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3月28日 宝ラボイベントレポート

 福島県磐梯町は、磐梯町総合計画の中で掲げる「共創協働のまちづくり」をより活発にすることを目的とし、磐梯町官民共創認定プロジェクト「ばんだい宝ラボ」を2021年度から本格始動します。
 そのキックオフイベントを一般社団法人官民共創未来コンソーシアムとの共催で行いましたので、そのイベントがどんなものだったのか、簡単なレポートでお伝えします。

人口3,402人のまち 磐梯町のイマとミライ

主催である磐梯町の佐藤町長より磐梯町がどんな町なのか紹介されました。
渋谷のスクランブル交差点が一度に渡る人の数は、なんと3,000人。
磐梯町の人口とほとんど同じです。
そんな小さな町ですが、古くからの歴史があり、大きな工場が進出したこともあって一時は7,000人を超えましたが、今は3,000人となっています。
現在も、星野リゾートアルツ磐梯というスキー場や日本で唯一のSIGMA(レンズ)の工場もありますが、20年後には2,000人台の人口になると予想されています。
そのような状況ですが、「誰一人取り残さない共生社会の実現」を目指して、住民と協働でまちづくりをしていこうとしています。
そんな未来をデジタル変革と官民共創の2つの柱で実現しようとしています。
そして、磐梯町「と」よくしていきたい人とアイディアを実現するプロジェクトばんだい宝ラボが2021年度よりスタートします。

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磐梯町×横瀬町×鎌倉市 トークセッション

官民連携で先進的な自治体である、横瀬町から富田町長、鎌倉市から比留間部長をお招きし、磐梯町の佐藤町長を含めて3者と代表理事の小田でのトークセッションを行いました。
横瀬町も鎌倉市も官民連携を進めていったので、ただ連携する数を増やすだけではなく、「価値あるプロジェクト」をどれだけ生み出していくか、にシフトしていっていると紹介されていました。
トーク全てを書き起こすことは難しいので、印象に残ったところをレポートします。

小さいからこそできることがある

町であっても、市であってもやらなくてはならない仕事はそう変わりません。
町の職員は一人で何役もこなさなければいけないことが当たり前です。
しかし、人数が少ないからこそ熱意を伝えやすいのが小さな自治体ならではの強みだと両方の町長は語られていました。
磐梯町では町長長がTeamsを使ってどんなことを考えているのか発信している。横瀬町では中小企業みたいな規模だから、職員全員にメッセージを伝えて熱意を伝播させやすい。と語っていました。
また、やらなければならないことに注力しよう使える制度は何でも使おうと語っておられました。
一方で、鎌倉市では、市長がモーニングメッセージを伝えたり、部長職には政策会議を通じて情報発信をされていますが、皆でやっていく一体感を職員全体で持てているかというと、大きい自治体ゆえに伝わりきっていないという悩みがありました。

まずは、挨拶から

外の人が入ってきての悪口の8割は「あいつは挨拶が出来ない」だと富田町長は語られていました。
地域の「よそもの許容度」を上げていきながら、地域に入る人には「まずは挨拶を大事にね」というメッセージを伝えているといわれていました。
本当に小さなことですが、あらためて大事にしようと思いました。

決め切ると進まず、とりあえず協定では動かず

鎌倉市では、「何をやるか決めてから連携を進めよう」と動いたら中々連携が進まず、「中身を決めずにまずは協定を結ぼう」とするとプロジェクトが生まれずで苦労したと語られていました。
何をやるのか1つ2つは決めてから協定を結ぶのが大事だと振り返っていました。

官同士の連携の兆し

横瀬町では、民意をちゃんとつかみきれているのか、という課題感があり、「アンケートの回答率を高める実証実験」を民間企業と連携して進めました。その民間企業がもう少し都市部まちを紹介してもらいたいといわれ、鎌倉市を紹介されたそうです。
官と民の連携だけでなく、官同士の連携の兆しが少し見えてきました。

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ばんだい宝ラボプロジェクト紹介

・AI議事録で行政業務を革新する(株式会社オルツ)
・日本酒女子が磐梯町の日本酒を応援する(PON酒女子)
・若手農家とコラボした磐梯の食を詰め込んだワンプレート作り(ばんだいジオピザプロジェクト)
・オンライン/オフラインで磐梯のプレイヤーと共創し考えるミートアップ(株式会社インターン)の4つのプロジェクトを紹介されました。

AI議事録で行政業務を革新する

AIが簡単な業務であれば、自分の代わりにやってくれる。
そんな未来を実現するために活動されている株式会社オルツさんがその一歩として、AIを使って議事録を起こすプロジェクトを紹介されました。
イベントでは実際に話している言葉が文字に起こされているデモンストレーションが行われ、その精度とスピードで会場を驚かせました。

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日本酒女子が磐梯町の日本酒を応援する

日本文化でもある日本酒を発信する女性団体のPON酒女子さんが、「日本酒になじみが薄い20代~30代」をメインに日本酒のよさを広めるプロジェクトを紹介されました。
新しい日本酒シーンやコミュニティづくり、新しい日本酒づくり、磐梯町ではオンライン帰省イベントの活動を紹介されました。

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若手農家とコラボした磐梯の食を詰め込んだワンプレート作り

磐梯町を農業を通じて盛り上げるプロジェクトを紹介されました。
ピザ窯を中心に、生産者(農業)と食べる人をつなぐコミュニティづくりが出来ないかという挑戦です。

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オンライン/オフラインで磐梯のプレイヤーと共創し考えるミートアップ

採択されたばかりで多くは語る時間はありませんでしたが、関係人口を作っていくため、新しいことにチャレンジしたい若者と地域の人々をつなぐ、ミートアップイベントを今後行うことが紹介されました。

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イベントを通じて

イベント全体の中で、キーになるのは「人」だと語られていたと感じました。まちの人、役所の中に人、役所の外から来てくれる人、様々な力を総動員してなんとか地域を残していけないか。
大きな自治体だからこそできることもあるし、小さな自治体だからこそできることもある。
言ってしまえば、当たり前のことですが、「私の市は○○市ほど大きくないから日々の業務で手一杯で何もできない」「私の市は職員だけでも○○万人もいて、市長の力で制御が効かない」など、言い訳をしようと思えば出来てしまうものです。そこをグッとこらえて、現実を正面から受け止めて、何か動かしていこうという力を3自治体の方から感じました。
とはいえいきなりなにか出来るとは限りません。
一番簡単な第一歩として、「まず挨拶から」というキーワードをもらったと思っておりますので、実践していきたいと思います。
ライター:高橋宗開(プロボノメンバー)

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