あんたま日記『神は遊戯に飢えている。』
前回は最新刊の感想だけで、作品紹介をしていませんでした。本当に申し訳ございませんでした。
もう夏ですね。パワプロの栄冠ナインが楽しくてやめれない…。
というわけで、今回紹介するのは「神は遊戯に飢えている」です。今までラブコメばかり紹介してきましたが、今回は別ジャンルの作品となります。
【はじめに】
私がこの作品に触れたきっかけは「最近ラブコメばっか読んでる…たまには違うジャンルのものを読みたい」、という思いから買いました。
作品のジャンルは…頭脳バトルもの、或いは異能バトルものでしょうか。本の帯には「ファンタジー系頭脳ゲーム」と記載されていたので、まぁとりあえず頭を使って戦うお話です。
著者は「細音啓」さん。他にも色々書いている人なので、もしかしたら知っているという人もいることでしょう。
【あらすじ】
Wikiが見つからなかったので、裏表紙にあったあらすじを要約します。
「暇を持て余した神が作った頭脳ゲーム「神々の遊び」。永き眠りより目覚めた元神様の少女レーシュは開口一番にこう宣言した。「この時代で一番遊戯の上手い人間を連れてきて!」指名されたのは近年最高のルーキーと称される少年フェイ。二人が挑む「神々の遊び」は難易度高すぎて攻略者は未だにゼロ。なぜなら神様は気まぐれで、理不尽で、理解不能だから。そんなゲームだからこそ、むしろ楽しんで遊ばなきゃもったいない!ここに天才ゲーム少年と元神様の少女と仲間たちによる、至高の神々との頭脳戦が幕を開ける!」
自分でこのnoteを書くために読み返してみると、結構内容が難しかったです。設定を説明しようと思ったら複雑なんですね。読むと別にそうでもないんですけど。
なので作中に出てくる「神々の遊び」のルールを、かみ砕いて説明してみます。
ルール1
神々から神呪を与えられた人間が使徒となる
ルール2
神呪を授かった人間は固有の力を得て、「神々の遊び」に挑むことができる
ルール3
神々の遊びは全て専用のステージで行われる
ルール4
神呪は、そのステージでしか使えない
ルール5
ただし神々の遊びに勝利すれば、その勝利数に応じてステージ外でも神呪の一部を使えるようになる
ルール6
3回神々の遊びに敗北すると、神々の遊びへの挑戦権を失う。
ルール7
神に10回勝利すると、完全攻略となる
完全攻略
完全攻略すると、『神の栄光』が与えられる。
以上が大まかな設定です。神呪というのは、所謂魔法のことで「肉体がめっちゃ頑丈になる」や「炎を扱えるようになる」などです。
ここでもう一つ、作品内で大事な設定として「世界の多くが未開拓の地である」というものがあります。
つまり、神々の遊びは「神様は人間と遊んで暇を潰せる」「人間は能力の使って、未開拓の地を開拓できるようになる」というwin-winの関係を作っています。これが神々の遊びの存在する理由であり、人間が挑戦する動機になるわけです。よくできてるなぁ。
そもそも、神々の遊びってなんぞやって話ですよね。神々というだけあって、神はめっちゃ数がいます。その神毎に遊びの内容も変わってくるわけですが…。遊びの内容は例えば鬼ごっこだったり、NGワードゲームのようなものだったり…そこにさらに詳細な勝利条件、敗北条件、特殊ルールが設定されている感じです。
さて、長々と説明してきましたが、この作品の魅力はやはり理不尽なゲームの攻略でしょう。主人公達が対策を考え、その間にモブたちが慌てふためき、ピンチに陥って、主人公達が打開する…お話として綺麗に纏まっていると思います。
【キャラクター】
というわけで、物語の登場する主要人物3名を紹介。意外と登場人物が少ないのも特徴かもしれませんね。
①フェイ
主人公。
「神々の遊び」通算成績は未だ無敗で「近年最高のルーキー」と期待されている。神呪は簡単にいうと「肉体が超頑丈」です。
ゲームが心の底から大好きで、恩師に勝つためにその腕を磨いてきた天才少年です。その実績から、色々な人からも注目されている、正に物語の渦中の存在ですね。
最近はモブキャラだったり、成り上がりだったり、誰からも注目されてない系キャラが多いイメージだったのですが、フェイ君はホープとして注目されていて良きです。
②レオレーシェ
ヒロインその1。
うっかり3000年の眠っていたが、最近目覚めた元神様。目覚めてからは少女の姿をしているが、神さまに相応しい力と頭脳を持っている。ゲーム大好き。
巨大な力を持っていて、ゲームが好きで、自由奔放な性格をしている子です。一応神様なので、時々神々しくなります。ざっくりいうと、「有能なこのすばのアクア」みたいな感じ。
③パール
ヒロインその2。
神呪は「テレポート」。思い込みが激しい性格で、何かと残念な少女。しかしそのテレポート能力はかなり強力で、主人公チームの中のダークホース的な存在。
…と、着やせするタイプのポンです。「はわわ」とあたふたして自信がない性格な少女ですが、意外性を持った存在でもあります。オリジナルの技名をつけたり、脳内花畑だったり、デュエリストに向いてそうだなと思いました。かわいい。
【推しポイント】
①頭を使った先の読めないゲーム
ゲーム内容が複雑なのもあり、どう攻略するんだろうというわくわくな展開がいくつもあります。こういう作品は頭が良くないと書けないでしょうし、素直に羨ましいです。
②初心に返してくれる
どういうことかというと、純粋にゲームを楽しむ気持ちを思い返してくれます。「このゲーム、どう攻略しようかな」や「ゲームを楽しむ」という気持ちを思い出させてくれます。作中に出てくるモブ達は「理不尽なゲームに対する怒り」や「はぁ~クソ、二度とやらんわこのクソゲー」となるし、それは私たちにも当てはまりそうなことですね。ゲームに対する初心を思い出させてくれる良き作品です。
【うーん…ポイント】
※個人の感想です
①内容が難しい
舞台設定だったり、ゲームのルールだったり、細かく設定が練られているので、脳死では読めないかもしれないですね。軽く適当に読みたい人には向いてないです。逆に、じっくり読みたい人には向いています。
また、ここまで主要登場人物が少ないので、理解のリソースを世界のルールの把握に割きやすいのはある意味工夫点なのかもしれませんね。
【まとめ】
まとめです。久しぶりのラブコメ以外の作品ということで、個人的には新鮮な気持ちで読めました。
まだ2巻しか出ていないので、ぜひ読んでください。上述した通り、じっくり読むのに向いているので、この夏暇を持て余している人はなおの事ぜひ読んで欲しい。
余談ですが2巻の帯に「雨宮天さん推薦!一巻を読んだ感想は「また遊びたい!」予想の付かない展開とあまりにダイナミックな遊戯に、自分も遊戯に参加しているかのようなワクワク感で読み切ってしまいました!」とあります。かなり的を射ている感想です。コミカライズも決定しているらしいですよ。
今回は以上になります。たぶん次回はまたラブコメラノベになることでしょう。