哲学プラクティスに関わる人への9の質問 #26 ミナタニアキ(楠本亜紀)さん
1.肩書き・職業など
仕事の依頼内容や名前によって使い分けていますが、ここで答えるなら岡本太郎にならって「人間」と言ってみたいです。
2.現在の主な活動
小さな出版社とオルタナティブスペース「Landschaft」を運営しています。身近なところから生まれる問いに向き合い、考え、実践し、記録をとどめ、発信する――文化、社会、政治の生まれる風景に目や耳を澄ませ、対話が生まれるような場/メディアをつくる試みをしています。
その一環として、こどもと大人がともに対話する場である「犬てつ(犬山×こども×大人×てつがく×対話)」、写真や言葉、記憶の風景を媒介に、聴き、記録し、伝える「みんなのアーカイブ」、政治や社会についてともに学び、声を届ける「まちづくり自主学校」、版元、キュレーション、執筆などの活動を行っています。
3.はじめて哲学プラクティスに出会った日はいつですか?
東日本大震災後に仙台メディアテークで開催された「考えるテーブル」の志賀理江子さんの連続レクチャーの最終回(2013年)に参加したときに、会場の一角に「せんだい・てつがくカフェ」での対話の言葉をとどめた黒板がありました。当時は「てつがくカフェ」という言葉も聞いたことがなく、何だろうこれは?と気になったところが哲学プラクティスとの出会いの日だと思います。
4.はじめて哲学プラクティスを実施したのはいつですか?
哲学対話に参加する機会もほとんどないまま、気になるなら自分で主催してしまおうと、2017年6月に「犬てつ」の第一回目を開催しました。進行役に安本志帆さん(こどもの進行役)、三浦隆宏さん(大人の進行役)を招いての哲学対話と、映画「こども哲学 -アーダコーダのじかん」上映の二本立てでした。周りに誰も「哲学対話」について知る人がないなか、身近な人たちとまずは知って体験しようというスタートでした。
5.哲学プラクティスを、はじめてやろうと思ったのはなぜですか?
仙台メディアテークでの出会いののち、鷲田清一さんが臨床哲学及び哲学カフェについて書かれていた記事にふれてさらに興味をもちました。当初は自分が参加することが目的でしたが、自分が関わるアート活動と哲学対話は根っこは同じだなと思ったことから、自分でも進行役をはじめるようになりました。
6.今まで哲学プラクティスを続けてきたのはなぜですか?
私を含め、それを必要としている人がいるから。 哲学プラクティスによってはじめて開かれる場のあり方があると思うから。
7.活動の中で、一番大事にしていることはなんですか?
自分も人もみくびらないこと。問い、考え、対話をつづけ、必要があれば一歩を踏み出してみること。
8.あなたにとって、哲学プラクティスとは?
ともに生きる手法。人が人であることを再認できる方法。
9.影響を受けた活動、人物がいたら、教えてください。
哲学対話の進行役のあり方としては安本志帆さん。志帆さんの進行に出会ってなければ、犬てつの活動も続けていなかったかもしれません。
関連サイト
※「哲学プラクティスに関わる人の9の質問」については以下をご覧ください。