Coffee story エピソード2 【ローズヒップ】
【ストロベリーフィールズフォーエバー】①
私には、ずいぶん昔からお気に入りの場所がある。お気に入りというより、約束の地みたいなものだ。昔付き合っていた人と過ごした場所で再会を誓った場所だ。
ショッピングモールの二階角にある、ガラス張りの喫茶店で『カフェRe-Q』という名前だ。
私は学生時代から通っていたが、数年前から私とさほど歳が変わらない気さくな感じのいい定員さんが居るようになって、私を常連扱いをしてくれ、最近では、お互いの話をするようになっていた。
そこでいつも注文するローズヒップは、透明のガラスポットにお湯を入れてあり、自分でティーバックを入れて飲むスタイルだった。たまに、あと1日で賞味期限が切れるクッキーをコッソリくれたりする。
何よりここは、いつでもビートルズナンバーが流れていて、ここに来れば私の青春のあの頃の思い出に戻っていけるのだった。
有線放送のビートルズナンバーを流すチャンネルだから延々とビートルズが流れていて、ほんとに心地よく時間を過ごせるので、会社や私生活で嫌なことがあると必ずここに来てあの曲が流れるまでいたりする。
私が大好きな曲
『ストロベリーフィールズフォーエバー』がかかるのを待っている。
Let me take you down, 'cos I'm going to Strawberry Fields
Nothing is real and nothing to get hung about
Strawberry Fields forever
学生時代のサークルでビートルズ研究会というのに入っていた。バンドでコピーをするというのではなく、ビートルズの歌詞を歌詞の意味を追究するというサークルだ。ビートルズの歌詞はなかなか複雑で比喩や裏の意味があり、さすがジョンだと何度も感動したものだった。 ちなみに私は、ジョンレノン派だ。
特にこの曲は、ジョンの生い立ちからの複雑な心境が底にあるのではと解釈された和訳もあるのでとても面白かったが、かなり難しかった。それにこの曲をテーマに推してきたのが彼で、後から知ったが、彼もジョンと同じような生い立ちだったらしいのだ。
彼からこの曲を教えてもらい何度も何度も聞いて歌詞を噛み砕くように分解し、日本語の意味を当てはめていく作業に夢中になった。
ストロベリー・フィールズがいちご畑ではなく、ジョンの家の近くにあった孤児院だと知ってなんとなく歌詞の解釈も落ち着いたのを覚えている。
彼は、この曲に向き合った時どう思ったんだろう。
今では、なんとなく分かるが当時は、まさかそんな深い意味があるなんて分かるわけもなく、好きな人が推してきた曲だから私も好き的なノリだった。
好きな人と同じ目的で同じ時間を過ごせるのだからほんとに夢中になっていたのだ。
『僕と一緒に行かないか
あのストロベリー・フィールズに
すべてが夢 捕われるものさえ何もない
ストロベリー・フィールズよ 永遠に』
こんな意味だったと思う。
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