周囲にはこれを利用せんとするライバルが溢れています。
ただの客寄せ要因、ただの養分、寄生対象。
迷惑かけた所でどうせ許してくれる優しいだけの馬鹿。
にじさんじがトップを取る世界など認めはしない。
というのは果たして邪推や杞憂で終わる問題かどうか。
業界のにじさんじ包囲網は有りや無しや。
みなさんは今の業界をどう思いますか?
優しい界隈、みんなで協力して頑張っていこうという意思を感じますか?
私は非常に黒ぐろとして、足の引っ張り合いばかりをしている、どうしようもなく未来のない状況だと思います。
いちからサイドはそれを踏まえた上で、にじさんじの巨大なファン層を狙う打算目当ての同業者に依存しない自社の力でやっていく道を選ぶ他ありません。
得難き味方は業界の外にこそある。と今は思います。
そのため界隈外へと枝葉を伸ばしながら、内部の問題を地道に解決する。
小さな火種はあれど、大きな不祥事に繋がらない耐久力のある箱を作るのが肝心なのでしょう。
結局、最後は自爆しない所が残るのでしょうから。
※9月6日追記
最初のにじさんじ衰退論の頃から反響は多く、しかし基本的に反論への反論記事は収拾が付かなくなると思い基本的にはしないようにしていたが、一つ気になる反論記事を見かけたので最後に触れておきたい。
~反論「未熟なVtuber」~
ホロ信氏の
『にじさんじ衰退論』という誤謬。
という記事から重要だと思われる部分を抜粋する。
『vtuberという業種で生計を立てている、裏方やライバー含め何十人と言う数の、いわばプロの連中』が、『外野の、vtuberで金を稼いでない、裏側を良く知らない、たった一人の考察者』が分かる事を、誰一人気付いて居ない。――そんな事が現実にあり得るの?
言うまでも無い。絶対にあり得ない。
詰まる所、殆どのVtuberは打算的な面を持っているのだ。
勿論『にじさんじのライバー』も同様である。
Vtuberという職業で食い扶持を稼ぐ時点で、にじさんじライバーもまた打算的な面を持って活動をしているという話。
当然、ライバーという人気商売をやっているのだから打算的な意識を持って活動しているだろう。
ただホロ信氏の主張の多くでは一般論に終始してVtuberならではの歴史、箱の文化性やファンの性質の違い、箱の方向性といったものを無視しているように感じられた。
例えばにじさんじの1期生などは元々、Vtuberを本業にしようと思って活動を始めたわけではなかった。
もちろん続ける過程での意識の変化などはあろうが、活動頻度で見ればホロライブと違ってVtuberや、”配信業で生計を立てていると言えるライバーばかりではない”のがにじさんじという環境。
デビュー時期やVtuber活動に対しての人生の依存度は人それぞれ、箱それぞれに異なっているのである。
私が何故、ときのそらやロボ子さんから始まり、白上フブキや湊あくあといった個々にフォーカスして説明をしたのか。
それはVtuberには成長過程とも言える歴史があり、個々の活動へのスタンスはその文化性や箱の性質に紐付くものがあるからだ。
かつて多くのVtuber達が収益化の遅れで投げ銭を稼ぐ事が出来ず、またメンバーシップにも及び腰な風潮があったのを知っているだろうか。
打算的な部分がどこまで受け容れられるかという尺度、その意識が形成される過程は界隈の成熟度やそのライバーがデビューしたタイミングによっても異なったものになるのではなかろうか。
元々の箱としての立場、素人率の差なども加味すればホロライブのそれは生配信者としての成功のためのものであろう。
白上フブキや湊あくあの立ち回りの強かさは元々が弱い箱であった為に、
打算的な意識が外部に向かうしかなかった状況が作用していると納得する事が出来る。
この場合は今のホロライブではなく個人勢に当てはめたほうが極端で判りや易いか。
同じVtuberで稼ぎを得ようとするプロだろうが、個人勢と企業勢では外部コラボを活用して成り上がるために必要とされる外に向かう打算的意識のレベルが違いすぎるのだ。
そして恐らくはこの筆者は過去の弱かったホロライブを知らないか忘却している。
外部とのコラボや他所の成功を模倣する事で生存戦略を図るしかなかった状況のホロライブの必死さと、1期以降は常に身内の箱が強かったにじさんじのそれとでは程度が違って当たり前だ。
これをにじさんじと同じようなものである。と結論付けるのはホロライブ信者を名乗るものとして失格ではなかろうか。
もちろんにじさんじ側に打算的な考えを巡らせるようなライバーが居ないなどとも思ってはいない。
例えば「緑仙」などを見れば、明確にコラボでの数字の流れを当てにして自身の登録者に還元するべく意識的に企画を行っていた節はある。
実際、仲の良い「夢追翔」の事は自身の企画コラボで所謂キャリーを行い。10万に到達させる為に積極的に動いていた。
