哲学プラクティスに関わる人への9の質問 #19 安本志帆さん
1.肩書き・職業など
福岡県で私立幼稚園教諭をしています。 社会活動では、みんなのてつがくCLAFA、カフェフィロ正会員として哲学プラクティスをしています。
2.現在の主な活動
福岡県に2年前に移住したことをきっかけに、不登校当事者(小中高校生)、発達凸凹当事者(先に同じ)、その家族、一定程度の精神障害の状態にあると認定された人たちとの哲学対話がはじまりました。
愛知県在住時代から継続されているのは、犬山市でのこどもと大人の哲学対話「犬てつ」と名古屋市の小学生とのこども哲学「CLAFA対話のアトリエ」です。犬てつはまもなく6年目に突入し、名古屋市の小学2年生とは彼らが幼稚園児の頃からのお付き合いなので4年目に突入です。
3.はじめて哲学プラクティスに出会った日はいつですか?
2014年にアカデミックディベートの仲間が「哲学は学ぶものではなくするものだ」と言ったことをきっかけに自分なりにいきついた「哲学カフェ」なるものに行ってみたいと思うようになりました。当時名古屋に住んでいた私は、南山大学社会倫理研究所の奥田太郎さん進行の喫茶店での哲学カフェに参加し、勧められるがまま奥田太郎さんの目の前に座ったことがすべてのはじまりです。
4.はじめて哲学プラクティスを実施したのはいつですか?
2015年、信頼できるママ友数名に声をかけ「こどもをかして!実践させて!」と頼んでやらせてもらいました。しばらくはずっとママ友や自分の同級生など、そこそこ深い付き合いをしてきた人達に、彼らのこどもや、甥っ子や姪っ子などを紹介してもらい、実践につきあってもらっていました。
5.哲学プラクティスを、はじめてやろうと思ったのはなぜですか?
我が子がよりよく自由に生きるために哲学対話が必要だと感じていたものの、自分がやるという視点ではまだ捉えきれずにいた頃、第一回哲学プラクティス連絡会で吉村直記さんが発表された「おへそ保育園での実践」を拝見しました。それを見て、この実践は自分が今までやってきたことも統合できるのではないかと希望が持てたからです。
6.今まで哲学プラクティスを続けてきたのはなぜですか?
哲学プラクティスの中でも興味関心が常に同じところにあったわけではなく、対話の場で出会う様々な人の大切な「言葉」を自分がもっと丁寧に扱えるようになりたいという強い気持ちから興味関心が広がっていきました。そして、気がつけばあっという間に今に至っています。
7.活動の中で、一番大事にしていることはなんですか?
人の数だけその人生があり、そのエピソードはいつも私の想像域をはるかに超えています。対話に参加してくださった方との出会いや、その場の一期一会性、ライブ感を最も大事にしています。その一方で継続することで培われていく場の安全性にも興味があります。
8.あなたにとって、哲学プラクティスとは?
生命のある期間、生命のための、生命の営み、「ライフ」そのものです。
9.影響を受けた活動、人物がいたら、教えてください。
哲学プラクティスの教育の側面で影響を受け続けているのは土屋陽介さん、ケアリングの側面では三浦隆宏さん、対話をする者の構えとして影響を受け続けているのは向谷地生良さんと西村高宏さん、そして、哲学的な言葉の見方、拾い方については村上靖彦さんです。もう少し大きな視点での私に多大な影響を与えている人としては、私に当事者研究を勧め、様々な方に繋ぎ、様々な場で私に経験をさせてくださる河野哲也さん、結果的に私の人生に大きく関わる出会いのきっかけをくださった井尻貴子さん、私の絶望を人間の言葉で交わそうとし続けてくださるミナタニアキさん、その絶望に付き合い倫理の力で救いあげてくださる奥田太郎さんです。
関連サイト
※「哲学プラクティスに関わる人の9の質問」については以下をご覧ください。