哲学プラクティスに関わる人への9の質問 ♯1 松川 えり
1.肩書き・職業など
【おしごと】フリーランスの“てつがくやさん” 兼 主婦
【社会活動】カフェフィロ正会員、てつぷらマガジン編集部代表、第2の患者会すろーす副代表
2.現在の主な活動
ご依頼・ご要望に応じて、公民館、喫茶店、本屋、学校、福祉施設、病院などで、哲学カフェ、子どもの哲学、哲学ウォーク、ソクラティック・ダイアローグなどを企画・進行しています。(月10~15件ぐらい)
3.はじめて哲学プラクティスに出会った日はいつですか?
大学院に進学して1年目の2003年、所属していた大阪大学臨床哲学研究室の先輩に誘われて、先輩が大学の近所の喫茶店で開いた哲学カフェに参加しました。
ただ、それより前(1999年)に受講していた鷲田清一さんの共通教育の授業も、いま思えば哲学カフェっぽかったかも。受講者同士でテーマについて話し合ったり、映像作品をみて対話したり。
4.はじめて哲学プラクティスを実施したのはいつですか?
2004年1月、臨床哲学ゼミで知り合った藤本啓子さんのご紹介で、神戸市北区で活動している育児サークル〈グリーングラス〉のお母さんを対象に哲学カフェを進行。テーマは「子育てに必要なお付き合い」でした。
5.哲学プラクティスを、はじめてやろうと思ったのはなぜですか?
子ども頃からあれこれ考えるのが好きで、家族と画集を眺めながら「芸術ってなに?」、NHKの科学番組を観ながら「クローン人間をつくっちゃいけないのはなぜ?」など話すのが楽しかったので。
先輩方には「お母さんだけの哲学カフェなんて、視点が偏るのでは」と心配されながらも、家族でもできるんだからできるはず!と信じてました。
6.今まで哲学プラクティスを続けてきたのはなぜですか?
毎回、新しい発見があって飽きないので。ソクラテスが「無知の知」と言ったように、毎回、自分の知の限界や至らなさに気づかされるけれど、それが楽しくて好き。
また、“てつがくやさん”という道を選んだのは、こうした営みにお金を払うほど価値を感じている人がたくさんいることを実証したかったからでもあります。
7.活動の中で、一番大事にしていることはなんですか?
関心の交差点を見つけること。ひとりよがりにならないこと。
8.あなたにとって、哲学プラクティスとは?
「それって、ホントにホント?」と好奇心を解放してもウザがられない、自由であたたかい場。
地に足のついたリアルな思考が繰り広げられる営み。
9.影響を受けた活動、人物がいたら、教えてください。
たくさんいますが、あえて絞るなら‥‥‥
ほんまなほさん・高橋綾さん:様々な哲学プラクティスのあり方を教えてくださっただけでなく、その妥協なき姿勢にいつも刺激を受けています。
依頼者・参加者のみなさん:「こんなテーマで話したい」「この場所でこんな人と」といった要望が、哲学の新しい手法や可能性を切り拓くヒントになっています。