にじさんじが得意とするカップリングや同期売りにしてもそれは一つの戦略的な観点から生まれるものだろう。
だが、こうしたにじさんじでは打算的な立ち振舞いが出来るライバーですら外部相手には枠を譲り、自らの企画に外部を呼ぶことは極稀なのである。
にじさんじライバー達は人気を得るために活動をしているが、やはりそれが外向きに向かう事は少ない。
打算的な外交の必要性に気付いているかどうかと、それを活動に反映して、行動に移すかどうかの間にも壁があるのである。
にじさんじのライバー達が外部コラボに際しては「利益の搾取」という打算的な意図があると言う事に気付いていたとて、外部に対して打算的に出られない理由が数多くある。
繰り返しになるが、にじさんじライバーが人気を求める為の近道には同じにじさんじ所属のライバーが常にそばに在り続け、外部にまでその役割を求める必要性が薄い。
これもまたにじさんじ特有の箱の強みであったり文化性に由来するものだが、今のホロライブ側にしても共通する感覚はあるだろう。
1期生2期生があれほどまでに外部コラボを行いながら、3期生4期生から外部コラボの範囲が狭くなったのは何故なのか。
それはもちろん、氏が言うようにVtuberは打算的な面を持って活動をしているからに他ならない。
ホロライブは「外部コラボで客を引っ張ってくる段階から、身内だけのコラボでも人気になれる」段階に移行したのだ。
私の記事では主にそういった価値観、外部コラボへの依存度は環境に依存するものであり、ライバー活動を通しての成功体験の有無によって変わるという事を振り返っているのだがホロ信氏は終始「最初から職業Vtuberを志して界隈に入って来た生配信での人気を第一に掲げるタイプのライバー」しか見ていない。
ここに根本的なすれ違いがあるのだと思われる。
にじさんじファンからの好感を損なわないようにおためごかしで夢月ロアを見ているとアピールするが、外部コラボの一切をしないこのライバーを見て、にじさんじの外交意識の何を知るというのか甚だ疑問だ。
にじさんじ側が打算的な姿勢を外部に向けず、内向的な性質になる理由の一つ。
彼女もまたホロライブでは採用しないようなライバーであろう。
また「前世を調べればそのライバーが如何に打算的な人間であるかを理解できる。」と一つの根拠にしているようだが、前世での活動がどうであれ”Vtuberとしての活動にどこまでを持ち込んで武器にするか”はやはり環境次第でしかない。
引き合いに出したシャニマスの件もそうだが、界隈やにじさんじで人気になったゲームをすぐに追従出来たことも判りやすく打算的なムーブであり、これもまたホロライブという環境がライバーを増長させた側面が強い。
「戌神ころね」がにじさんじであったなら、あれほどまでに話題性を追い求めての許諾無視のチキンレースはする事は難しい。
「笹木咲」が任天堂のゲームが出来ない事をきっかけにして一度引退する必要もなかった。
他の配信者には出来ないレアなゲーム配信を売りにする。他が出来ないタブーを犯して話題性を作るという打算的な姿勢は許容されない。
何よりにじさんじの性質的にはファンがこれを止める。
今のホロライブへの叩きは理不尽だと、何でホロライブばかりがここまで監視をされてあーだこーだ言われるのかと思っているホロライブファンは多く居るだろうが、それはかつてのにじさんじが経験した道。
にじさんじはライバーが打算的な面を隠しているというよりは、ただ「そこはルール違反だから止まろうよ」というしきい値がライバー、運営、ファンを含めて箱全体で低くなっている。
ライバーが打算的な力を発揮する前に止められる。
人気からの注目度の増加、やらかしてからの改善、炎上からの対処、内ゲバ気質によるファン同士の相互監視によってこのような性質の箱になった。
身動きの取り難さや制限の多さは外交には弱みでもあり、権利意識においては強みでもあった。
対して体質改善や、成長するきっかけを得ないまま人気になってしまった事で許容範囲を超えた打算をただ見過ごされ、それが暴走した挙げ句に見破られて、対処や改善が間に合わずに場当たり的にしか動けないのがホロライブの今に他ならない。
『にじさんじ衰退論』では何故か、外部コラボは絶対悪!みたいな論調だったが、そんなことは無い。
これは些か誇張されて受け取られている。
「にじさんじへの寄生ルート」というこの界隈でのてっとり早い成功を模索するような同業者とのコラボはにじさんじ側にリスクばかりが多く、相手方にばかりリターンの多い外部コラボとなっているという懐疑的な視点だ。
氏はライバーはVtuberのプロ意識がある事を理由に、「Vtuberのプロであるにじさんじ側がこれを把握できないわけがない!」
と言われるが、何故夢追翔は失言をして炎上したのか?
