にじさんじ文化論「男性ライバーの活躍と女性ライバーの弱体化」
※注意書き
当記事における内容はにじさんじをコンテンツとして捉えた場合の一視聴者目線からの考察です。
「ライバー毎の人気には格差があるけど、どういう理屈でその差が生まれているのか」
「視聴者数を増やすにはどうすれば良いのか」
「コラボを通してどのような経路でファンが共有されるのか」
など私が通常のコミュニティでは発信し難いと感じた話が中心となります。
その為、時には「人気が乏しいライバー」、「こうしないと人気が出ない」といった書き方が一部に見られるかと思いますが、あくまでも個人的なコンテンツ的価値観と考察を行う仮定に付随するものであり、「私の言う通りに活動しないこのライバーが悪い」と言った責任追及を喚起するものではありません。
また文中に登場するライバーについて個人情報に繋がる類の考察は行わず、誹謗中傷やそれに該当するような個人の名誉を傷付ける意図は一切ありません。
「ライバー個々の活動スタイルや配信内容はそれぞれが自由に決めるべきものである」と言う大前提を承知した上で一つの読み物として捉えていただければ幸いです。
「男女混合の箱」「男性ライバーにも人気がある」というのはにじさんじの大きな特徴の一つで他の箱には無い魅力だ。
最近になって特にその傾向が顕著に出ている事にはお気付きの事だろう。
葛葉などは言わずもがな軒並み同接が上がり調子な男性ライバーが増えて、新人も男性陣の方が比較的に安定しているように思える。
しかしそれはただ単純に男性ライバーが人気になった、というだけではなく女性ライバーの弱体化に繋がっている。
というのも今の男性ライバーの数字は女性のファンが急増したわけではなく
、既存の人気ある女性ライバーが獲得したにじさんじという箱のファンを、コラボや関係性売りなどを経由して共有させたものであるからだ。
男性ライバーにファンが流れるという事は、それだけ女性ライバー側の人気が吸われているという事にも繋がる。
Vtuber界隈の中では女性ファン比率が多い箱と言えど、未だそのファン層は男性率が8割以上と言われる中で何故そんな状況になったのか。
にじさんじファンからの人気を獲得するに至った男性ライバーの魅力と女性ライバーへの弊害について。
"面白くあろうとする男"
第一に最も重要な事実は、女性よりも男性の方が面白さというパラメータにステータスを割り振って面白さを武器とするタイプが多いという事。
これは偏見でも何でもなくお笑い芸人や人気のあるYouTuberなどを見ても判る通り、男性の方がこと面白さを表現する舞台に向いているという現実。
学校や職場、恋愛その他の人生経験でも面白さを表現する事で得をするのが男性側であるという背景も含まれ、男性の方が面白い事を自ら率先して行うメリットが強い傾向にある。
対して女性はどうか。
同性だけの集団ならともかく男女混合の集団の中で女性側は面白い事をする必要性がそもそも薄くなってしまう。
一般的には男性の目を気にすればこそ女性的であろうとするのだ。
芸人的なムーブはある意味では男性的な表現であり、面白さへの意識は羞恥心という感情の方が先に来るものである。
これらの傾向は配信者や実況者という立場ならば尚更、面白さによる優位性として大きく影響する。
実際に面白いかどうか、ウケるかどうかは個々の才能や状況次第ではあるが、恥ずかしさという感情を上書きする程度にはまず自分から面白い事をしようとしなければ何も始まらない職業だ。
最近の新人であるグウェル・オス・ガールが面白くないという異例の理由で炎上したのも彼が男性であり、面白さを期待させるような風貌や設定をしていたというのが理由の一つにあろう。
それでもスベる事を恐れず、つまらないと言われても一周回ってスベリ芸的に笑いに変えるメンタルの強さや攻めた企画によって、今や面白い企画をしてくれるライバーとしての評価を得て来ている。
女性優位で男性の立場が弱いV界隈だからこそだ。
悪気なく言えばただ可愛い声、可愛い見た目であれば一定の需要が見込めるのが女性ライバーだったりする一方で、ただ見た目や声が格好良いだけの男性ライバーがそれだけで人気になる事は難しい。
ファンの比率的に見てもやはり男性のファンに支持されなくてはならない。
つまり男性ライバーというのは自ずと面白さという指標が求められる環境に置かれている。
男性ライバーは面白くてナンボ
そうファンから求められる事が明白であるならば男性ライバーは面白い事をしよう、言おうとするだろう。
新人のデビュー配信等を見ても前もって笑いに繋がるような仕込みや茶番を用意してくるのは男性ライバーに多く、その意識の差は顕著に見て取れる。
結果としてにじさんじのファンが面白いものを見たいと思った時に、面白い事をしそうな気配のある男性ライバーが視聴を優先され易くなったのだ。
"ゲームが上手い男、大会での優位性"
これもまた性差が絡む話になるがゲームが上手いのは確実に男性だ。
ライバーの配信ネタといえば雑談、歌、ゲームくらいのものでその内で長時間の配信が出来るような枯れないネタはゲームだけと言っても良い。
今のゲーム実況が中心となったV界隈で、ゲームが上手い事やゲームに慣れているという事は単純にゲームを使って出来る事の選択肢を広く持てるという点で大きな武器となる。
どうせ同じゲームを見るならば、上手い人や変わったプレイをしている人の方を見るというリスナーは少なくはないだろう。
下手であること、ポンコツ売りというのもたしかにウケるが現状あまりにもその手の女性ライバーの数は飽和しすぎて、爆発的な需要が見込める配信ではないと感じている。
