哲学プラクティスに関わる人への9の質問 #9 清水将吾さん
1.肩書き・職業など
立教大学兼任講師
上智大学非常勤講師
日本女子大学非常勤講師
東邦大学非常勤講師
NPO法人こども哲学おとな哲学アーダコーダ理事
2.現在の主な活動
ふだんは大学で哲学の研究と教育をしています。授業には哲学対話を取り入れています。(英語を使った授業や哲学対話も行っています。)
ほかには、「めぐろ哲学カフェ」「学生のための哲学カフェ」「もやもや探求おしゃべり会」で、定期的にファシリテーターを務めています。
それからNPO法人アーダコーダでは、1対1のオンライン哲学カフェを、子どもと大人の両方を対象にして行っています。
3.はじめて哲学プラクティスに出会った日はいつですか?
2011年にイギリス留学から帰国したときに、土屋陽介さんに開智中学校での哲学対話に連れて行ってもらいました。何度か見学したり参加したりするうちに、どんどんのめり込んでいきました。
4.はじめて哲学プラクティスを実施したのはいつですか?
はじめて哲学対話の進行をしたのは、河野哲也先生と寄居市での「子ども白熱哲学教室」に行ったときでした。楽しかったものの、何が何だかわからないまま終わってしまった記憶があります。
企画や運営に参加するようになったのは、東京大学UTCPに入って梶谷真司先生の「Philosophy for Everyone 哲学をすべての人に」プロジェクトに参加するようになってからです。熊本の町おこし婚活パーティでの哲学対話や、震災後の福島での哲学対話は、僕にとって忘れられない経験です。
5.哲学プラクティスを、はじめてやろうと思ったのはなぜですか?
僕は「子どものための哲学」から哲学対話にのめり込んでいったのですが、それがなぜなのか、自分でも長いあいだわかりませんでした。「まぎれもない哲学がここにはあるぞ!」という実感だけがありました。いま言葉にしてみると、それは(学説からではなく)生身の人間の問いから始まる哲学のことだったのだと思います。
6.今まで哲学プラクティスを続けてきたのはなぜですか?
「まぎれもない哲学がここにはあるぞ!」という実感がありながらも、その「哲学」とは何なのかがわからず、探っていきたくなりました。とくに、子どもの生々しい問い、奇抜な発想は、僕にとって大きな発見になるだけでなく、「哲学とは何か?」を考えるうえで貴重なインスピレーションになっています。
7.活動の中で、一番大事にしていることはなんですか?
ただただ探求するための時間と場所を作ることです。
8.あなたにとって、哲学プラクティスとは?
加工されていない、生のままの哲学です。そこに宝物が眠っています。
9.影響を受けた活動、人物がいたら、教えてください。
僕が哲学プラクティスをするうえで土台になっているのは、永井均、マシュー・リップマン、フランツ・チゼックでしょうか。影響を受けた方々は(敬称略)、土屋陽介、村瀬智之、河野哲也、渡邉文、綿内真由美、梶谷真司、松川えり、橋本和典、トマス・ジャクソン、トマス・ヨス、ワルター・コーハン、木本雄大、成田正人。円坐(参加者が集まって座るということだけが決まっているシンプルでミニマルな対話)の活動からも影響を受けました。
関連サイト
※「哲学プラクティスに関わる人の9の質問」については以下をご覧ください。