はっきり言ってVtuberは未だ未熟なコンテンツでありプロと呼ぶ事こそ誤謬がある。
この界隈のトラブルやリスクは必ずしも運営側だけにあるものではなく、
演者側の未熟さからでも生まれる。
打算的な思考を肯定すればこそ、それは「人気商売的な賢い立ち回り」の範囲だけには留まらない。
未熟なままでただ仲間意識を優先させた結果、むしろ同業者だからこそ気付け無くなるリスクというものはある。
それこそ記事でも触れているが「鳴神裁」をただ同じVtuberだからと友人として扱おうとしたライバーもいれば、ホロライブや774.incが遠巻きに様子を伺っていた「某楠」とのコラボを率先して行い、彼女に飛躍する力を与えたのもまたにじさんじだった。
一方で私は界隈外の外部コラボに対してはむしろ推奨する姿勢だ。
同業者としての仲間意識から安心させられるような作用が少なく。
その仲間意識を利用される事のリスクも未だ薄く、にじさんじ側にとってもリターンの大きい関係だからだ。
要は『にじさんじのライバー』も『ホロライブのライバー』も、自分への利益誘導をしたい、と言う打算的な側面を持ってコラボしているのである。
にじさんじ側も外部コラボをしたがっている理由は次の記事に詳しく書いたつもりなのでそちらをどうぞと言いたいが、ここで簡潔にまとめるなら、
にじさんじ側は利益誘導よりも居心地の良さと同業者からの好感度を求めての外部コラボを行う。
それ自体も捉え方によっては打算であるし当人同士からすればWINWINな関係と言えるかもしれない。
という点で別に打算的な関係でコラボが行われている事への異論はなく、むしろ外部コラボのほとんどが仲の良さやてぇてぇなどで行われてるものばかりではない、という考え方にはむしろ同意出来る。
もちろん外部は打算的でにじさんじの数字だけしか見ておらず、にじさんじ側は純粋に外部の事が好きでコラボしている。
という訳ではない。
ならばにじさんじ側から外部を誘うパターンの関係性がもっと多いはずだ。
にじさんじ側が外部コラボをする理由と、外部が外部コラボをする動機には違いがあり、
「どちらがホストとして誘いを掛ける側に回るのか」にそれが現れている。
共通のコラボ相手である「犬山たまき」にしても、持ちつ持たれつと彼女を自枠に誘ってコラボを行うホロライブと、ただ相手の枠に行くばかりのにじさんじではその外交に対しての姿勢に顕著な差が見られるだろう。
にじさんじ側は誘われてコラボをする時点での一定の満足があり「自分の枠に外部を呼んで数字を稼ぐ事」への拘りが薄くなっている。
ではなぜ『ライバー』達は打算的な面を隠そうとするのか?
これも言うまでも無い。
「打算的な振る舞いよりも、純粋な振る舞いの方がリスナーの支持を受ける」
それだけのことだ。
にじさんじが好感度を稼がねばならない理由も、叩かれる事に敏感な理由もまた同様に次の記事にまとめてあるが、これも箱としての成り立ちや立場が強く作用している。
男性ライバーと女性ライバーでも異なる話だろう。
立場の低い男性ライバーはその下心的な腹積もりを邪推され易く、看破されぬように隠さねばならない。
積極的に女性ライバーをコラボに誘う事も憚られる文化がある。
にじさんじ側の「甲斐田晴」がテトリス大会に際して、ホロライブ側の星街すいせいの名前を挙げただけで「売名行為」と叩かれるような立場。
一方でホロライブ側の「月下カオル」がツイッターで行っていた露骨な売名行為は遥かにこれを超えているのだが、果たしてこれは隠そうとしていたのか?隠せていたのか?