そもそもゲームという娯楽は上手くなる事や慣れる事で先に進められるよう設計されているもので、下手さそのものを売りにするのは一発ネタに近い。
また定期的に開催されるにじさんじ内でのゲーム大会も追い風となる。
建前上はエンジョイとは謳っていてもその勝敗に一喜一憂する熱意ある姿勢が無ければ観客達は盛り上がりはしない。
割とガチ目に勝敗を競い合うのがにじさんじの大会の良い所でもあるのだが、大勢の箱推しが注目するこれらの一大イベントで活躍し易いのも元々ゲームが上手い男性ライバーだろう。
上手いと判っている要注目の選手は、大会に興味がある他のライバーのファンからも偵察がてらに見に来る事が増えるのだ。
今はまだポケモンでの出雲霞、マリオカートでの笹木咲、アルス・アルマル、星川サラやスプラトゥーンでの桜凛月など女性ライバーの健闘もあるが、総じてゲーム慣れしている傾向にある男性ライバーの比率がこの調子で増えていくと、女性ライバー勢が上位圏外となる日はそう遠くない。
加えて配信環境の構築や機材の知識に長けている点も見逃せない。
配信知識がないライバーはどうしても環境作りの点で足踏みしてしまってチャンスを逃す事が多々見られる。
OBSのトラブルで配信が上手く出来ない、オンラインゲームを有線で行ってぷつぷつ途切れる、グラボを差してるのにオンボで行ってガクガクになる、PCの買い替えでまごついたりと、配信の機会や画質などの見栄えを損なうとせっかく舞い込んだ大事なチャンスを潰す事にもなる。
流行にいち早く乗ってスピード感ある選択を取る事が出来るかどうかはライバー数が飽和したこの時勢で大きく響く。
総合すると、男性ライバーは女性ライバーに比較するとより良い環境で、迅速に、いろんなゲームを使った配信で幅広い活躍が見込める存在となる。
”男頼りのコラボ”
こうした男性側のアドバンテージが目に見えて発揮されるのがコラボだ。
にじさんじのコラボ企画が他の箱と大きく差別化されているのは男性ライバーの存在に拠る所が大きいのではないだろうか。
女だけではなく男という個性が加わる事でその性別の差を面白さとして活用出来る。
その際たるものが男女カップリング的な需要であったり、いわゆる茶番だ。
にじさんじ内でも男性側のその立場の弱さから来る炎上リスクを、いじられ役というポジションで茶番化してお笑い要素にする事が多く見られる。
女性ライバーが無茶振りをして、男性ライバーがそれに対してタジタジになったりボケたりして笑いを取るのは定形パターンだろう。
男女混合のコラボではとりあえず男性ライバーに任せておけばアドリブで面白い状況に出来てしまう事が多い。
この場合に重要なポジションとなるのは当然ながらある種の芸を披露している形になる男性ライバーの方である。
その他にも司会役であったり進行能力に優れているのが男性ライバーに多いというのもあってか、にじさんじの男女コラボは男頼りになっているケースが多いと感じてしまう。
面白くしようとする行為には常に恥ずかしいという感情が付き纏うはずだ。
スベったらどうしよう、面白い事をしようとしてると思われたくないという恥の感情に塗りつぶされて、どうせ男ライバーが面白くしてくれるという姿勢の女ライバーは一歩引いて目立たなくなる傾向が見られる。
安全圏からの弄りをするばかりで自分が積極的に笑いを取ろうとする女性ライバーは未だ少なく、こういったコラボを数多く見る事で男女混合のコラボでの主役は男性側というファンからの認識は一層強まって行ったのではないだろうか。
"ARKブーム"
これらを総括した顕著な例が今のARKブームで男性ライバーの側ににじさんじファンの人気が集まりやすくなっている現象に繋がったのだと見ている。
マイクラと同じく共有鯖の特性上、他のライバーや鯖自体の発展に干渉する事は多くの撮れ高に繋がり視聴者が流入し易い構造になっているからだ。
この手の箱コンテンツを見ているのは元々にじさんじを知っているファンがメインとなる。
つまり女性ライバーよりも男性ライバーの方がこの手の状況で撮れ高を作る能力が高い事を既に知っているのである。
ゲーム慣れしている効率プレイの叶の枠を見れば、にじ鯖における文明の発展を真っ先に見ることが出来るだろう。深謀遠慮を尽くしたなろう系主人公さながらのその活躍は注目される要素満載だ。
シェリンにしても恐竜が好きだからというのはもちろんあるが、男性ライバー特有の物腰の低さからARK内でも弄られキャラとなり、様々なトラブルに巻き込まれ易い美味しいポジションを確立した事で現在のにじ鯖内では戦争カメラマンやスクープ記者的な役割を担っている。
同じく恐竜好きの渋谷ハジメも困ったライバーが居れば真っ先に助けの手を差し伸べる先輩ムーブでこれまでの汚名を払拭して一躍名を挙げた一人である。商人プレイや初心者向けのコンビニ建設など積極的に共有鯖の利点を活かしていると言える。
エクスアルビオもまた彼が躍進したきっかけであるマイクラさながらに初心者状態からの果敢なチャレンジを行う。その強運と成長速度の速さ、エビマルの関係性も引き続き多くの撮れ高を作り続けている。
そしてPvP要素に注目が集まるにじ鯖では戦争をふっかけた「アルファスレイヤーズ」通称「ASK」が火種として重要なポジションを占めるに至った。
いくらPvPを許可しても誰かが積極的に動かなければ尻すぼみのまま盛り上がらずに終わってしまっただろう。
彼らは意図的にヘイトを買うようなヒール役をしているが戦争を期待しているリスナーからすれば否が応でも注目の的となる。
戦争での取引や交渉ごっこ、男の子が如何にも好きそうな演出を考えて実行するのは男性ライバーならではの味があり、女性ファンだけではなく男性ファンからの支持を集めるのも納得と言わざるを得ない。
