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たのしい ひとりぐらし

胸を躍らせながらコートを羽織り、家を出る。
「深夜にコンビニに行くなんて、
 悪いことをしている気分!大人になったんだなぁ」
そうご機嫌なわたしの声を聞き、
電話の向こうの友人は何だそりゃ、と笑い飛ばした。

ひとりで暮らすわたしの休日の朝は、遅い。
昼過ぎまでしっかり眠り、亀のようにのそっと動き出す。
大体ぼーっとしながら朝ごはんを食べるのだけれど、
たまーに、朝ごはんから楽しむ気分の日もある。
顔を洗って、着替えて、そのまま車に乗ってパン屋さんへ。

ひとり暮らしは、それが何時だろうと
「朝ごはん」と言い張れるのがいい。
次の「お昼ごはん」を気にしなくて良いのもいい。
誰が何と言おうと、わたしは朝ごはんを選びにきたのだ。
出来立てのパンの匂いに囲まれ、幸せな気持ちで
今日のお供をトングで挟む。

わたしは、4年前に就職のタイミングで家を出た。
何としてでもひとり暮らしをしたかった。
「何時に寝て何時に起きても問題なし!」
「お風呂は気が向いた時間でOK!」
「どんなに夜遊びしても怒られない!」
わかりやすいメリットはこんなところだろうか。

家事が大変じゃない?と言うだろう。
えぇ、全然楽じゃないですとも。
仕事の都合もあって自炊なんかできたもんじゃない。
仕事の日は丸2年、毎食コンビニごはんだった。
洗濯機を買うお金がなくて、コインランドリーに通ったりもした。

でもそれよりも、自由気ままに生きられる
その心の軽さがわたしには大事だった。
後悔などこの4年間、一度たりともしたことはない。

他にひとり暮らしで楽しかった話?そうだなぁ……

夜の11時ごろに仕事から帰ってきて、
そのまま着替えて彼氏に会いに3時間のドライブコースとか。
実家にいたら「こんな時間にどこ行くの!」コースなのにね。
あとは深夜の2時にカップ麺食べちゃうとか。
眠れなくて夜中にクッキー作り始めちゃうとか。
お相手日替わりの、寝る前の長電話とか。

あれ?なんだか夜ばっかりだ。
「夜が自由」っていうのが、
わたしの中では自由の象徴なのかもしれない。

まぁ要するに、ひとり暮らしは楽しいよ!ってこと。
でも、結局友達に電話しちゃうのは
やっぱり少し寂しいから、っていうのは内緒にしておいて。


メディアパルさんの企画、
#ひとり暮らしのエピソード に参加させていただきました。

たのしいさみしい一人暮らし。
今年の春から!って方もたくさんいらっしゃいますよね。
素敵な新生活が待っていますように。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます! コメントもいつでもお待ちしております。