私はこれもまた箱の性質、ファンの性質による反響の差であったと捉えている。
にじさんじが打算を見せる事は高リスクであり、ホロライブが打算を見せる事は低リスクであったという差だ。
ファン層の差もVtuber界隈というだけで一緒にする事は出来ない根拠となる。
にじさんじ側の不祥事があった際のファンの動きと、ホロライブ側の不祥事があった時のファンの動きは同一ではない。
自分のファン、これから求めるファン層の違いで当然ライバーの動き方も変わって来る。
今海外ファン向け、アイドル売りを意識して動くホロライバーの打算の内訳がにじさんじのそれと同一であるはずがなく、女性ファン獲得や男女CP好きに向けて矛先を向けるにじさんじ男性ライバーの打算もまたホロライブのものとは違うのである。
以上から、にじさんじ、ホロライブ、外部全ての活動に対しての打算的な意識を「それが何を目的にしてどこに向いているものなのか」という性質を度外視して一緒くたに語る事が暴論であると反論する。
そもそも彼はこの記事内で運営側のムーブや許諾無視に際しての失態には特に触れていないようだった。
反論しているのはライバー側の戦略的な姿勢に過ぎず、ルール違反を侵さない範囲での人気商売的な立ち回りに上手いというだけの事は美点であり努力でしかない。
わざわざ私が外交力が弱いとしたにじさんじ側を上げて、その実力を平坦にして見せるのは何故か。
ホロ信と名乗りながらもにじさんじライバー擁護のためにこのような記事を書く理由は、
しかし、それを考察の前提として出してきて、他の箱を叩く棒にした場合、「それはちがう」と言うしかなくなる。悲しい事に。
ホロライブが叩かれた事への反論をしているのである。
・ ……ていうか、なんで『にじ信』が『いちから』や『にじさんじライバー』の知能を低く見積もって、『ホロ信』の俺が「それは違う」と否定してんの? 普通逆じゃね?
これをして、何でホロ信の自分がにじライバー擁護してるんだ?普通逆じゃね?とも言っているが、目的は判りやすくホロライブへの擁護に他ならない。
私がにじさんじライバーの"同業者への外交力"を低く見積もっているのは、箱の性質と文化的な背景、その痕跡を見て回った結果からなのだが、
この筆者の根拠としているものは、「人間なのだから」、「プロなのだから」、「Vtuberなのだから」・・・。
実際のVtuberの姿やコラボ配信で起こった出来事を直視せず一般論でしか語られない為に、根本的に信用している情報の範囲がボヤけて実象を失っている。
果たしてVtuber界隈の演者達はそのような一般的な普遍性が通用する存在だろうか?
本当に彼らは最初から聡く賢いプロフェッショナルな集団か?
そう思ってしまっているのであれば、この筆者の方こそVtuberに騙されているだろう。
経験者採用と元生主勢の人気を拡大解釈して=Vtuberとしてもプロと思っているのかもしれないが、中には当然リテラシーやモラルに欠けた者もいる。
何の為に運営があって、マネジメントとコンプラ意識の重要性が今問われているのか。
Vtuberやにじさんじやホロライブというものは、日々成長していくコンテンツであり、ライバーもまた然り。
最初から、ただお仕事だからとプロ意識が急に備わるようなものではない。
彼が「それは違う」と否定して、半ばにじさんじライバーを担ぎ上げるポーズを取っているのは立場的に全く逆の行為ではない。
実際の箱やライバーの在り方から目をそらし、職業Vtuberという一般論を頼りに逃げ込む様は理想論的だ。
彼にとっては、にじさんじライバーはか弱い被害者ではなく、
「狡猾で打算に塗れた加害者側」であらねば困るのだ。
Vtuber全てが等しいレベルの打算的な外交を行って貰わなければ、
今その打算を見破られただけの自分の推しの心証ばかりが悪くなる。
この印象を看過できなかったのではなかろうか。
つまり彼の言いたい事はこの件でホロライブ側のファンに良く見られた、「どっちもどっち論による帳消しに過ぎない。」
「ホロライブもにじさんじも、Vtuberは仕事なんだからみんな打算的に動いて当たり前。」と
にじさんじ側の能力を引き上げる事で、同じ土俵に立たせたかったのだろう。
ただこの反論内容では私が記事内でホロライブの事をライバーのみならず、運営の企業戦略を含めての不義理を指摘し、これを界隈の風評被害と責めた部分など、最近の多くの不祥事に関してのホロライブのリスクは何も払拭される事がない。
仮にホロ信氏の言うようにじさんじ側が打算的であると仮定し、
それを隠しているだけで、私や無垢な大半のリスナーが気付けないだけという話を信じるならば、
にじさんじは純粋で良い人に見られたいからと己の打算を隠すために