そして来るにじさんじARKの戦争当日、参加者や観戦者含めて多くのライバーが配信枠を取る中で当然ながら戦争を首謀した加賀美ハヤト、この手の企画では無類の強さを見せる葛葉等の男性陣が多くの視聴者を集める事になる。
そんな中でも今後の注目株としてそのきっかけを掴んだのは新人の男性ライバーである「イブラヒム」だった。
彼は新人ながら足早に同期と共にARKにじ鯖に乗り込んだ。
その結果、ASKとの茶番に巻き込まれ自身が好きなサバイバルゲーム用のアトラクション施設を建築するといったムーブでにじ鯖内での存在感を着実に強めていった。
戦争本番では前日の大量ロストにもめげず独自の部隊を復活させて運用、活躍させることでASK側の勝利に大きく貢献しての男泣き。
目に見える心躍る活躍は他枠で視聴していた多くのにじさんじファンの心を掴み、2000人から始まった視聴者数は戦争中盤に向けて最大で8000人まで増加し、振り返り配信ではソロで1万人を突破する。
数字だけでライバーを見るな!と言われそうだが、この手の同時多発的な副窓型のイベントではこれほど判りやすい指標もない。
個人勢などで最初のきっかけすら掴めない人達ならば
「面白い事をしてるのに人が来ない」
「この人はもっと評価されるべきなのに数字が伴わない」
と言ったもどかしい状況はありえる話だ。
だが彼らはにじさんじだ。
デビューしている以上は既に多くの箱のファンから見られるような舞台の上に立っている。客集めという最初のきっかけを箱の力でカバーして貰っているのだから、後は大勢集まっている観客に対して自分をどう表現していくかという問題だけだ。
然るに、
「面白い事や目立つ事をしているならば注目される」という恵まれた環境
共通するのはどの男性ライバーにしてもにじさんじ内で話題性を作れるような配信内容になっている事。
同じ箱内で同じゲームを多くの人がプレイした場合に、ファンは取捨選択を迫られてただ没個性的なプレイをしているだけでは注目は集まり難い。
新人は特にだが、自身の少ない固定のファンよりも遥かに大きな「にじさんじファン」という巨大な層を相手にした立ち回りが重要になって来る。
その際にじさんじファンに対して臆病になるのが女性ライバーで、積極的なのが男性ライバーという型分けはあながち間違いではないと思っている。
このARKブームは一見マイクラブームと酷似しているものの、マイクラがゲーム初心者でも入り易い建築メインでのまったり雑談枠に適していたのに対して、ARKは元々のゲーム的な難しさから他ライバーからの介護なしで動くには一定のゲーム慣れを必要とする。
戦闘行為がゲームに占める割合もマイクラより遥かに強く、PvP要素が加わった事で鯖内の文明の発展や他のライバーに干渉する積極的な立ち回りがより人気に結び付き易い。
そのためゲームに慣れていて飲み込みが早く、弄られ役にもなれて、面白さに対して臆病にならず積極的なスタンスを取る男性ライバーが特に目立つ環境となっているのではないか。
これらからは一つの事実が浮かび上がる。
男性ライバーはにじさんじの箱推しファン向けの配信力に長けており、箱推しの数字を使うのが上手いという事だ。
例えば舞元啓介、黛灰、イブラヒムのこれらの配信はにじさんじの他のライバーの名前を登場させる事で自分の固定層以外のにじさんじファンからも見てもらえる機会を作っている。
このように男性ライバーは数字に対してのある種の貪欲さや優れた嗅覚を持ち、にじさんじ内で自分が伸びるための行動に積極的な姿勢を見せる。
と同時にそれらは元々は女性ライバーが主軸となって獲得した箱のファンを男性ライバーの方にばかり向かわせる結果となってしまった。
たしかに男性ライバーの"にじさんじ内での活躍"は目覚ましいものがある。
が彼らの配信履歴を見ると、ほとんどが共有鯖や箱の企画コラボなどで占められている。
共有鯖やライバー弄りの企画などは、ある程度にじさんじを知っている既存ファンに対しては満足度の高いコンテンツなので箱内のファンを循環させる効果は高い。
ライバーの登録者や同接はたしかにこれでも増える。
だが、その内容は悪く言えば身内向けで完全な箱外からの新規獲得には向いていないのは明白だ。
男性ライバーの登録者の伸びを見ると、未だに箱のパイの上限にあるのが女性の上位ライバー勢にあり箱外からの新規獲得が難しい立場なのは変わっていない。
そして新規を取るべき女性ライバーは、箱企画の中で男性にその活躍を譲る事となり影が薄くなりつつある現実。
箱の既存のパイを食うことで伸びる数字は一見すると男性ライバーがただ強くなった吉報のように思えるものの、その実は女性ライバーの数字が吸われているだけという状況に陥ってしまう。
もちろん所属したからには"箱の数字を効果的に利用する"という当たり前の事をしているだけの男性ライバーが悪いというよりは、奥手すぎる女性ライバー側の怠慢が招いた所が大きい。
楽しませる工夫や話題性のある配信を心掛けずに、ただにじさんじで流行のゲームをしているだけで終わってしまうのは、未だ伸び悩む多くの女性ライバーが遭遇する自体であり、女性ライバーがただにじさんじに所属する女性というキャラの属性それだけに依存してしまっているという事でもある。
"女性ライバーの武器"
男女混合箱の中、女性ライバーと男性ライバーが同じ舞台に立ち、比較対象となる事は女性ライバーにとっては弱点にもなり得るという話だ。
・ゲームで活躍するのは男性ライバー
・雑に弄っても上手く返してくれるのは男性ライバー
・企画コラボの花形は男性ライバー
箱が保有するファンの多くが有能さを見せる男性ライバーに向かう一方、
女性ライバーには何が残るのか?何を武器に活動するのか?
