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私設図書館「本どころ」の運営方針とその思想について@熊野寮(1738 文字; 5 分)

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筆者は京都大学熊野寮の中で私設図書館「本どころ」を復興・運営している。以前の住人がこれを設置したが、貸し出しを禁じた事によって、長い間本どころは使われていなかった。このnote はその「本どころ」に関して質問が来たときの長い返信です。


以下の質問をもらった:

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返答:

古本市で集めた本の売り上げは、全額図書の購入に当てます。

図書の選定は、寮生の意見を広く聞くこととし、さらに下鴨神社の古本市などで、可能な限り安く購入します。

本どころの本を売るのかーということに関してですが、第一に、あそこの本の7割程度は僕とOくんとで集めたり購入したりしたものです(それを寄贈して整備までしているということです)。

残りの3割はもともと本どころにあったものですが、本質的にはあそこから僕らに対して経済的利益はありません。本どころは、実際には貸し出しする図書館の亜種なのです。解りにくいと思うので詳述します。

有志があそこを本どころとして整備したとき、はじめは貸し出し不可能で、非常に利用しにくかったことは周知の通りかと思います。結果として、本どころは何度も僕が片付けたり掃除しているのですが、利用されず、利用者がいないからこそ本どころはゴミ捨て場所ないし物置きになっていました。

そこで、本を広く寮生に貸し出し可能な形で運用したいと思いました。そうすると、問題になるのは誰がどのように運営するのかーという話です。僕が検討した運用方法は以下の通りです:
①テキトーにおいておくので、テキトーに返してくださいという方式
②貸し出しカードで管理する方式
③古本販売して利益を本どころの改善に利用するという方式

①に関しては、僕は以前タテカン制作スペースに工具どころというものを整備して全寮生に公開したのですが、熊野寮祭のタイミングで、その工具の2/3は散逸しました。自由に使っていいから、使ったものを元の場所に戻しておいてねーというのは400人を超えるコミュニティにおいて全く機能なかったのです(寮生のモラルがもっと高いか、コミュニティが小さいなら成立すると思います)。

②に関しては、誰が管理するのかーという問題があります。少なくとも僕は貸し出しの管理までボランティアでしたくありません。文化部がやってくれるなら話は別ですが。

そこで、考案したのが、現在の③です。いったん古本としてすべての本を売ってしまってから、その本で寮生の希望する図書を購入したり、本どころの整備に使用する方針にしました。

そうすれば、
・本どころの本を自室や談話室で読むことができるようになり
・LINEPayでの決済を受け付けていることですぐに本を持っていくことができ
・②と違って利用者が僕とコンタクトするタイミングは一度だけなので、管理者側だけでなく利用者も面倒くさいくないですし、
・何より利用者の欲しい図書を購入していけば、本どころは寮生の、共同の図書館のようになっていきます

これらのメリットによって、運用方針③は本の利用者数を上げると思いますし、
・寮内の本を集中的に集めたり
・価格設定することで
本の散逸を抑制して寮内の美化に貢献します。福島の原発事故があったとき、イオングループはおにぎりを激安価格で“売り”ました。ただでも良かったのですが、無料だと無茶なとり方をするので、捨てられたりする無駄が多くなるのです。本どころの本を無料開放したら、すぐに本はなくなり、寮内でゴミになると思います。

最後に、2点追記します。

まず、本どころ創設者はKSさん、KNさんともうひとりの方がいましたが、在寮しているのは、KNさんだけです。彼女にはこの話はしてありますし、好意的に受け取ってくれているようです。さらに、当時本どころセクション長であったKSさんが在寮していたときに、本どころを僕が改革すること自体は任せてもらっていました。

次に、文化部員は実質的に本どころを放棄していると思っていたので、このような意見が出ることは喜ばしいことだと思っています。

本どころの改革に情熱を持つ人間は多くないので、寮内の読書を盛り上げたいと思われる方は是非一緒にやっていただきたいですし、責任持って運営・運用してくれるなら今すぐにでも任すので名乗り出てください。

長文失礼しました。

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