・自分からはコラボに誘わない
・相手に枠を譲り続ける
・格差がある相手でもコラボをする
・外部の大会があれば盛り上げようと尽力する
・メタタグで無関係な外部の名前を書かなかった
・社員が皮肉的な態度をツイッターで軽々しくつぶやかなかった
・収益化を切って法人契約に結びつけた
という事になる。
そしてホロ信氏から額面通りにしか受け取れていないと断じられた私にすらその打算的な部分が見破られてしまっている事になるホロライブの立場はより苦しくなるだろう。
(ホロライブ側の打算的な部分の露呈に対して氏は何も否定をせず、どっちもどっち論に終始した故)
即ち、ホロライブは打算的な面を隠す努力が出来ない集団に落ちる。
人気を得るために止まらずに話題性を求めて意図的なチキンレースをした事実などは何も変わらない。
それこそ自身の利益のためにその"打算的意図を隠す暗黙の了解"こそが、
本件における重要ワード「黙認ベース」ではないのだろうか。
これを隠そうともせず、「私達はあえて権利を無視して数字とお金を稼いでいます」と馬鹿みたいなアピールをした者がいる。
何故これを反論としてしまったのか。
ホロ信氏の目的がホロライブの擁護にはなく、にじさんじライバーに対しての私の低い見積もりを否定して衰退論を是正するためのものであったとして、
「ホロライブもにじさんじも、Vtuberを仕事としてやっているからみんな打算的で当たり前。」
だとて、そこに残る覆らない事実は、
「にじさんじライバーは純粋に見られるために打算を隠す努力をしている」
「にじさんじ側は運営やファンを含めて、これまでの経験によってトラブルや不祥事を糧に成長した」
「ホロライブのライバーは打算をむき出しにしてその努力を怠った」
「ホロライブ側は運営やファンを含めて、これまでの経験の蓄積が少ない為に対処が上手く出来ていない」
というだけの事だ。
そういった箱との付き合い方には一定の線引をして、巻き込まれないように警戒した方が良いと思うのは当然だろう。
ついでのように庇われている他の個人勢、外部との付き合いに関しても同様。
今回のにじさんじ文化論の「外部との付き合い方に一線を引く」という論調が一番困る層というのは、優しい界隈でのV側の仲間意識と、Vに対しての無条件の信頼感を糧に成り上がったタイプの人達である。
外部コラボや比較による優劣で人気を稼ごうとするタイプのVtuberにとって、大手との打算的な外部コラボを封じられる事は死を意味している。
あえて深くは触れないが某個人勢の同僚、外部、界隈に対しての悪意に満ちた活動の在り方が真実であるならば、それは一口に「打算的で誰しもに備わっている戦略的な観点」と一括にして安心して良い話ではない。
仮にどっちもどっちでにじさんじ側も外部に対しての打算的意図があり、これを享受しているという点にフォーカスしたいならば具体例を上げるべきだろう。
私が思うにじさんじの外交上手は「でびでび・でびる」だ。
侮蔑的な意味で挙げたわけではなく、こういった外交上手のコラボ強者、それでありながら好感度を損なず、コラボ相手をしっかり見極める目が備わっているライバーが増えて欲しいと願うばかり。
こういったタイプが少ないからこそ、にじさんじは外交に弱いと断じている。
まとめると、
・反論材料になっている「打算的意識」が多くのVtuber、にじさんじライバ
ーにも備わっている事には同意する。
・打算的な意識はファンや運営を含めた箱の体質に左右され、「どれだけ打
算を活動に反映させて実行するか」はそれぞれに異なる。
「環境的要因による性質の違い」
└ときのそらを切り分けて箱が弱くほぼ経験者オンリーで採用したホロラ
イブは外向けの打算的意識が強くなった。
└1期生の時代的背景、素人採用率の高さからなる箱の文化の違い。
この界隈で人気的に強みがあったにじさんじの打算的意識は身内向けに
発揮される場面が多く、外部のVtuberに対してそれを向ける必要性が薄
い。
└「Vtuberのプロだから」を理由に"利益を得るための同業者への外交意
識"が対等に備わっていると言えない理由。
・打算的意識にはリテラシーやモラルとの兼ね合いが重要である。
前世がどうであれ、所属がにじさんじであるかホロライブであるかに
よって打算的な力をどこまで活動に反映させるかは異なって来る。
└このバランスを欠き打算を丸出しにして、許容範囲を踏み越えてお叱り
を受けたのがホロライブという論をホロ信氏は否定出来ていない。
・ホロ信氏の反論が正しいならば尚更、打算を隠して穏便に済ませようとす
るにじさんじに対して、打算を隠せずゴリ推して大事にしてしまう
ホロライブとの関係や、打算を隠せなかった個人勢との関係には一定の杞
憂がある。