それはもちろん男性ライバーではないことや女性的である事だろう。
下世話な意味での性的さやエロスという意味だけではなくもっと包括的な、二次元の女性キャラクターとしての需要。
当然ながら男性ライバーよりも女性ライバーの方が本来は高い需要を持つ。単純に、男と同じ事をしてしまえば女の方が評価され易い。
いつぞや月ノ美兎が自己分析で「自分が男だったらこの個性は武器にならない」と言ったのはそういう事でもあるだろう。
この界隈では可愛い女性キャラクターがゲームが上手かったり、男性受けする趣味嗜好を持っていたり、芸人的なムーブを取れるならばギャップ売りが機能して男性ライバーよりもウケる土壌がある。
女性でありながらも男性の役割を担えるギャップは人気に繋がり、現在も人気ある女性Vtuberはこれに当てはまるタイプが多いと感じられる。
それを裏付けるのが競合しているホロライブの存在であり、特に最近になって箱単位で勢い負けしていると感じられる部分でもあるのではないか。
何故ならホロライブは女性だけの箱。
女性らしいアイドル的な立ち回りに加えて、男性らしい芸人的な立ち回りの両方を女性メンバーだけで担わざるを得なくなっているからだ。
あさココは言わずもがなであるがバズり中の桐生ココは他のメンバーを弄り倒して芸人的な役割に立たせる事で、男性的な面白いムーブが出来る女性キャラを求める多くの新規(ほとんどがにじさんじファン)を拾い上げて箱内にそのファンを共有させた。
こういった新規層がにじさんじから流れて来る流れは明瞭だ。
お互いの箱で人気のある配信内容やライバーのジャンルというのはある程度似通っている。
茶番などの芸人ムーブ、硬派なゲーム選び、縛りプレイ、耐久配信。
にじさんじの男性ライバーや女性でも一部の上位ライバーがする人気のある配信をホロライブ側は女性だけでも積極的に行っているのだからにじさんじファンからの人気が出ないわけがないのだ。
にじさんじの新人が弱い。最近箱としてはホロライブに圧されてるとされるのは何故なのかと言えばこれが出来ていないからだろう。
にじさんじ内で男性側が強くなればなるほど、特に新人の女性達が目立たなくなって行くのには一種の因果関係があるのではないかと思う。
男性ライバーが所属している強みを持つという事は裏を返せば、コラボや箱内での芸人的な役割や司会進行、ゲームコラボなどでのサポート役などを向いている男性に任せれば良いとなってしまっている。
という事にも繋がった。
馴れ合い論にも帰結する事だがコラボをすればするほどに、ライバー同士の仲が深まれば深まるほどに、結果として多くの女性ライバーがにじさんじという舞台の上では奥手となり、貪欲に目立とうとする必要性が薄くなってしまっているようにも思う。
先輩ライバーからしても、後輩弄りや無茶振りをするならば男性ライバーが安心という風潮がたしかに見られ、共有鯖を含めても男性側の方が話題の中心に居る事が多く見られるようになったのではないか。
女性しか居ないからこそ女性でも男性の役割を担うような配信を行うとするホロライブ。
男性が居るから男性にその領分を委ねてしまい目立たなくなったにじさんじの女性ライバー達。
個人的には未だにコラボや企画配信、大会などは完全に男性という個性が使えるにじさんじ側に分があるとは思うものの、男性ライバーが絡まない部分でのにじさんじ、つまりは残る女性ライバーの分だけで見ると今後更に差を付けられて行くであろう事が想像に難くない。
ゲームスキルなどで男性に劣るのは仕方ないにしても、面白い事をしようとするかどうかは意識の問題だ。女性でもやろうと思えば出来るはずだがその意識が芽生えない事に今のにじさんじの女性陣達の弱さを感じてしまう。
昔から「にじさんじは芸人」と呼称されるものの今や男性ライバーばかりを芸人枠に据えて、その影で目立とうとしない多くの女性ライバーは消去法的に女性キャラクターである事しか立ち位置が残らなくなってしまった。
それもアイドル売りが出来ないアイドルという存在だ。
"アイドル売りとユニコーン問題"
多くのシーンで男性ライバーの方が面白くしてくれる、話題性ある配信をしようとする事を知っているにじさんじのファンがあえて女性ライバーを優先する理由の大半はもちろんそのキャラクター性にこそある。
根本的にこの界隈に来るような男性のファンならば同性の男性キャラよりも異性である女性キャラの方が好きというのが普遍的な需要。
「どれだけ面白かろうとも男なんて見ないよ」という層は当然いる。
ゲームの腕で負けようと、面白さで負けようと、コラボでの活躍で負けようとも異性というだけでそういった層に対してのアイドル売りに光明を見いだせるのが女性ライバーであるはずだ。
どれだけ男性ライバーが活躍しようが女性ライバーの側に需要は残り続けるはずである。
しかしここで男女混合箱の弱点が浮き彫りになってしまう。
ある意味では悪名と共に有名な「ユニコーン問題」だ。
にじさんじが獲得したファンはその多くがホロライブ等外部に流入している一方で、ホロライブが獲得するファン層はにじさんじ側に流入し難い要因。
界隈用語的に最も判りやすく言えば、ユニコーンを含むようなファン層は、男性のライバーが幅を利かせる場所であるにじさんじを敬遠する。
男女コラボの強みを活かして男性ライバーが目立つ事で一見さんからの"にじさんじという箱の印象"は当然そちらに依る事になっているだろう。
同じARKというゲームをしようとも頻繁に男性ライバーが絡んで来る事が分かりきっているにじさんじのARKでは彼らに訴求する事は出来ない。
何なら同期に男性ライバーが存在するのだ。
真堂雷斗(通称パコライト)騒動の記憶も薄れ、新人の男性ライバーなどは最初からその警戒心が特に薄いだろう。
女性ライバーにも安易に絡み、オフコラボをするのにも躊躇がなくデビューしてすぐの女性ライバーでも男性ライバーとコラボをするのが当然の環境だ。
何よりも女性ライバー側が自身のアイドル的な人気の売り出し方に対しては無頓着であり男性ライバーを信用して良く懐き、良く頼る。
そうして女性ライバーから頼りにされた男性ライバーは当然期待通りの大活躍をしてにじさんじファンから認められ人気となる。
この環境は男女のノマカプ好きや男性ライバーも好きな層にとっては天国かもしれないが、男性ライバーに全く興味が持てない層からしたら即回れ右で帰ってしまうような場所で、女性のアイドル売りで受け皿となれるような女性のライバーは極限られている状況だろう。
これらを聞くと「ユニコーン的なファン層なんてそもそも必要ない!」と思う方も居るだろうが少し待って欲しい。
この場合の処女独占厨的な「ユニコーン」と「男性ライバー(Vtuber)に興味がないだけの層」は別物と言うよりは包含関係にあると見るべきである。
男性Vtuberに興味がない層の中の"一部の過激派"がユニコーンというだけであって大半はただ男性Vtuberという存在に対しての興味がないだけに留まる。
その感情をコラボ相手やVtuber自身にリプでぶつけたりマシュマロで攻撃を加える過激派が悪名高いユニコーン達なだけだ。
男性Vtuberに興味がないとだけの事をやれユニコーンだのと徹底的に批判される謂れは本来ない。
だがアイドル部以前からだが、ユニコーン気質なファンは害悪であるという印象の拡散力はネット上で強く、ゴシップネタとしておもしろ可笑しいからこそ、誇張して語られた結果その立場があまりにも低くなりすぎた。
一部のユニコーンのせいで大半の大人しい「男キャラに興味がないだけ」の層までもが肩身が狭い思いをすることになってしまっている。
ユニコーンの悪名はおもしろおかしい事例として、軽率な異性コラボ等の批判への体の良いカウンターも使われ、そういったファン層を獲得する事のリスクとして反面教師的に用いられる事になっているのだ。
こうした印象から世間では「アイドル部から流れてくる厄介ファンはいらない」だとか言われているのを見かけるが、では関係性オタクである所謂カプ厨やコラボで何かする度に湧く杞憂民は厄介ではないのだろうかと問いたい。
あらゆるファンはそれ自体に一定の厄介さを含むものであって、最初から狙う必要がないファン層はあっても獲得しない方が良いファンなどは存在しないはずだ。
一部の過激派のユニコーンが要らないとは=それを包含するもっと大きな層に対してもそのアプローチを諦めるという事でもある。
きららアニメ等に代表される「女性キャラだけを見たい層」というのは二次元オタク界隈的にも普遍的な層だ。
その数が少ないとはとても思えない。
アイドル部やホロライブの主力メンバーがメインで獲得するような気質のファン層はこの界隈で要らないと切って捨てて良い需要ではないように思う。
何よりもこの需要の在り方を切り捨てるなら、にじさんじの女性ライバーはより芸人的な面白さや、ゲームの活用の上手さが問われる需要で生きるしかなくなり、優れた男性ライバーと同条件で比較されてしまうだろう。
結局の所はこれもまた箱の文化や特性に引っ張られたライバー個々の活動スタイルのテンプレ化、自分の道を探らず安易に迎合してしまう自己プロデュース力の低さという問題に尽きる。
本来ならばライバーによってその個性や活動スタンスはバラバラであるべきだ。
ファンへの需要の作り方はライバー個々が自分の売り出し方に合わせて決めるものだ。
正直な話これだけライバーを増やしたのだから多様性という点で見ても、「私はアイドル売りでやって行きたいから案件以外で男性とは必要以上にコラボはしません」と自己プロデュースを考えるライバーはもっと居ても良い。
どれほどユニコーン的なファン層を蔑もうと、そこには確実な需要があるのだから、そういったタイプへの需要に対しての受け皿が少ないという状況は勿体ないだけだ。
しかし、今のにじさんじで男の影をチラつかせない方が人気が出るであろうタイプのライバーが居たとしても多くはこの男女混合とコラボありきの流れに巻き込まれるのであろう。
そもそも同期からして既に男性ライバーとのセット売りを計画してるのだから避けようがない。
大規模コラボや共有鯖にも男性ライバーが居る以上は否が応でも男性ライバーの姿を目にして干渉する事態となる。
そして男性ライバーの活躍に対抗出来ずにその存在感は希薄になっていく。
かくして芸人であろうとせず、かといってアイドルにもなれない、明確な売りを見いだせない女性ライバーが数ばかり増えていく結果に繋がっている。
この”ユニコーン的な理由によるアイドル性の消失”という状況に際して、最も害悪と言えるのは「人気がないにも拘わらず女性ライバーと積極的に交流を持とうとする男性ライバー」の存在。
あくまでも女性よりも有能でコラボなどで活躍する好感度の高い男性ライバー達が許されるのであって、人気を獲得できない男性ライバーの存在は女性ライバーの人気商売的にはデメリットしかない。
”箱の奔流にのまれない「ギバラと鈴原」”
ならば逆ににじさんじで数少ないこの受け皿となっている女性ライバーの活躍には今後の新人や女性ライバーがバズるためのヒントを見出す事が出来るのではないかとも考えられる。
今躍進する男性ライバーの影響を受けていない女性ライバー。
その中でも象徴的と言えるのは御伽原江良、鈴原るるの二人だ。
御伽原江良はジャンルこそ違うが月ノ美兎の性質に近い可愛い見た目からの芸人ムーブや、オタクへの親近感を誘うトークなど女性的な魅力と男性的なムーブを一人で兼ね備えてある種の自己完結をしているライバーだ。
特筆するべきはインフルエンサーとしての才能。
多くのライバー達が「身内のライバーに向けたツイート」に終始する閉じた傾向がある中で、世の中のオタクやメンヘラ女子へ向けたものが多く外向けにもバズる力が強い。
一般的なアクションやFPSなどのゲーム慣れこそしていなかったものの、リズム天国を代表とする音ゲー類では高い才能を見せており「オールパーフェクト」や「目隠しパーフェクト」配信などゲームを使った話題性の作り方も非常に優れている。
一方で鈴原るるは声や素行こそ女性的な魅力に溢れ、一見すると如何にもなアイドル売りタイプに見えるが、そのゲームの趣味や熱量は男性的な属性にあるゲーマー要素を含み、これもまた一つのギャップ売りと言えるものを感じさせる。
長時間配信しようが全くテンションが変わらないその配信スタイル。
箱のコミュニティに流されない異端的なポジションで、強い存在感を示しながらも独力で伸びている印象が強い。
コラボや関係性を網羅しないと楽しめないにじさんじの中でも
「鈴原るるはソロ配信だけを見ていれば満足出来る」
という箱の事象に左右されない安心感がある。
直接のコラボをしていないにも拘わらずホロライブリスナー率がにじさんじ内ライバー中トップであるのはその証拠のように思う。
※通常このデータで見るにじさんじライバーの配信でのホロライブリスナー率は平均して5~8%。
この2人には以下の特筆するべき共通点がある
・1つは前述したように女性ライバーでありながら男性ライバーが得意な領分にも踏み込めるようなライバーである事。
多くの人気Vtuberと同じくギャップ売りという武器の強さ。
・2つ目は同期売りが機能していない事やコラボ範囲の狭さ。
その理由はここでは省くが同期売りというメリットが存在しない事と引き換えに、同期に自身の活動が左右される事がなくなった事で、結果として個の活動スタンスの独自性に繋がった部分があるように思われる。
ライバーの活動方針や売り出し方が違うものであれば、ファン層は千差万別にあり、時には同じ箱の中ではそれらが衝突する事態になる。
みれロア問題などを見ても、アイドル売りと過激な芸人売りなどでリスナー同士が衝突する事は大いにあり得る。
ARKやマイクラなどでのファン同士の衝突は日常茶飯事だ。
関係性の輪を広げる事はそれらに囚われるという事でもある。
過激な事を言うと同期に迷惑を掛けるだとか、同期はキャリーしないといけないだとかを気にせずに自分の責任の中で自分のコンテンツ力を高める事が出来たのではないだろうか。
加えて同期の友達の~友達~に誘われたという理由で大規模オフコラボや雑多なライバーとのコラボまみれの馴れ合いルートにも巻き込まれ難い。
この二人のコラボ範囲の狭さを即ち”意思の強さ”とまでは持ち上げるつもりはなく、他のライバーと同じで誘われてしまえば誰が相手でも忙しい以外の理由では断れないだろう。
周囲から見てもコラボをするのが難しい、このライバーを起用するからにはとハードルを高く思わせるような、雑なコラボには誘われ難い立ち位置や活動スタンスが重要なのだ。
御伽原江良はそれを「ぼっち」属性として半ば売りにし始めた。
「ぼっち」「コミュ障」は界隈では人気の属性でしかない。
ライバー同士の交友関係の広さはファンの目線からすれば疎外感と共に売りには感じられず、むしろ孤立した立ち位置こそを好まれる傾向にある。
・3つ目は大会や共有鯖などにも参加していない事が挙げられる。
箱全体やそのコミュニティがワイワイと盛り上がる中でもマイペースに自分のスタイルを貫徹する。
単推し層からすれば自分が興味がないライバーを見なくても彼女たちだけで完結している事が有り難いはずだ。
それこそ大会の練習一色、ARK一色に染まる中でそういった、箱の関係性コンテンツに興味がない層への受け皿的な役割を果たすのも彼女達だろう。
これらの事から根本的に同僚のライバーよりもファンの方を見ていますよという印象が強く出る形になっている。
箱コンテンツの流れから外れる事で男性ライバーの存在感が強くなった今でもファンを吸われる事がなく、男性それ自体との接点の薄さからユニコーン的な層も刺激し難い存在となった。
関係性と男性ライバーが幅を利かせるにじさんじの中でもその枠にそもそも入って来ないという強み。
自分の配信を追うだけでもファンが満たされる枠を確立した事で外向けにも入りやすいアプローチが出来ているのだろう。
あまり男性ライバーが介入して来ないことは女性的なアイドル性を損なわせずに需要層を広く取り、頼る先のライバーが少ない事で自己プロデュースを意識せざるを得ない状況に身を置く事となった。
それ故の"新規が取れる女性ライバー"と言えるだろう。
統合後の新人に今必要とされるのはこの二人のようなタイプではないか。
然るに最近の新人はあまりにも関係性の助け合い精神を最初から強調しすぎた。
コラボコラボが面白いのはもう判っているのだ。
そして多くの場合に面白い事をしようとするのが男性ライバー側なのも判っている。
男性ライバーを誘って弄ってボケさせてゲームスキルが低い女性陣を介護すればウケるというお決まりの流れで溢れている。
今後10人も20人も同じライバーを増やしてもファンの取り合いになって分散するだけだろう。
特にゲームを使ったコラボや企画系では男性が中心的存在として目立つ一方でただ居るだけになりがちな「替えの聞く女性ライバー」のポジションは満員だ。
それこそ「ぐんかん」や「エビマル」くらいに相互のバフになるならともかく多くのライバーはもはや役割被りを起こし始めている。
ノマカプ需要にすら発展しない男女が絡んでいるだけという光景は、面白いムーブを取れる男性ライバーが目立つ一方で、男性キャラに興味がない層が女性ライバーに寄り付かず新規獲得に不利な状況を生み出した。
男女絡みが前提となる舞台の中では最初から女性的なアイドル売りを自分で意識せず、かといって面白さでは同僚の男性ライバーに劣る引き立て役。
そんなどうしようもない板挟みに陥ったにじさんじの女性ライバー達。
新人をどんどん追加して増やすなら、鈴原るるや今の御伽原江良のようなスタンスで人気を確立させるライバーが増えなければ箱のファンは男性ライバーに取られてアイドル売りが出来ない女性ライバーの影が薄くなり、男性ライバーに流れる数字も打ち止めになるだろう。
その男性ライバーがリアル実況者のキヨやレトルト等あの辺までバズって箱全体を引っ張れるならまた別だと思うが・・・。
まとめ
男女コラボ、共有鯖の活性化、大会などの箱企画が増える
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大勢が集う場所で箱推しファンから注目されるかどうかが重要になる
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コラボでオチ担当や弄られ側に置かれるのは男性ライバー
ゲームの分野で活躍するのも男性ライバー
箱推しに注目されるムーブを積極的に取れるのは男性ライバー
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男性ライバーにファンが集中して箱内のファンを数多く抱え込む状況
しかし男性ライバーは根本的に箱外からの新規を取る力は弱い
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逆に箱の数字を使うのが下手で男性任せにして面白い事をしようとしない、影の薄くなった女性ライバー達が弱体化
男性ライバーの存在感が増した箱の中ではアイドル売りも難しくそれらを求める層はホロライブ等に流れる
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新規を取れるような女性ライバーが生まれ難い土壌になる
(芸人路線やゲーム路線なら男性ライバーに勝たなくてはならない。アイドル路線なら男性との絡みがネックとなる)
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箱自体の新規が枯渇することで男性ライバーに流れる数字も打ち止め
この環境を克服するためにはどうしたらいいかという個人的な見解
1つは箱コンテンツの輪の中から半歩でも外れる事。
男性ライバーに吸われる事や女性としての最大の武器であるアイドル売りの需要層から敬遠される状況を作らない事。
ただ正直今からにじさんじに入るような女性ライバーが同僚のライバーと一線を引いて活動する姿はあまりに想像出来ない。
新人のフレン・E・ルスタリオがデビューからたったの1ヶ月同期以外とのコラボしなかっただけでマシュマロで「にじさんじ個人勢」扱いされてコラボを促されたりする光景は異常に感じられる。
あのスタイルで活動している鈴原るるに対してすらもコラボコラボと口煩くせっついてくる輩が多く、今からこの環境に身を置く新人がこれらのファン側の意向を無視するのは難しいように思う。
もう1つは強くなった男性ライバーとの間に関係性の需要を作り出す。
いっそ完全にノマカプ需要に舵を切って、界隈外のノマカプ好きを獲得出来るくらいにまで発展させる。
特定の男がいる事だけでは必ずしもアイドル性を喪失させる訳ではなくSAOのキリトとアスナ然り、キャラクター人気を保ったまま歓迎されるカップリング売りは可能なはずだ。
この場合は生主的なただ単に裏で仲良く遊びましたでは誰も盛り上がらず、
ある程度のキャラクター的な要素、エンタメである事を理解させるような関係性に対してのRPを必要とする。
ライバー同士の相性も関係性がバズるかどうかも運が絡み、破綻した時のダメージは大きく、狙って成功させるのは難しいだろう。
最後はそもそも男性ライバーに負けなければ良い。
現状で大半の女性ライバーが取れる一番の近道はこれだろう。
にじさんじらしく男女コラボの中に身を置きながらも、しっかり面白くする意識を持って男性ライバーよりも注目される事。
機材や配信環境を万全にしてチャンスを逃さず、コラボでは弄られても美味しいポジションを確立して自ら率先して笑いを取りに行き、大会で注目株になるくらいにゲームを上手くなるなり、ARK等で全チャで呼びかけ商人プレイで交渉ごっこをしたり戦争をふっかけて周りよりも目立てば良いだけだ。
にじさんじから一歩外に出て見れば女性であろうが、男性ライバー並に数字意識が高くて自分が目立つ為には躊躇がない狡猾なVtuberで溢れていると感じられる。
時にはにじさんじのその膨大な数字を利用して上に成り上がろうとするのも界隈での常道手段だろう。
そんな環境に身を置く中で、頼りになる男性ライバーに守られた意志薄弱なにじさんじの女性ライバー達は果たして今後も戦っていけるのだろうか。
男女コラボやその関係性にしてもにじさんじだけの特権ではなくなる日は来ている。
カップル企画などもそうだがとりあえず立場の弱い男性ライバーの事を女性陣が弄って「地獄」だの「炎上するwww」だのネタにしておけば"面白い企画感"で注目を集められるのはどこでも同じだ。
男性ライバーがにじさんじの箱推しからの支持を得て、関係性を求めるファンによって成長した存在であるだけに、それを外部に利用された際にはにじさんじ全体の客層を譲り渡すのに等しい効果を発揮するだろう。
また、にじさんじの男性ライバーが外部の女性vtuberとコラボして人気を泊した所で外からの新規を取ってくる効果は非常に薄いと言えるだろう。
当然ながら有力なコラボ相手のファンはにじさんじを既に知っている。
男性vtuberに興味があるならまず、にじさんじに辿り着いている。
外部の女性vtuberのほとんどのファン層が女性vtuberにしか興味がない。
男女コラボでの需要はにじさんじ内から溢れ出るものばかりだ。
そのため今の状況で数字に貪欲な外部の女性Vtuberの方がにじさんじの男性ライバーを活かせるという事になったら割と詰みな気がしている。
箱の文化性や杞憂民などの存在、様々な制限やしがらみなどから無茶が出来なくなったにじさんじ。
男性ライバーがその本領を発揮できる舞台がにじさんじの内よりも外にある、と見限られてしまってはその数少ない売りも潰える事になるだろう。
勘違いするべきではないのは、男女ノマカプ需要以外の部分では、
「男性だから人気」になったわけではないという事。
あくまでも男性に多く備わっているような特性やコラボで与えられるポジションが女性ライバーのそれよりも箱の中で人気を得やすいという話。
男性ライバーのほとんどは共有鯖と大会絡みのゲーム配信しかしていない箱に依存した存在。
人気のない男性ライバーが箱内で幅を利かせる事は最も深刻な弊害となる。
次回、にじさんじ文化論「新人は男性3人組。アイドル売りの難しさ」
▼私が過去に投稿したにじさんじ文化論へのリンク▼
・にじさんじ文化論「馴れ合いの増加、低め合う関係性」
・にじさんじ文化論「ライバーとしての自覚の無さ、優しさという武器」
・にじさんじ文化論「男性ライバーの活躍と女性ライバーの弱体化」
・にじさんじ文化論「新人は男性3人組。アイドル売りの難しさ」
・にじさんじ文化論「ホロライブは最強で最悪のライバル?」
・にじさんじ文化論「無敵のホロライブとライバル不在の箱」
・にじさんじ文化論「イベントや案件中心の是非。ゲーマーズ人気の環境」
・にじさんじ文化論「炎上の予兆。好感度の大切さ」